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【注目】Fintech領域で注目のBNPLについて!!世界中で注目が集まるBuyNow,PayLaterとは!!
こんにちはPreVenture編集部です!
今回の記事のテーマは「BNPL」です。簡単にいうと後払い決済です。技術の進歩によって世界的に革新的なサービスが生まれ続けているフィンテック分野では、多くのスタートアップ、ベンチャー企業がしのぎを削っています。今回はそんなフィンテック分野で今アツいBNPLに、市場規模、特徴を踏まえつつ、ビジネスの観点から触れていきます!
BNPLとは
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BNPLとは「Buy Now Pay Later」の略語です。日本語にすると、「今買って、あとで払う」という意味になります。
BNPLは決済方法の一つです。日本における「後払い決済」や「先延ばし決済」と似ており、クレジットカードに変わる決済方法として注目されています。2021年9月7日に、電子決済サービス大手であり、世界的にビジネスを展開しているPaypalが、日本初のユニコーン企業でありBNPLサービスを提供しているPaidyを約3,000億円で買収した(国内スタートアップでは過去最高額)ことで日本でも大きな話題になりました。とは言っても、日本でのBNPLの知名度はそれほど高くありません。今後日本でも間違いなく広がっていくと考えられているBNPLについて深ぼりしていきます
BNPLとクレジットカードの違い
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BNPLのサービスとクレジットカードの間には以下のような違いがあります。
分割払いでも手数料不要
店舗側の手数料が高くなる
信用調査がなく簡単にアカウント作成可能
BNPLサービスはメールアドレスや電話番号を入力すればすぐに登録を完了させることができるという利便性を持っています。BNPLサービスの主な収入源はクレジットカードと同様、BNPLサービスに加盟する店舗からの手数料で成り立つビジネスモデルです。支払いが遅延した場合には遅延金が発生しますが、BNPLサービスを提供している企業にとって遅延金がおおきな収入源であることはありません。
また、信用調査がなくてもアカウントが作成できることから、クレジットカードを所有できない若年層を中心に普及しています。
BNPLの市場規模
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ここで、BNPLの世界市場と国内市場について確認します。
急速に拡大する世界市場
世界市場はスウェーデンのKlarna、米国のAffirm、オーストラリアのAfter Payといった FinTech企業が市場拡大を牽引しています。2020年には市場規模が10兆円を超え、2025年にはその規模は72兆円にも登ると見込まれています。新型コロナウイルスの感染拡大に伴ってECサイトを利用する機会が格段に増えました。これによりBNPの需要が一層高まったようです。特に、クレジットカードを利用しない層(20〜30代)に急速に広まったことで市場が拡大したと考えられています。
国内市場
世界市場との差はありますが、日本国内のBNPLの市場規模も徐々に成長しています。2020年時点の国内市場規模はおよそ8,800億円でした。
日本ではまだBNPLを知らないという人も多く、浸透するまでにはもう少し時間がかかりそうです。
BNPL企業の傾向は、事業拡大に向けたマーケティング費用の負担に加え、足元ではコロナ禍を受けた貸倒引当金の積み増し等により、ボトムライン収益は赤字となっています。しかし、将来性の期待値が評価され、マーケットからの評価が高まっている状況です。
世界市場と国内市場の違い
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BNPLにおいて、世界市場と国内市場では普及の背景が異なっています。
手数料が理由の欧米
欧米では多くの人が分割払いを選択します。これまでの決済方法では、分割すると手数料が掛かりました。しかし、BNPLサービスでは、手数料を店舗側が負担するため、消費者は手数料が掛かりません。この手数料が掛からないということが欧米でBNPLが普及しているポイントです。
クレジットカードが普及していない東南アジア
東南アジアでは、ここ数年でスマホが普及しました。その結果スマホでのQR決済や送金が広がっており、ECでの買い物も増えています。しかし、東南アジアではそもそもクレジットカードがそこまで普及していません。そのため、ECなどのネットショッピングでのオンライン決済に対応したサービスとしてBNPLが普及しています。
安心感の日本
日本では、BNPLの安心感からサービスを利用する人が増えているようです。
クレジットカードの場合、
・クレジットカード情報を入力し無ければならない
・決済しても商品が届かないのではないか
などの不安をユーザーは感じます。個人情報が流出したり、商品が送られないなどの詐欺が起こる可能性もあります。また、代引きなども直接受け取る事に対するめんどくささがあり、直接現金を業者に渡すことに抵抗感のある人もいます。
しかし、BNPLでは商品が届いてからオンライン決済で個人情報を入力する必要も無いので、安心して利用できることからユーザーが増えているようです。
BNPLの特徴
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BNPLには「与信精度」・「手数料」・「参入障壁の高さ」の3つの特徴があります。
与信精度
BNPLの特徴の一つとしてあげられるのが与信精度です。サービスの導入を決める際の決め手として、手数料の安さや運用の柔軟性があげられる中、利用者に対する与信の精度が重要になります。BNPLでは確実にあとで払ってもらう必要があります。どれだけ高い与信精度を持ったサービスにするかは普及率を大きく決定するでしょう。
手数料
BNPLの大きな特徴として手数料があげられます。BNPLのサービスには、一括の後払い、短期の分割払い、長期の分割払いがあります。基本的にBNPLでは利用者は手数料がかかりません。日本ではユーザーが安心を求めて後払いを利用しますが、欧米の地域ではクレジットカードと違って手数料がかからないBNPLサービスが人気となっているのです。日本では情報漏洩への懸念からBNPLが注目を浴びつつあるようです。
参入障壁の高さ
もう一つの特徴としてあげられるのは参入障壁の高さです。情報の蓄積や仕組みづくりのハードルの高さなど、BNPLサービスには参入障壁が高いことが多々あります。与信精度やユーザーの満足度を最大限にする設計をするには、多くの情報の蓄積や経験が必要となります。そのため、サービス運用の長さがカギになります。
大手金融企業はBNPL事業を一から始めるよりも、BNPLのベンチャースタートアップ企業と連携したほうが効率的と判断し、業務連携をする事例が増えています。
海外では問題も
海外では分割払いなどユーザーにとってのBNPLの利便性が高いことから若年層などが支払い能力を超えて後払いを利用するケースが増えており、支払いの遅延が問題になることも多いようです。
BNPLを導入するメリット
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ここでBNPLのシステムを導入すると店舗側にどのようなメリットがあるのか確認します!
幅広い客層に利用してもらえる
BNPLを決済方法に加えることは二つの客層の拡大につながるとされています。ひとつ目は、18歳以下の学生や職業や年収によって所有が難しくクレジットカードを所有することができていない層、もう一つはクレジットカードは保有しているが、積極的に使いたくない層です。メルペイの調査によると、「支払うタイミングを調整できるから」や「利用金額を把握しやすいから」という理由でBNPLが利用されていることがわかります。
客単価アップが望める
BNPLの最大の利点は基本的に分割で払っても余分な手数料がかからないことです。大きな金額のものでも分割で支払えば一度の出費は大きくないという人間の心理を利用してBNPLを導入することで思い切りが必要な買い物に二の足を踏む必要がなくなり、客単価アップが期待できるでしょう。政府統計の総合窓口で公開されている統計表(2021年4月から6月期)によれば、全国の単身世帯のインターネットを通じた支出金額の月平均は10,953円でした。この額を超えるような商品を提供している場合、BNPLを導入することで客単価をあげることができるかもしれません。
世界的なプラットフォーマーの参入
海外に目を向けてみましょう。AppleやGooleなどの巨大プラットフォーマーが決済サービス領域に参入し始めています。これらの企業は4回の分割払いなどの決済方法の提供も始めています。独自の決済方法を追加するプラットフォーマーの動きも新しい決済に向いています。
BNPLサービスを提供している会社からしてみれば、これは巨大な敵となるでしょう。世界的なプラットフォーマーはそれなりの知名度、信頼性も兼ね備えています。BNPLサービスがどのように巨大プラットフォーマーと戦うのか、それとも協力するのかという視点で今後のBNPL市場をみていくと何か気づきが見つかるかもしれません。
今後の展望
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今後のポイントになるのはオフラインでの決済でしょう。これまでのBNPLはECを中心とした決済方法であったため、現在ではオンラインでの導入割合が高くなっています。既存プレーヤーはすでに大手のEC事業者と独占契約を結んでいることが多く、後発の決済システムが大きいEC事業者を今から獲得することは難しいと考えられています。
そのため今後のBNPL決済サービスはオフラインでの競争となるでしょう。既存のBNPLサービス会社はオンラインで広めることができた仕組みをどのように実店舗に落とし込むか、どのように新たに参画してきた巨大プラットフォーマーの勢いに対抗するかが重要になってくるでしょう。デジタルウォレット領域にも競争は波及するとみられており、BNPLサービスがどのように生き延びるか、それとも衰退していくのか、今後の成長に期待しましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。今回の記事では新しい決済方法BNPLを紹介しました。クレジットカードと違って簡単に使える上にメリットも大きいBNPL決済ですが、中にはデメリットにつながる可能性もあるようです。市場規模も拡大しており、今後日本でも広がっていくと考えられます。世界的なプラットフォーマーが参画してきたこの市場が今後どのように動いていくのか見ものです。オフラインでの決済方法の変遷も同じくみてみる必要があります。ではまた次回の記事でお会いしましょう。
最後に。。。
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