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Ppoi
2021年1月3日 20:21
私は今年もここにきた。ただ、真っ白な土手にきた。雪がちらちら舞う。一年に一度だけ。雪の降る日にだけ、彼に会える。白い服をきた少年なのか青年なのか微妙な年頃の人が座っていた。私を待っていたのだ。高校で授業があったからどうしても降りはじめに来ることができなかった。もう、うっすらと雪が積もっていた。「今年は遅かったね」透明で澄んだ声がする。「ごめん。学校があっ
2021年1月5日 09:37
大好きだったんだ。大好き過ぎて他のことがどうでもいいくらい。それなのに。僕の気持ちはもう届かない。伝えるべき人がいないから。「おはよう」彼女の名前は川井詩子。「おっおはよう」僕の名前は更家明。この前、彼女は僕の彼女になった。ずっと好きだった。その思いをどうにかしたくて、もう抑え切れなくて、告白した。なぜか、彼女は赤くなって「返事は明日」なんていうから
2021年1月2日 16:45
それは、幻。幻なのに確かに存在する。手の上に落ちれば、淡く溶ける。ひらひら舞い降りてきて、人の心に残っていく。雪のように春になったら消える。淡くて冷たく、そして切ない。涙がキラキラ落ちていく。底もなく流れ落ち、瞳は枯れる。心も枯れる。そんな時、現れるのが雪の蝶。誰かの願を乗せて飛び続ける。いく億もの時のせいで、最初の願いがなんなのかも忘れて。ただただ