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《ひとり映画祭 2024》終幕—感想と初見—

■《ひとり映画祭 2024》を終えて…

一ヶ月間で毎日一人ずつ、世界のすごい人の伝記映画やドキュメンタリーを観た。30人のすごい人の人生の一部からたくさんのプレゼントをもらった気分だ。この一ヶ月を人類で初めて月に立ったアームストロング船長が地球に送った言葉を借りて言うと“誰かにとってはいつもの一ヶ月だが、私にとっては偉大な一ヶ月だ”である。

《ひとり映画祭 2023》はテーマが『戦争』だっただけに、かなり精神的につらくなったりもした。平和や正義といった美しく追求すべきことでさえも揺らいだりした。

しかし今年はかなり気持ちは楽であったが違った意味でつらい思いはした。
当初は毎日映画を鑑賞して、その後すぐStand.fmにてLIVE配信で感想を語るというスタンスであったがそれがまったくうまくいかなかった。
観賞後すぐにLIVE配信というひとつのルールが崩れてしまった。

朝から夜までバイト、帰宅し個人的な作業やすべきことをやりながらの1日一本鑑賞する、さらにそこからLIVE配信となるとかなり時間がタイトになってしまった。映画一本平均して二時間、LIVE配信を30分、きっちり二時間半というわけにはいかず平均して3時間ほどはこの《ひとり映画祭》に費やすことになるのだ。

詳しく言うならば、だいたい夜8時前後に帰宅する。
それから猫様とご飯を食べ、さもしい生活を一応こなし22時ごろから映画を観始め24時ごろ鑑賞終了である。ここからが問題なのだ。
一応映画の気になる点や好きな部分などをざっくりメモしているのでそれを
自分で読めるように修正する。ここまでで25時を過ぎる場合がある。
それから30分のLIVE配信となると、疲れてその後個人的な作業が思うように捗らないのだ。
そこで逆にしてみることにした。
観賞後にすぐLIVE配信ではなく、観賞後にメモの修正を行ったらとりあえず個人的な作業に移る。ある程度のところで目処をつけて収録をすれば、
寝落ちしてしまうことがないのだ。
私にとって“しゃべる”という行為は三大欲求のひとつである睡眠欲には勝るのだ。

よって後半はほとんどが収録となってしまった。

しかしやり終えてみるとそれはどっちでもよかった気がする。
私のこの《ひとりでもしゃべれるくんラジオ》は、ありがたいことに
そこはかとなく人気も認知もない。実際に聴いているもいるのかいないのか。たまに“いいね!”をいただくことがあるが、果たして本当に最初から最後まで聴いた上での“いいね!”なのかわかったもんではない。
普段からLIVE配信をしたところで誰も聴いちゃいないし、ずっとスマホに向かってひとりでしゃべっているだけで誰もコメントなんてしない。だから観賞後すぐのLIVE配信だろうが収録だろうが結局はまったく関係なかった。

しかし先に述べた通り、楽な気持ちではあった。
それは悲しく悲惨な戦争、誰かの命が理由なく奪われる憤りを感じるテーマではなく、自身の復活と進化を目的としていたからだろう。
一ヶ月間、すごい人の人生を知ることで何かヒントを得ることが確実にあるだろうと確信があった。

結果は、想像以上の効果があったと感じる。

もし今現在、人生に迷ったり生きることから逃げたい人、人生が何かわからなくなった人、歩みを止めたくなった人、実際に歩みを止めてしまった人の中で一ヶ月間捨ててもいいと思える人がいたら、ただただ“世界のすごい人”をテーマにした映画を観ることをお勧めする。

あなたが今つらい状況にあるのは、あなたが人間的にダメなわけでも能力が低いからでもない。まして誰かが悪いなんてこともない。
ただ、あなたが《主人公》だからだ。
つらいことや苦しいこと、嫌な人、手強い敵が現れるのはいつも主人公。
大きな壁や、報われない環境に身をおかざるを得ないのはいつも主人公。

“世界のすごい人”たちはいつも《主人公》なのだ。

■総括—めだかボックス/安心院なじみにのせて—

この《ひとり映画祭 2024》の総括として、西尾維新原作で週刊少年ジャンプにて連載されていた【めだかボックス】の一場面を引用し、総括していく。ちなみに原文は以下である。
(漫画未読の方には申し訳ない。しかしこの原文を知っても物語は楽しめるので安心して欲しい)

それでは。
これをもちまして《ひとりでも映画祭 2024》の総括とさせていただきます。

《ひとりでも映画祭 2024》総括
こだわりの男 スティーブ・ジョブズのように強い信念を持ち、
狂気の天才画家 ゴッホのように孤独と共に歩み、
独自の哲学を持つ レディ・ガガのように苦悩と愛に生き、
映画監督デヴィットリンチのように想像力によって創造し、
エジソンが恐れた天才 テスラのように思考し、
進歩と調和に異を唱えた岡本太郎のように大切なことを具現化し、
光と影の写真家 森山大道のように軽やかで
曹洞宗開祖 道元禅師のようにおだたかで強く、
赤い靴に魅せられた僧侶ヘンリミトワのようにあこがれに燃え、
アートに変革をもたらした芸術テロリストバンクシーのように挑発的で、
漫画をはみ出した愛すべき馬鹿 赤塚不二夫のように常におもしろがり、
oasis リアム・ギャラガーのように常に進化を目指し、
ハリウッドの異端児 デニスホッパーのように型破りで
脳卒中から回復したロッチェソダーバーグのように諦めず、
ルバング島に残った小野田寛郎のように堅い信念を持ち、
環境活動家 グレタ・トゥーンベリのように挑戦し、
大国に抗ったジョシュアウォンのように行動にこだわり、
三島由紀夫のように大きな志を持ち、
世界一貧しい大統領ホセ・ムヒカのように愛と闘争に生き、
ファッション界の重鎮 ココシャネルのように神話を創り、
反逆のデザイナー ヴィヴィアンウエストウッドのように抗い、
美を追求し続けたイヴ・サンローランのように一つのことに集中し、
流浪のフォトグラファー マーク・レイのように悪夢の中に生き、
世界のファッション誌編集長アナ・ウインターのように決断し、
妄想の中の天才 ジョン・ナッシュのように偏執的で、
物語の天才 ノーラエフロンのようにすべてをネタにし、
喜劇王チャップリンのように平和を表現し、
執念の大道芸人ギリヤーク尼ヶ崎のように命を燃やし、
落語界の異端児立川談志のように非常識で、
幻の浅草芸人深見 千三郎のように芸に生きる。

そんな主人公に私もなってみようと思う。

私にできることは限りなく少ないが、この一ヶ月間で出会ったすごい人は
必ずしも特別な能力を持っていたり他者と比べて圧倒的な能力差がある者たちではなかった。

程度や時代背景などはもちろんあるが彼らも私と同じように、あなたと同じように、誰かと同じように苦しい経験をして、辛い思いを抱え、挫折というエアポケットに落ちる時もあった。彼らが何かを成し遂げたのは能力差でも他人の力でもない。

ただ彼らがたったひとりで一つのことにこだわり、命を燃やし続けたからこそ成し遂げたのだ。

“人がどん底に落ちた時、どうやって立ち直るか?”
“どうやったら自分のなりたいものになれるか?”

答えは簡単。
たったひとつの道を何がなんでも手放さないこと”

たまには横道に逸れることもあっていい。
たまには違うことをやってもいい。
ただ手放さないこと。
自分の中だけでもいいからずっと持ち続けること。
自分が信じた道を愛すること。
愛することに命を燃やし続けること。

だからこそ、私は今一度宣言する。

私はテレビや舞台には出現しない。
だれかにとってちょうどいいただの“おもしろい”を創る人。
視聴率もスポンサーも、事務所もテレビ局も、
劇場も舞台も、お金も人気も知名度も、影響力も誰かの評価もそんなものは関係ない。興味もない。

ただ隣にいる誰かが笑えばそれでいい。
私は誰かに何者か、と聞かれたらもう迷わず言える。

芸人だよ、ばかやろう。

ひとり映画祭 2024 終幕。


■おまけの一本


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