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名前は同じでも、ちょっと違ってて
炭酸カルシウムという物質をご存じだろうか?
炭酸カルシウムやタンカルなどと言われる物質で、
本当に様々な用途で使用される。
一番身近なものだと、学校教室で黒板に利用していたチョークだ
(実際にはチョークにも複数の種類があるようだが)
https://www.kanbanshop.jp/f/contents/kokuban_about_chalk
![](https://assets.st-note.com/img/1684126705914-jEeDxB1rrF.jpg?width=1200)
そんな、炭酸カルシウムは畜産においても使用され、
カルシウムの補給として、採卵鶏に給与されたり、
カルシウム不足に陥りやすいといわれる乳牛に給与している。
https://www.oshima.pref.hokkaido.lg.jp/fs/4/0/6/1/8/3/6/_/nyu03.pdf
北海道における、乳牛の低カルシウムに関する注意喚起
で、このタンカル、混ぜ屋としても重要な物質で、使用量の多いものの1つ
なんで使うのかというと、賦形剤(ふけいざい)として使う。
賦形剤がどういうものかというと、
医薬において,微量の主薬にかさを与え,製剤の取り扱いや服用を容易にするために混合工程で添加される増量剤である。無害であるのはもちろん,主薬の性状,吸収,薬理作用に変化を与えるものであってはならない。
混ぜ屋としては、本当に微量な栄養素を使いやすいように、
倍散したり、複数の原料を1つに混合するのが本業である。
だからこそ、賦形剤は非常に多く使う。
薬用量が少ない薬品は、予め、乳糖などの賦形剤を用いて量りやすい形に予製しておくこと。例えば、リン酸コデイン散 1%、パセトシン 細粒(100mg/s)などの製剤品がある。
賦形剤にはどのようなものがあるかというと、
米ぬかやきな粉、小麦粉などの植物関連ののものや、
タンカルや無水ケイ酸、バーミキュライトなどの鉱物関連のもの、
酵母や乳糖などの生成物などがある。
実際のところ、どれを使うのが最適化なのかは、どんなものを作るのかによる。少しでもカルシウムを取らせたいならタンカルだし、嗜好性が気になるなら焼酎かすやビール酵母などでもいい。
しかし、圧倒的な割合を占めるのは米ぬかやタンカルである。
なにせ、流通量とコストが違う。
賦形剤としての話はここまで、
本題の『名前は同じでも、ちょっと違ってて』というのは、
炭酸カルシウム=タンカルについてなのだ
タンカル、つまり石灰石を粉砕したものだが、
石灰石がどこで取れるかによって、若干色が異なる。
例えば、東北で取れるタンカルは、白い
なのだが、秩父で取れるタンカルは、灰色っぽいのだ
名前は一緒だし、炭酸カルシウムが入っていることにも変わりはない。
しかし、成分名として一緒であっても、色が違う以上、
「これって同じものか?」と思うのは当然
安全データシート
(通称SDS)
なんかに記載されているものでも、
・CaCO3の含量
・水分量
・粒度
・白色度
などなど、様々に記載されており、
各社製品によって、記載されている内容は異なる。
経済産業省において、SDSの標準的な書式はあるので、
それに則って作っているだろうが、
各社が別途作っている書面の統一記載内容、ましてや書面規格なんぞない。
同じものであっても、まったく同じではない代表例に、
炭酸カルシウム=タンカルを挙げたが、
他の物質も同じ名前でも違うことは多い。
そんな説明は、これから少しづつしていくことにしよう。