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M&A仲介会社からのしつこい迷惑電話や迷惑DMについての考察

近頃、M&A仲介会社からの頻繁な電話営業やダイレクトメール(DM)に悩まされている企業が増えているようです。本記事では、その背景や対処法、そして関連する最新情報について、詳細かつ分かりやすく解説いたします。初めてこの問題に触れる方でも理解できるよう、専門用語の説明や補足も交えてお伝えします。

はじめに

最近、SNSでもM&A仲介が行う営業電話やDMについてのクレームが増えています。これは多くの経営者や企業の窓口担当者がM&A仲介会社からのしつこい営業に困惑していることを示しています。

そこで、迷惑電話やDMに悩む皆様が少しでも気持ちを軽くできるよう、本記事ではその対処法や背景について丁寧に解説いたします。

なぜしつこい営業が増えているのか

1. 業界の競争激化

近年、M&A仲介業界は急速に拡大しており、多くの企業が参入しています。その結果、業界内での競争が激化し、新たな案件の獲得が企業の生き残りに直結する状況となっています。

2. 上場企業の業績プレッシャー

M&A仲介会社の中には、株式市場に上場している企業も増えています。上場企業は株主からの期待に応えるため、毎年の売上目標を達成しなければなりません。そのため、営業活動がより積極的かつ過激になる傾向があります。

3. 営業手法のマンパワー依存

多くの仲介会社は、人海戦術とも言える大量の電話営業やDM送付を行っています。これは、従業員を増やし、彼らに案件の発掘を任せることで、効率的に売り手企業を見つけ出そうとする手法です。

営業担当者の現状


(1)給与体系とノルマ

営業担当者の多くは、基本給+インセンティブ(歩合給)という給与体系を採用しています。インセンティブは、成約した案件の売上に比例して支給され、その割合は売上の20%~30%にも及ぶことがあります。

例えば、1億円の手数料収入がある案件を成約させた場合、営業担当者には2,000万円~3,000万円のインセンティブが支給される計算になります。このような高額な報酬が得られる一方で、ノルマ未達成時には基本給のみとなり、収入が大きく減少します。

(2)高いプレッシャー

このような給与体系の下、営業担当者は常に高いプレッシャーにさらされています。ノルマを達成するためには、新たな案件を獲得し続けなければならず、その結果、しつこい営業活動につながっているのです。

中小企業庁からの注意喚起

中小企業庁のM&A支援機関登録事務局は、最近の迷惑営業の増加を受けて、以下のような注意喚起を行っています。

「営業先が契約締結を断ったにもかかわらず、営業行為を継続するなどの行為が多く報告されています。M&A支援機関は、中小企業の意思決定を適切にサポートし、職業倫理に基づいた支援を実施することが求められています。」

この通知では、迷惑営業を続ける企業に対して、登録の取り消しや補助金の対象外とするなどの措置を検討する旨が示されています。

迷惑電話・迷惑DMの具体的な問題点


1. 業務の妨げ

頻繁な電話やDMは、企業の通常業務に支障をきたします。特に、小規模な企業では電話対応に人手を割く余裕がなく、生産性の低下につながります。

2. 信頼関係の侵害

一度断ったにもかかわらず営業を続ける行為は、企業間の信頼関係を損ねます。また、高圧的な態度や失礼な言動は、企業のイメージダウンにもつながります。

3. 情報漏洩のリスク

不適切な営業活動により、機密情報が漏洩するリスクも考えられます。特に、M&Aは企業の重要な戦略であり、その情報が外部に漏れることは大きな問題です。

迷惑電話・迷惑DMへの対処法


1. 明確に断る

相手に対して、はっきりと「興味がありません」と伝えることが重要です。曖昧な返答は、相手に付け入る隙を与えてしまいます。

2. 窓口を一本化する

企業内で、営業電話やDMの対応窓口を決めておくことで、情報の一元管理が可能になります。担当者以外は「窓口担当におつなぎします」と対応し、不要なやり取りを避けましょう。

3. 法的措置の検討を示唆する

しつこい営業が続く場合、「これ以上の営業行為は迷惑行為として、関係機関に相談します」と伝えることで、相手にプレッシャーを与えることができます。

4. 相談窓口への連絡

以下の相談窓口に連絡し、正式な対応を依頼することも有効です。

M&A仲介協会 苦情対応窓口

中小企業庁 M&A支援機関情報提供窓口

https://ma-shienkikan.go.jp/inappropriate-cases

迷惑DMに関する最新情報


1. 法律による規制

日本では、特定電子メール法や個人情報保護法により、無断での営業メール送信や個人情報の不適切な利用が規制されています。違反した場合、罰則が科されることもあります。

2. オンラインでの対策

迷惑メールフィルタの活用: メールソフトやプロバイダのフィルタ機能を利用して、迷惑メールを自動的に振り分けます。

アンチスパムソフトの導入: 専用のソフトウェアを使用して、迷惑メールの受信を防ぎます。

メールアドレスの管理: 公開するメールアドレスを限定し、信頼できる相手にのみ共有します。

おわりに

M&A仲介会社からのしつこい迷惑電話や迷惑DMは、多くの企業が直面している問題です。しかし、適切な対処法を知ることで、そのストレスを軽減することが可能です。重要なのは、企業としての対応方針を明確にし、社員全員が統一した対応を取ることです。

また、M&Aは企業の将来を左右する重要な戦略です。もし、本当に興味がある場合は、信頼できる仲介会社や専門家に相談することをおすすめします。

本記事が、皆様の業務改善やストレス軽減に少しでもお役立ていただければ幸いです。健全なビジネス環境の構築に向けて、共に取り組んでまいりましょう。

プライマリーアドバイザリー株式会社
代表取締役 内野 哲


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