プロローグ
それは、幻。
幻なのに確かに存在する。
手の上に落ちれば、淡く溶ける。
ひらひら舞い降りてきて、人の心に残っていく。
雪のように春になったら消える。
淡くて冷たく、そして切ない。
涙がキラキラ落ちていく。
底もなく流れ落ち、瞳は枯れる。
心も枯れる。
そんな時、現れるのが雪の蝶。
誰かの願を乗せて飛び続ける。
いく億もの時のせいで、最初の願いがなんなのかも忘れて。
ただただ、助けを求める心に反応するだけ。
純白の翅がどんどん汚れていく。
白かった翅はいまや青く染まり、決して白に戻ることはない。
それが、雪の蝶。
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小説家になろうにも掲載してます。画像を入れられるので、こっちでも更新しようと思います。
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