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[今回は法律事務所!]シリーズ:価格で勝負しない癖〜成功企業7社の転換事例(2/7)

こんにちは。【ザ・プロフェッショナル】® 主宰の海東です。

「トラブルが起きてから相談するより、起きる前に対策する方が100倍経済的で効果的です」

これは、弊社コミュニティーメンバーで、大阪を拠点に法律事務所の経営するSさんがクライアントに繰り返し伝えている言葉です。

この表現、同じくコミュニティーメンバーで医者のAさんも同じようなことを仰っています。「もっと早く来てくれれば、色々と選択肢があったのに、と思うことはたくさんあります」と。

Sさんは、独立開業してから10年。ご自身に加えて、弁護士2名、スタッフ3名の事務所を舵取りされています。かつては、一般的な中小企業法務や個人の訴訟対応を中心に事業を展開していました。

しかし、私たちとのご縁があり、一緒に戦略を組む中で4年前に大きな転換を図りました。現在では、となる中規模なコミュニティーにおける中小企業から絶大な信頼を得る「予防法務のスペシャリスト」として知られています。

■"値下げ要請"に悩んだ日々

「弁護士事務所に相談するのは『最後の手段』と考える経営者が多く、相談に来たときにはすでに深刻な状況になっていることがほとんどでした」とは、Sさんのお言葉です。そういった状況の中でも依頼もあり「こんな書類の作成に○○万円もかかるのか」といった値下げ要請も珍しくなかったといいます。

弁護士の増加に伴う競争激化も追い打ちをかけ、新規案件の受任件数は頭打ち。事務所経営に危機感を抱いていました。

■転機となった"ある製造業の社長との会話"

転機は、ある製造業の社長との何気ない会話から訪れました。

「法律的な課題が生じたときにやりとりをさせてもらっていますが、Sさんの視点って法律の領域以外にも広いから、多角的な視点で定期的にアドバイスをもらえる関係があればいいのにね」

この言葉に「はっ」としたSさんは、ご自身の事務所のビジネスモデルを根本から見直すことにしました。そこから私たち【ザ・プロフェッショナル】® の専門チームとセッションを重ね、下記の方向性にシフトすることにしました。

■ 実践した"価値転換"の具体策

□ サービス体系の再構築

  • 「予防法務顧問」サービスの創設(月額8〜30万円)

  • 経営リスク監査プログラムの開発(全12項目)

  • 特定分野に強い税理士や社労士などとの連携とサポート体制の展開

□専門性の明確化

  • 製造業・建設業・IT業界など特有の入金サイクルを持つ業種に特化した法務サポート体制

  • 業界別の「トラブル予防チェックリスト」の開発

  • 業界団体との連携による勉強会の定期開催

顧問契約数の増加と、顧客単価の向上により収益性が底上げされたため、システム面や人材面への投資、還元も増やすことができ、事務所内の雰囲気が大きく変わったことが“定性的な”結果成果となって表れました。

■ 数字で見る“定量的な”結果成果

こうした取り組みの結果、同事務所には下記のような変化が生まれました。数値は、事務所全体のものです。(インタビュー日現在)

  • 顧問契約企業数:28社 ⇒ 51社

  • 月間平均売上:220万円 ⇒ 920万円(常勤スタッフ1名あたりの年間売上2,000万円を達成)

  • スポット案件のリピート率:15% ⇒ 68%

  • 従業員満足度:63ポイント ⇒ 89ポイント(社内調査)

特筆すべきは、「トラブル対応」という事後的な業務が減少し、「予防法務」という計画的な業務が増えたことで、プロセスの平準化が進み、残業時間が40%減少したこと。

■ 成功の"核心"となった考え方

Sさんは成功の秘訣をこう語ります。

「私たちが行ったのは、『トラブル解決の専門家』から『ビジネスの法的リスクを減らす専門家』へのシフトです。お客様にとっての『真の価値』とは何かを考え抜いた結果でした。重要なのは、海東さんがおっしゃるように私たち自身の『提供価値の再定義』です。何のために存在するのか、どんな価値を届けるべきなのかを明確にすることで、自ずと価格競争から脱却できたのです」

■ 明日からできる実践ポイント

専門サービス業において価格競争から脱却するために、下記の3ステップを検討してみるのはいかがでしょう??

  1. 「お客様にとっての『理想の未来』は何か?」を考える

  2. 「その理想を実現するために必要なサービス」を設計する

  3. 「成果に対して適正な対価」を設定する

この思考プロセスが、価値競争における優位性構築の鍵となります。次回は、デザイン事務所における価値転換の事例をご紹介します。

わくわくを通じて、ありがとうの輪を広げる。そのためのビジネスのサポートができたら嬉しいな、と思っています。

今の現状にもし不満な要素が少しでもあるとすれば、それはあなたのせいではありません。多くの経営者は頑張っているし、本来はもっと素晴らしい結果成果を出して当然の方(かた)です。
そうなっているのは、世の中の間違った情報によって、頑張りの方向がほんの少しズレてしまっているからです。

おかげさまで多くの業種の経営者の方と接点をいただいているため、事例がたくさんあります。ご相談事項があれば、メッセージください。一緒に今ある強みの磨き方を考えましょう。

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