メモ:生物と無生物のあいだ

福岡伸一さんは文章が上手い、というのは聞いていた。

名著として名高いこの本。
その名著たる所以が、彼の文章にあるとは思ってもみなかった。

これは物語である。
同時に、我々の知的好奇心を刺激し、満足させ、さらに誘発する。
それぞれの章がシームレス。
ストーリーと謎が並行して展開する。
一気に読み切った。

ただのメモにも関わらず、なんとも書きづらい。
この本をどう捉えたら良いのか、まだよく分かっていない。
咀嚼できていない。きっと、新しい知識・考え方を得られると思って、
”新書”としてこの本を読んだからだろう。

他のどんな本を読んだ時とも違う読後感。
そう言う意味では、前回の『ありえない仕事術』に似ている。

生命とは動的平衡にある流れである

生物と無生物のあいだ p.167


彼の半生と、過去の科学者たちの軌跡が絡み合う。
懸命に“生物なるもの”に手を伸ばそうとするその様は、
ばね状の蔓を伸ばして空の方へ昇っていく植物のようだ。
また、その蔓は螺旋状にも見える。
ちょうどこの本にも登場するDNAのように。

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