弟子さがし
昔コピーライターをやっていて。普通に会社員で。転職なんかもだいぶやってた頃だったけどちょっと面白半分で、あるコピーライター個人事務所の入社試験を受けたことがあった。書類審査に通ったあと、「これから少し課題をやっていただきます」みたいな説明を受けた。数日後に封筒でブツが届いた。資料も含めてけっこうな量。「あなたならこの商品をどう売り出しますか? 」みたいな課題。資料を読んで企画書作ってクリエイティブ案を書いて。ラフ、というかサムネ程度を描かせる欄もあった。媒体やPR戦略まではたしか求められなかったけど、企画背景、マーケ、クリエイティブとなかなか時間がかかるような課題だった。で、一週間後に「一次審査通過通知」とともに「二次審査課題」が分厚い封筒に入ってやってきた。ラストを言っちゃうと七次審査まで付き合ったんですよ。金曜に封筒が届いて月曜に投函しろ、みたいなスケジュールだった(今考えるとひどすぎ 笑)。貴殿の平日のお仕事にご迷惑はかけませんが土日で課題どうか頑張ってネ!! ということなんだから。でも、コレ30年前の話です。一応言っておきます。課題商品としては日用品がけっこう多かったんだけど(食品類いろいろ)、六次審査あたりで車が課題に出てきたときに(あれっ??)って気がした。(今までと違うなぁ。非耐久財が出てきたよ)って。車の資料読み込んでいたら現実感が湧いてきて。というのは私のリアルの仕事でも車のプレゼンは経験してるので、たまたまそれと重なってきたのでしょうね。妙な気分になって‥。七次の合格通知と八次の課題が入った封筒を受け取ったときに辞退しちゃいました。先が見えなさすぎてもういいやってなってしまった。残念だけどついていけませんって。季節は真夏だった。もう一回言いますが30年前の話です。
このあと「職人と弟子」とか「上司と部下」とか、そのあたりの話をしていきたいとは思いますが今日はやめておきます。今は菓子メーカーで部長やってるんですが、会社の上司&部下はやっぱサラッとしてるなって思う。まあまあドライで。それに比べて職人(師匠)&弟子はギトッとしてる。ウェット。蒸し暑い季節に毎週末、事務所の過去のリアル仕事を引っ張り出して課題と称して入社希望の者に送ってくるようなのって弟子適性をひたすら見てる気がします。普通の入社試験の感覚じゃない。まあ今となっては良い経験でしたけど。続きをいつ書くかは分からないですけど。
おやすみなさい。ZZZ‥