気散じ、感じ、東京さんぽ
昨日、気散じに東京の街へと出かけた。
京急本線の新馬場駅で下車し、目黒川沿いをぶらぶらと歩く。
桜の季節であれば花見歩きと洒落込むところだが、今の季節ではとりたてて言及すべき見どころはない。
しかし気温が低くて川の臭いが上がってこないぶん、今の季節のほうが散策には適しているのかもしれない。
30分ほど歩いて大崎広小路駅付近、東急池上線の高架下に辿り着く。
近くで鶏だしスープを買い求め、ほっと一息ついた。
流行り病、異国の地の争い、外つ国の大統領選。
情報が次々と自分の頭の中に流れ込んできて、未来を憂えてしまう。
自分が思い悩んだところで、これらの問題は何も解決しない。
いわば当座の気散じが、いまの私には必要なのだ。
だから私は、ただ歩く。歩き続ける。
初冬の冴えた空気で、頭の中をがらんどうにするために。
空を仰ぎ見ると、羽田空港へと向かう飛行機が見えた。