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女性のためのヨガの教科書7

生命力


全世界的に、男性より女性の平均寿命が長いことはよく知られていますね。

小さいお子さんをお持ちの方は、「男の子はよく病気する」と実感されているかも知れません。
心理的にも繊細で感受性が強いのは男の子の方。
思春期からの男性ホルモンの影響で、内面と行動が一致せずに、本人も周りも苦しむ度合いが大きいのもどちらかといえば男の子の方が強いと思います。

見ていても、親の庇護から離れなければいけない思春期は、自力で生きていく力を得るために、それまでの繊細さを一旦手放す時期なのかも知れません。その代わり身体はどんどん発達して、骨格も筋肉も急成長します。

女の子に関しては最初から生命力そのものが地味に強いです。
落ち着いていますし、脳の発達も男の子より早いそうです。
※前頭葉の一部の発達
それを一般的に良くも悪くも「女」と言うのでしょう。


米ハーバード大の研究チームは、様々な判断をくだす場合に幼児は脳の古い部位「扁桃体(へんとうたい)」が使われるとし、思春期になると女子は脳の新しい部位「大脳皮質」が使われるのに対して、男子は扁桃体がそのまま使われることを報告しています。
 大脳皮質は扁桃体より言語をつかさどる脳の領域の近くにあります。つまり、女子は思春期になると自分の感情を言葉で表現しやすくなりますが、男子は思春期になっても幼児のままということになります。

その長所は時に短所となり、過剰に他人が気になる、人と比べる、自分自身がよくわからないなどの情緒の不安定さにも繋がります。

周りの状況を瞬時に感覚的に捉える女性が得意とするスキルは、
幼い子供を命の危険から守るためであり、
同時に自分の身体の感覚に敏感なのも、
外のストレッサーに対して自分を的確に守るためと、
ホルモンバランスの変化に対応するためです。

毎月ごとの生理。基本的には28日の周期で巡ってくるものだから、
1年に12~13回は訪れる女性特有の期間です。
血はとても大切なものなのに、毎月こんなにたくさん外に排出しなくてはいけないシステム、非効率的だと思いませんか?
どんなに健康でも、2~3日は思い通りに動けなくなります。
その理不尽さを、女性は生涯の間に40年間くらい平均400~450回経験します。

ギネスブックに載っている世界一の多産は、ロシアの女性の69人だそうです!!
双子×16=32人
三つ子×7=21人
四つ子×4=16人
だそうなので、多産DNAなのでしょうね。
お産そのものの回数は27回だそう。
大体は生涯で0~5回くらいの出産回数に対して、
生理450回も要らないと思う女性は多いはずです。

けれども、生理は女性にとってのグレートリセット。
月に一度の大掃除。
毎月の気持ちや行動の切り替えと見直し、
身体に溜まった老廃物や化学物質などの排出、
身体の内側の健康状態を目で見ることが出来て、
心身のコンディションを細く体感しますよね。

ストレスが溜まり心で退廃的なことを考えて、それを表面的にはうまく乗りこなせていたとしても、身体の状態をまざまざと見せつけられるわけですから、結局は自分の健康を裏切れません。

持って生まれた生命力の強さと、
自己管理の合わせ技。
女性の健康は、システマティックにとらえて管理するようなものではなく、
むしろ感性で変化を加えてオリジナルに仕上げていく芸術的なものなのかもしれません。


泥の中から力強く花を立ち上がらせる蓮は、
精神的な美しさの例えでもあり、
生命力の強さと、
誰にも汚されることのない自己を表す象徴です。


「精」は、生命活動を支えるスタミナ源と考えられています。

東洋医学の「精」は、生命の源となる根本的なエネルギーであり、人体の生殖能力と関連しています。生殖細胞から生命の源である精子や卵子が生成され、それらが結合することで、人間が生まれると考えられています。この「精」は、身体や心、そして精神活動においても重要な役割を果たすとされています。また、東洋医学における「精」は、男性だけでなく女性にも存在し、女性の場合は「卵精(らんせい)」と呼ばれます。
生まれ持ったものが先天の精、環境や自己管理で培っていくものが後天の精です。

AIの回答より

「精」は腎に貯蔵されているものだそうです。
人間も背中にエネルギー源を蓄えているなんて、ラクダのコブみたいですね。

腎は、肋骨の下、後ろ側にある臓器です。
東洋医学と西洋医学の内臓の捉え方は違うので、
腎=腎臓そのものということではありませんが、
腎の辺り、元気な方のその場所に触れると、
じわじわ、もしくはパーンとした跳ね返りがあるものなんですね。
逆に冷えていたり、姿勢の悪さで慢性的に負担を掛けていて強張りがあると、実際触っても何も流れない感じや、こちらが吸い込まれて行くような脱力感を感じるのですね。

私が習ってきたヨガの先生、気功の先生で心身、生き方共に流石だなと思える方は、
国内外、年齢、性別、流派、人種を問わず、皆、
「背中に息を入れて」
「腎臓に呼吸をして」
「腎臓を柔らかくして」と仰っていました。

東洋医学では、呼吸は肺と腎で行われるとされています。
呼吸とは、自然の清気を身体の中に引き込んで、体内の濁気を吐き出すということです。

肺から取り入れた生命力である清気を、腎が摂納することをへ「納気」と言います。

実際生きているものなら必ず呼吸はしているはずですが、
この納気を意識的に行えている人は極々僅かだと感じます。


ヨガの真髄は呼吸です。


納気を行うことで、肺に吸い込んだ清気を腎に下ろして、
次の清気を深く吸い込めるようにします。
さらに、空気ではなく、酸素や二酸化炭素ではなく、「気」というか「プラーナ」というか、生命力としての大気の摂取に変換されます。

感覚としては、吸った空気を腎臓に下ろしながら吐いていくと、
代わりに前側の横隔膜がしっかり引き上がります。

私は10代20代の頃、割と痩せていて、
緊張しやすく、反り腰で、股関節も外旋させる使い方が多く、
腎臓の場所を物理的に圧迫して酷使させがちでした。
呼吸も浅かったかもしれません。
ヨガは行っていたけれど、
まだヨガスタジオなんてものはなく、
日常生活と繋がった具体的な運動、というよりは、
時々こっそり一人でやる変わった趣味、といった感じでした。

23歳で妊娠出産するまでは、
身体が冷えている感覚にも疎く、
寒くないから冷えていない、
暑いから冷やしていい、
という根本的な勘違いをしておりました。

そうするとどんどん「精」が漏れていくんですね。

意味のない不安感や、焦りに苛まれて、
疲れやすくなります。
貧血や低血糖、肌艶の悪さ、いつもどことなく腰が痛い….など。

また、私の母親は小学生の頃腎臓が悪かったらしく、入退院を繰り返していたそうです。
大人になってから特に疾患としての症状はなかったようですが、
やはり常に緊張感が強く、頻尿で、腎の弱さが生涯に渡って影響していました。
精神疾患や、認知症の症状も、腎の精の不足と関係していると言われています。

また最近副腎疲労という症状もよく聞きませんか?

ストレスが続くと、副腎から分泌されるストレスに対抗するホルモンの分泌が追いつけなくなり、倦怠感や疲労感に苛まれる症状。
アドレナルファティーグとも呼ばれます。
感染症の後遺症としてもあるそうで、
東洋医学的には腎精の消耗と言えると思います。

ところで背中に手を回して自分の腎臓を触れますか?
指先ではなく手のひらの真ん中(労宮)で。

肩が前方に巻いていたり、
背中が張っていたり、
手首が硬かったり、
肩甲骨が寄せられなかったり、
様々な理由で腕を後ろに回すことの苦手な方が増えているなと感じます。

精神的にも肉体的にも、疲れたなと感じたら、自分で自分の腎臓を触ってあげてみてください。
そして手のひらに向かって、
背中に呼吸をする。
もしくは家族や近しい人が疲れている時、元気がない時、
ただ手のひらを当てるだけで十分です。
その人がそこに呼吸できるよう、押さないであげてください。

5分から10分。
特別な技術は要りません。
大切な人の後天の精を増やしてあげられる良い方法です。

そして自分の腎の養生は、とにかく冷やさないことです、特に足、足首。
しっかり水分を摂ること、
水分だけでなく、良質な塩(ミネラル)を摂ること、
そして日常的に意識的な呼吸と姿勢です。


ヨガインストラクター歴は18年。既に成人した息子をシングルマザーとして育ててきた経験から、ヨガを軸に、女性の生き方、医療でカバーできない健康のこと、などを発信していきます。