『The Stillness of the Wind』ゲーム感想
steamでたまたま見かけたこちらのゲーム。
グラフィックで一目ぼれしたので詳しい内容は確認せずに、購入しました。
最後に結末に触れるのでネタバレ注意です。
おばあさんとのスローライフ
始まると簡単な操作方法は表示されるものの、なにをすればいいのかわからず、最初は手間取りました。
試行錯誤の末、かごやバケツをもっていないと卵、ミルクが回収できないことに気づき、ようやく食料が確保できました。あぶないあぶない…。
ヤギにふれると鳴き声も聞こえてかわいい!干し草がないとヤギたちがおなかをすかせてしまうことにもようやく気づき、慌てて卵などと物々交換を行商人と行いました。行商人のおじいさんも何日かしないと来ないみたいで危なかったです。(後から調べたら三日に一度みたいですね)手探りのなかで覚えていくゲームだ…
世間から孤立していて、外の世界を知る手段は行商人のおじいさんとの会話と親族から送られてくる手紙のみ。最初は登場人物がだれか把握するのに時間がかかりましたが、世界観を感じるためには手紙は読んだ方がいいですね。
卵を回収し、干し草を交換して種をまいて…そんなことを続けていたらじわじわと恐怖が襲ってきました。
悪夢の予兆
まず最初に狼が夜に現れました。声が聞こえて外に出てみると二匹?見えたような気がします。銃の弾はこの時使うのか…となりましたが時すでに遅しで怖くて家にこもるしかありませんでした。
朝起きるとヤギが一匹やられてしまっていました。そんな……
しかも続くように鶏も消え、完全に食料が途絶えてしまいました。
嵐が来て、雨も降り、岩近くに生えていたきのこでしょうか?これを収穫しなんとか食いつなぎました。手紙の内容もなんだかあやしい方向に進み始め、なんだかもう元には戻らないような状況になってきました。
さっきまでのんきに卵回収してたのに…
ついにやることがなくなり、起きてはうろうろして寝る、をくりかえすことになりました。ここが一番つらかったです。
途中に挟む回想シーンもダークで、心苦しくなりました。シンプルで温かみのある色だったのに、どんどん暗くなっていき、死に近づいているんだなと思い知らされました。
嵐も過ぎ、雪が降りました。主人公のタルマの調子があまりよくないみたいです、あの厳しい状況を生き抜いたのか!と感動していたのもつかの間。
休ませようと思い部屋に戻ると、タルマが家から出てくることは二度とありませんでした。
おわりに
シンプルなデザインでかわいらしい見た目とは裏腹にどんどん取り返しのつかない事態になっていく様が描かれたなんとも心苦しくなるゲームでした。
エンディングも何種類かあるみたいですが、データを途中でセーブすることができないため、また最初から一連の動きをしないといけないわけです。
最初思うようにできなかったので、もう一度プレイしようかなと思います。
でも正直このゲームは何回も周回するものではないかなと同時に思いました。
誰もいない場所で自給自足をして過ごす主人公。
暖かさも感じながら、じわじわとやってくる恐怖、そして死を迎える物語。
こんなにも複雑な気持ちになるなんて思ってもみませんでした。
でも私は出会えてよかったと思える作品だと思います。
グラフィック、世界観、音楽、どれをとっても美しく、せつないものでした。