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サンタさんは見えない。ミア・ハンセン=ラブ「それでも私は生きていく」

小学生の低学年くらいまでだったろうか
クリスマスの朝を楽しみにしていた
目を覚ますと枕元にサンタさんからのプレゼントが置いてあったからだ

ミア・ハンセン=ラブ監督「それでも私は生きていく」にも
クリスマスパーティーのシーンがある
これはフランスの風習なのか
パーティーの途中で子どもたちが、おばあちゃん、母親や叔母たちに隣の部屋へ移動するよう言われる
「サンタさんは子どもがいると来てくれない」という
カーテンを閉められ「絶対ここから出てこないように」と
さらに念を押される

子どもたちがいなくなったリビングでは、大人たちがそれぞれのプレゼントをツリーの下に置く
そして寸劇がはじまる
「ああ、外に誰かいる」、「サンタさんだ」、「うわ、トナカイも入ってきた」、「子どもたちはいないだろうね?」、「子どもたちはいい子かな?」、「まあ、プレゼントね」、「よし、では行くぞ」、「ありがとう、さようなら」
子どもたちはそのやりとりの声だけを聞いている

目で見えないから想像するしかない
おそらく、あの人はいるはずだ
声は聞こえるから分かる
やっぱりいるんだ
ああ、この目で見たい
でも見ることはできない

プレゼントが手に渡るとき
サンタさんはもういない

見ることが許されたとき
サンタさんは幻想だったことを知ってしまっている

サンタさんとは何だったのか

なんだかよくわからないけれど、涙が出るほど美しいシーンだった




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