1995年映画『さわこの恋2 1000マイルも離れて』感想
1995年映画『さわこの恋2 1000マイルも離れて』(監督・脚本/村上修)鑑賞。若かりし西島さんは人気脚本家という役柄。なお、2とある通り1もありますがそちらはキャストが全く違います。
当時流行ったトレンディドラマを映画にしたような作品でした。
まだまだ売れっ子タレントやプロデューサーが幅を利かせ、ふんぞり返っている時代だったのか、派手なキャラが多数登場し劇伴もうるさいくらいだった(すいません)。物語はこの後、さわこと吉田の恋愛へと発展していきますが、実はさわこの悩みの内容を吉田は勝手に録音しており、そのまま自分が脚本を手掛けているドラマにエピソードを丸ごと使用してしまう。そこでさわこにバレて、まだるっこしい展開か、と思いきや割と呆気なく解決。
さわこは脚タレから脱却し、エキストラからやり直す決意をし、吉田は今まで部屋に缶詰にされてまで無理矢理原稿を書かされていたのを怒号で阻止し、自分の想いを込めた脚本を完成させる。
立場の強い者が弱い者に力づくで従わせ、恋愛も主に女性が見かけで品定めされる。そんなドラマが多かった記憶がある。それが個人的に苦手だったので90年代から現在にかけてドラマの記憶はほとんどない。この映画も怒声が多く飛び交うので鑑賞中苦痛ではありましたが、清々しく終えてほっとしました。
現在、西島さんはパワハラで進行させるような映画やドラマ業界を懸念し、健全さを提示している。作中、吉田は散々上に振り回されながら最後はプロの書き手としてプライドを復活させる。若かりし頃に演じた理不尽な扱いを受ける脚本家の吉田個人の物語は、その後の西島さんのそんな強い意志を思わせました。最近では最初から最後まで全力では力尽きてしまうから抜ける所はうまく抜いて、と若い俳優さんたちにメッセージを送っている西島さんだが95年のこの辺りはどんな考え方だったのだろう。
役としてはコミカルさがあり、現在ドラマ等で演じている柔和な役の原型のようで淡々とした台詞回しや笑顔にも面影があり、今ちょっと本気で笑った? というような場面も一部見られました。(いや勝手に思ってるだけです)
なお、こちらのDVDパッケージにあるような濃厚なラブシーンは割と一瞬なのでそこまでアピールしなくても、と思いました。むしろこのラブシーンに込められたヒロインが自我を取り戻す涙とかもっと大事なことがあるだろ、と(笑)