中学受験の基礎知識 入塾テスト
中学受験をする際に、決して無視できない『塾』についての話です。
大手集団塾に入塾させようと考えた時に、知っておいた方が良い基本事項を何回かに分けて書いていきます。
カリキュラムのスタート時期
一般的には入塾の時期は3年生の2月と言われています。
これは小学校の年度が4月から3月に対して、大手集団塾は2月から1月で、東京の中学入試集中日が2月1日であることが関係しています。
大手集団塾の中学受験のカリキュラムは3年間で組まれていますので、その塾のカリキュラムを全て体験するには、3年生2月(新4年生)に入塾する必要があります。
入塾するにはテストがある
3年生の2月に入塾を想定すると、入塾テストが行われるのは、3年生の11月頃から募集がスタートになります。
どの塾も2月の入塾までに、複数回のテストが用意されています。
児童を集めるための営業を必要とする塾では、無料の学力診断テストが入り口になっていることが多いようです。
好成績が取れると特待生として入塾しないかというお誘いが熱心あるかもしれません。
テストの内容は、各塾とも算数と国語の2科目です。
難易度に関しては、公立の小学校のカラーテストよりは難しい設定になっていますので、満点が続出するテストではありません。
市販の問題集では、『トップクラス問題集』が近いように感じます。
入塾テストの時期など詳しくは各塾のHPを確認してみてください。
入塾テスト対策について
入塾テストに関する対策は必要ですかと尋ねられることがあります。
入塾できれば良いと考えての対策か、上位クラスでの入塾を目標にしている対策か、いきなり難しい問題に直面して、塾に対してネガティブな印象を持たせないようにする対策かによって、何をするべきかは異なります。
対策とひとことで言っても、入塾テストまでに学力を上げるものもあれば、慣れに対するものもあります。
学力に関して、ひとつ目安になるとすれば、お子さんに家庭学習の習慣がついているかどうかという点です。
学校の宿題以外に、何か取り組んでいたことがあるでしょうか。
本格的な先取りではなく、漢字や計算ドリル程度の学習でも、毎日コツコツとこなしていたかどうかということです。
入塾前に学習習慣がついていないと、塾の課題に取り組むこと自体のハードルが上がってしまいます。
これらの学習習慣がついていれば、3年生の段階での入塾テストで不合格となることはないと思われます。
学習習慣がついており、漢字や計算がだいぶ先の学年まで進めていて、通信教育や市販のドリルの学習も学年相当のものはクリアしているという方で、上位クラスからのスタートを視野にいれている方は、学年相当の応用問題を解いておけば充分に入塾テストの対策となると思います。
入塾テストに対する慣れの対策としては、事前にテストがどういうものかということを説明しておくことになります。
何のためのテストか、学校のテストに比べてどの程度難しいのかなどなどです。
お子さんの性格から場なれが必要であるという判断をするならば、事前にいくつか受けておくことも必要かもしれません。
ただし、有名で規模が大きなテストを受けるのはあまりお勧めはしません。
特に中学受験率が高い地域にお住まいの場合は、学校でテストの成績順位について話題になってしまうことも少なくないはないようです。
そこでついた順位が自分の価値だと思い込んだり、後々のコンプレックスの要因となってしまっていたというケースがあります。
知っている子に合わないように、最寄りの校舎で受験しないなどの工夫する必要があるかもしれません。
入塾時のクラスは本当に重要か
カリキュラムスタート時のクラスはなるべく高い方がいいという話があります。
これはある意味では正解ですが、最近はそうとも言い切れなくなっているかもしれません。
以前は、入塾テストで対策を行なっている家庭や入塾時期も3年生の2月より前にだったという家庭は、あまり多くはありませんでした。
対策をしない状態で実力相当のクラスからスタートすればいいと思っていたり、新4年生からの入塾を早過ぎると考えたりする親御さんも少なくありませんでした。
何も親が対策させなかったお子さんが多数を占めていた中で、学習の飲み込みの良い、いわゆる『地頭』が良いお子さんが上位クラスに多く存在していました。
その頃ならば、上位クラススタートした子がその後難関校へ合格する可能性が高かったと言えると思われます。
しかし、四谷大塚の予習シリーズの大幅改訂が2012年にあり、大手集団塾のカリキュラムの進度が現在のようになり、2014年に『中学受験は親が9割』という書籍が発売されヒットし「入塾時になるべく良いクラスでスタートさせようという」という論調になって以降は、入塾テスト対策をする家庭が増え、それどころか新四年生で優位な位置でスタートしたいと低学年から通塾を始めるお子さんも増えました。
こうなってしまうと、そのお子さんの持って生まれた資質のようなものが見えにくくなってきたように思えます。
入塾時のクラスがあまりにも低過ぎるというのはちょっと厳しいと思いますが、クラスが真ん中以上ならばそれなりに、難関校を目指していけるボジションだと思われますので、ここで落胆する必要はないと思います。
※塾によってはクラスごとにテキストを変えているという場合がありますが、難関校を目指したい場合の塾選びとしては注意が必要になります。
家庭学習の習慣がしっかりとついていないお子さんには習慣づけをしっかりとサポートしたいところです。
そして、塾の授業やテキストや課題に慣れていくことが大切です。
まずは、半年後を目安に頑張っていきましょう。
立ち位置としては、入塾時よりは半年後の方がわかりやすいですし、もっと言えば難易度が上がる時期が何回かあります。
それにうまく順応し、結果が出せるかどうかが重要になってきます。
小学生の成績は、中高生のそれに比べればかなり流動的であると言えると思います。
こちらについては入塾後のスケジュールの記事で詳しく触れてみようと思います。
こちらは2018年の最新版です。
この記事は、私の体験したことをもとに書いています。
必ずしも、全ての方に当てはまるわけではないと思いますし、かなり主観が含まれていますので、時間経過によって、あるいは一般的な観点からは、正確性に欠ける部分もあるかも知れません。
こんな話もあるんだな程度に読んで頂ければ助かります。
何かの決定に際しては、こちらで書かれた情報は参考程度に考えていただき、自己判断でお願いいたします。
また、お勧めした書籍やグッズを使用する場合は効果についての責任を負えませんのでご容赦ください。
ご質問がある方は、コメントやメッセージをいただけたらと思います。
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