見出し画像

新千歳空港から千歳駅へ徒歩2時間の旅

羽田から新千歳へ。北海道には行くが自由に動ける時間も然程なく、少しでも旅らしい事をしようと空港からJR千歳駅まで歩く事を雲の上で考える。

ANA運行のボーイング787は静かでwifiも付いていて快適。Google mapを確認すると徒歩での所要時間が1時間45分。少し寄り道をしクネクネと歩いた所で3時間も掛からない。空港から徒歩での脱出も可能。という事で到着後すぐに徒歩開始。

まずはバスターミナルを無視し道なりに進む。車やバスとは逆向きに進行する形で不安になるが方角は正しい。写真は進行方向に背を向けて撮っている状態。ここまではまだ見慣れた新千歳。

バスターミナルを超えアンダーパスを抜けると一気に景色が広がる。金網の向こうには先ほど降り立った滑走路。道沿いに生えているのが白樺で北に来たぞという感じがする。

一般旅客機で使われる事はなさそうな西側にも滑走路。暫くはだだっ広い空港を眺めながらの散歩。政府専用機が停まっているらしいが見つける事はできなかった。ここがドックランだったら都会の犬は大喜びだ。

左手は「軽車両、原付侵入できません」との標識。自動車と原付を比べると、原付の方がいくらか人間に近い気がしたので右手へ。

結果、間違っていてガードレールを跨いで無理やり坂を下る事に。下った坂には足跡が付いていて、原付に仲間意識を持った仲間がいる事に安心する。

ここまで空港から30分ほど。南千歳駅への連絡通路が味わい深い。そういえば空港を出てから人とすれ違う事はなく、南千歳駅で暫くぶりの人間を見た。

10月も半ばだが思った以上に暖かく、南千歳駅のキヨスク的な売店で「いろはす」を購入。北海道の天然水。

採水地は札幌市清田区、こんなに採水地に相応しい地名もない。別日に採水地付近も通り掛かったのでついでに撮影した。石狩川水系の厚別川。北海道を歩くと地名の由来が楽しい。

採水地に流れ込む川。横にはコカコーラの大きな工場があった。

現地に戻って南千歳駅付近の散策。廃墟と化していそうなアウトレットモールを発見してテンションが上がる。

テナントが入っていないので当然人もほとんどいない。

多くの店舗は既に閉まっているが、ABCマートが健気に2店舗営業を続けていた。ニューバランスもABCマート運営なんだろうか。株主だったらキレていい。

ホールも使われていない。

キッズ、ファミリー向けの店舗が並んでいたんだろう明るい配色が物悲しい。

記事を読むと札幌市民にとっては思い出の場所だったようだ。江東区民にとってのサンストリート的な、市川市民にとってのコットンプラザ的な、たぶん全国にあるそんな空間だったんだと思う。

一応ABCマートに入ってみるとナイキのコルテッツが安く売られていた。フォレスト・ガンプよろしく札幌まで走ってやろうと思ったがサイズが無かったので断念。助かった。

暇を持て余した若者だったらここでゾンビ映画を撮りたいなとか妄想を広げつつ30分ほどフラフラ(ロケハン)をしたあと、千歳の街に向けて移動を再開。たぶんこっちで問題ない方向に進む。まっすぐな道が北海道という感じがして良い。

両脇にはカシワの木。ドングリが沢山落ちていて、クマさんの良い食料になりそうだ。朝一の飛行機で到着する場合は熊鈴を付けておくと安心かもしれない。

千歳の街に近づくと「北海道防衛局」の看板が増える。調べると防衛省の地方局とのこと。知らない事が沢山ある。

30分ほど歩くと民家が見えてきて街という感じが出てきた。どうやら「鉄北通」という道を歩いていたようだ。鉄道の北側だから鉄北通りなんだろうか。3.5.33とは何なのか。知らない事が増える。

魅力的な道。

吸い込まれるように選んだ道の先では、見慣れる鳥たちが泥浴びをしていた。オナガにしては黒っぽく何だろうと思って調べてみるとカササギという鳥らしい。iPhoneの限界。

近づくと一目散に逃げていった。鳩やスズメほどは人馴れしていない。鳥にも逃げられ、そろそろ旅を終えようと駅に向かって歩く。暫く行くと千歳川。釣り人が川の真ん中で渓流釣りをしている。

川を超えれば直ぐに駅。到着。

廃墟あり、自然ありとよい旅だった。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集