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議論を有利にすすめるたった2つのテクニック!

議論を有利にすすめるコツは、たった2つしかありません。
ひとつは「常に質問する側に回ること」で、もうひとつは、たとえわかりきったことだったとしても「発言の根拠や前提を質問すること」です。これさえできれば、誰だって間違いなく議論を有利に進めることができます。

常に質問する側に回ることで場を支配する

上司へ報告や相談をするとき、上司はつねに強い立場にいますよね。では、なぜ上司はいつも強い立場にいるのか考えたことありますか?

 人事権を持っているから?
 自分よりも経験が豊富だから?
 いろいろ知っているから?

もちろん、それらも重要な要素なのですが、決定打ではありません。

かならずしも、上司があなたよりも論理的考える能力に優れていたり、最新技術もスキルも長けているとは限りませんし、最先端の技術は日進月歩なので、部下のほうが毎日現場で技術を磨いている分よくわかっていることも多いはずです。

論理的思考についても、同じことが言えます。
いろいろ理屈をこねて問題の原因や解決策を考えてみても、答えは現場にしか転がっていないことが多いはずです。
前提が狂っていると、どんなに論理的に考えても出てくる答えは見当違いのものになってしまいます。事象の因果関係をひもといたり、仮説をだしたりするのには向いているかもしれませんが、上司が必ずしも論理的だから優れているとは限らないのです。

そういう意味でいうと、既成事実や社内のルールに厳しすぎて柔軟性がない上司や、細かいことばかり気になってしまう人と同じですね。目的と手段が入れ替わってしまっているのです。

ではなぜ、上司は強い立場にいることができるのでしょうか?

実は、それは上司がいつも質問する側にいるからなのです。
常に質問しつづけることで、いつも相手に質問に答える責任がある状態を強制することができるからなのです。

つまり質問された側としては、正しいことを答えないといけないとか、納得感のある説明をしなければいけない、とかのプレッシャーがかかるのです。そのプレッシャーやストレスそのものが「強さ」です。

もし、答えることができずに沈黙してしまったりしてしまうと、あなたの言動は説得力がなく無責任だという暗黙の印象を与えることができます。

この無意識の恐怖感が、質問される側をつねに弱い立場に追いやっているのです。

だから、その説明責任を相手に投げ返すことができさえすれば、あなたはつねに「強い」立場で議論を有利にすすめることができるのです。

発言の根拠や前提を質問して言質をとる

質問をし続けることさえできれば、相手を弱い立場に追い詰めることができると言ったって、常に質問する側に立つことは言うほど簡単ではありません。

そもそも、質問する側に立つためには、何を質問すればいいのか悩んでしまいますよね。
相手だって、いつも質問ばかりされていては、次第に嫌気が差してフラストレーションも高まっていきます。
だから主導権を握るための質問は、最適なタイミングを狙って、適切になされるべきなのです。

たとえば、なかにはあなたを困らせようとして、意地悪な質問をされることもあるでしょうし、今の時点では回答すべきでない質問だってあります。悪意のある質問はもちろん、悪意がない質問であっても、まともに答えてはいけないときはあるものです。

そんなときのためにも、即答にこまったときに使えるフレーズを、前もっていくつか覚えておくことをお勧めします。
以下のフレーズは一例ですが、プレゼン前に口癖にして覚えておくと、いざというときに便利ですよ。

<不当な批判を受けた場合につかうフレーズ>

「そう言い切れる根拠は何でしょうか?」
「すみませんが、前提条件が間違っているような気がしています。大前提を教えてもらえますか?」
「いつの情報なのでしょうか?今でもそうだと言い切れるんでしょうか?」
「そう言っているのは誰でしょうか?何人がそう言っているんでしょうか?本当に信じていいのでしょうか?」

<即答できない質問への反質問>

「すみませんが、その質問の意図は何でしょうか?」
「そのご質問の答えは今説明した通りですが、どこがわからなかったのでしょうか?」
「その質問に答えると、何がわかるのでしょうか?」
「その質問は、今議論すべきことなのでしょうか?なぜでしょうか?」
「面白い質問ですね。参考までに、どういった答えを想定されていますか?」

そして、ここからがいちばん重要なのですが、これらの質問でいったん主導権をとったら、たてつづけに質問を繰り返していくことです。それによって、かならず議論を有利に展開することができます。

相手が答えられなくなったタイミングを見計らって「では、私のほうが正しいですね」という空気を作ることさえできれば、事実上あなたの勝利です。議論の決着とは、結局こういう空気を作れるかどうかなのです。

気をつけるべきこと

これらの二つをコツを身に着けることができれば、ほぼ間違いなく議論を有利にすすめることができます。でも、もしあなたが質問する側で、相手からこんな質問でかえされたら正直あんまりいい気持ちしませんよね。

だから、質問する側にまわった方がいいといっても、すべて質問で返すような愚かなことをしてはいけません。ただしい情報を伝えることも信頼関係を築くためには大切なことなのですから、答えられる質問については、真摯に答えてあげないといけません。

上司には監督責任があるので、部下は上司からの業務指示にしたがって報告や相談などをしなければいけません。だからこそ、上司は自分が指示したことができているのかどうかを質問しているのです。

だから、質問することに対して、「なんでそんなことを聞くんですか?」とは口が裂けても言ってはいけません。

またあなたが新しいアイデアをまわりに提案しているときにでも、やたらに反質問ばかりしていてはいけません。

こっちが相手に聞いてもらいたい立場なので、聞かれたことに丁寧に説明してあげる必要があります。こんなとき、「質問の根拠をいってください」なんていったら、「こっちが聞いているんだよ!」といわれてしまいますよね。

強い立場に立ちたい一心で、不誠実に、なんでもかんでも質問で返してしまうようでは、あなたの話は今後だれも聞いてくれなくなるでしょう。

不当な批判を受けたり、相手が憶測や推測だけであなたのアイデアを批判してきた場合を狙って、あくまでも防御手段として使うように心がけないといけません。諸刃の剣ですね。


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