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2024年 AppleTV+ドラマ『SUNNY』感想 5

🤖第4話感想&ネタバレ

第5話 Joey Sakamoto(邦題「坂本ジョーイー」)

最高にサニーの表情が可愛い回です。
配信時、なぜサニーちゃんのスタンプとかグッズを出して、バーッと話題作と触れ込んでくれないのか、と地団太踏みました(笑)そんな5話ですがサニーの可愛らしさとは裏腹に悲しみに胸が痛む回でもあります。

京都にいては危ないからと、スージーとサニーはミクシーの故郷で叔父がいる農場へと電車で向かっていた。その電車の中でスージーは、息子、ゼンが主役を演じる学芸会にマサが来なかった事を夢の中で思い出していた。劇が終わってから後に現れたマサは、これまで見て来た明るいマサとはまるで別人で、謝罪もせず昼間から酒も飲んでおり、スージーにブツブツ小言を言う『みっともない』夫です。「後ろから見ていたことにして」というスージーに「嘘はつきたくない。あの子も絶望を憶えるべきだ。君が一生守れる訳じゃないんだから」と辛辣に返事をする。スージーは憤りを感じながらも、この時のマサはきっと仕事の苛々のせい、一時的なもの、と思い込みますが、マサはこの時、大きな事件(事故?)を抱えていて酒でも飲まなければやってられない状態だったのでしょう。しかもスージーにはずっと冷蔵庫部門で勤務していると偽っているし……。

ミクシーとサニーに起こされ、電車から降り、農場に向かうシャトルバスに乗る予定が、廃止されていた。しかも片目が不自由な不審な男も目にし、方法もないので仕方なくサニーが最も不審に思っているミクシーの言う通りにして「歩いて2~3時間」という農場へと向かいます。木々ばかりの道のりの中、スージーとミクシーは互いの過去を話したりして束の間、平和な時間を過ごします。段々日も暮れ始めた道の途中、サニーは鳥の雛を見つけ、ジョーイーと名前をつけて嬉々として2人に見せますがスージーは足手まといだから置いて行って、と叱ります。しかしミクシーが「農場に着いたら孵化器があるから」とサニーに耳打ちし、スージーには内緒で雛を連れ「私があなたのママよ」とジョーイーに微笑みます(ここ本当にサニーちゃん可愛かった💗)

けれどこの後、一向に農場に着かないため、スージーはとうとうミクシーに説明を求めます。色々ごまかしてきたけれど彼女は「迷った……」と答えます。シャトルバスが運行していなかった事の挽回をしたかったのが理由だと。サニーは「ほらやっぱり」と言わんばかりの表情をしますがスージーはどうしようもできず泣き出してしまうミクシーを逆に慰めます。なぜ靴を投げつけないの? 怒鳴らないの? 問いかけるサニーにスージーは言う。
「ミスをするのは人間だから」
ハッとするサニー。ボットであるサニーにはこんな時の感情が判らない。

ここでのスージーは頼もしく、舵を取り先頭を切って歩き出します。やがて社務所のような場所に辿り着き、ひとまずそこで休憩します。充電が切れそうで目がショボショボ(ごめん、かわいい)のサニーをスリープさせてから、スージーはミクシーに対して「巻き込んでごめん」と謝罪します。そしてサニーには会ったばかりの人間をなぜここまで信用するのか理解できないのだ、とミクシーに説明します。納得したミクシーはスージーに「ちょっといい話」として菌の話をします。

昔、木は互いに養分を奪う物だと思われていた。
適者生存の法則で一匹狼のように。けれど木々は菌を通して全てが家族のように繋がっている。弱っている木があれば菌を通して養分を送り、助ける。それは自分と同じ種類の木だけではなく、どのような遠い存在の木にもそうした。ある時はその枯れそうな木はスージーであり、ミクシーでもある。そうして助け合う。自然と。

この後、サニーがジョーイーと名付けた雛を連れてきていることがバレてしまったり社務所を熊が襲ってきたりとハプニングに遭遇するけれど、それらを乗り越えて無事朝を迎え、ミクシーの叔父(リリー・フランキーさん)がいる農場へと辿り着く。

そんな安堵した矢先、ジョーイーが死んでしまう。気落ちするサニーを労るスージー。けれどこの瞬間をサニーは待っていた、と言う。母親であるスージーが息子を失った気持ちを知りたかったから、と。
その後、ジョーイーのために葬儀が行われる。スージーは無垢な雛鳥の死骸を見て思わずゼンの姿を重ね、涙が止まらなくなる。それを見たミクシーが彼女の手を握る。その手を重ねた姿に何かがフラッシュバックするサニー。

そして、子供を喪ったのは義母、ノリコも同じだった。
引きこもっていたマサの部屋をそのままにしてあるノリコはマサのベッドに横たわり「返答不要」と登録してある番号に電話をする。呼び出すコールが鳴り続けているのは木造の家屋。その2階ではシャワーを浴びる男のシルエット。1階では見た事のないボットがうろうろしている。

布団に横になり、フラッシュバックの事柄をスージーに話すサニー。すべては思い出せないけど必ず思い出します、とスージーに言い、互いに優しい笑顔で眠りに着く。それを見かけたミクシーは面白くなさそうな顔をしている。その夜、スージーはまた夢を見る。マサが遅くに帰宅した夜の事を。
「もう手を打ったから大丈夫」と話すマサ。現在のスージーであれば憤るがその時はただ頷いただけだった。目覚めてそれをサニーに話そうと横を見る。サニーの姿がない。代わりに、ヒメの義指が残されていた。


5話のサニー、めちゃくちゃ可愛いです! 
ジョーイーを見る顔など今まで見た事のないキュートさです。スージーにもミクシーにもこれまでの中で一番豊かな表情を見せていたと思います。ブラックジョークも多く、明らかにミクシーに向けて「このネイチャーガイドは信用できないんですよねー」と口笛を鳴らす所も最高だった。そんな中で行方不明になってしまうサニーで5話は幕を閉じます。

スージーは感情的になると抑えられず、暴言を吐くけれど、それでも山で迷い死ぬかも知れない中、失敗を告げて泣き出すミクシーやジョーイーを喪ったサニーに対し、気遣う優しさがある。ミクシーに「巻き込んでごめん」とは言うけれど、一番巻き込まれているのはスージーのような気がする。
そしてミクシーはスージーに対してはとても優しい。自分の仕事を放り出してまでスージーを安全な場所に匿おうとするし、今回の菌のエピソードも思いやりを感じた。ただ、スージーにとって唯一マサの記憶を辿れるかも知れない大事なサニーに対しては妙に冷たい。今回もラスト、布団を並べて眠るスージーとサニーをちらりと覗いた時の視線が気になった。

そして叔父役のリリー・フランキーさん、ほんの少しの出演だったのになぜか怪しさ全開で彼がいるだけで普通の農場ではない気がしてしまったけれど出演はそこのみでした。

今回の西島さんは酔っぱらってるし、息子の学芸会にも間に合わないし、スージーにも辛く当たる。この辺りから「明るみに出してはならない」隠し事があったのだろう……。

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幸坂かゆり
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