泳ぐのいちばん嫌い2

1か月空いた続編。

よく晴れた夏の日。それは水泳大会当日。

前日、しっかりと冷水を全身に浴びた。
しかし、わたしは健康優良児だったので熱が出ることも、お腹が痛くなることもなかった。

憂鬱な気持ちとともに会場へ向かう。

着替えた後全員で並んで座る。
膝に顔がめり込むくらい力強く体育座りをする。
時間が止まればいいのに。もしくは時間がワープして全部終わってればいいのに。強く願った。

カンカン照りの太陽。時間は待ってくれない。

あっという間に25mクロールの出番。

わたしはがむしゃらに泳ぐということ以外知らないので、全力で泳ぐ。
ありえないくらい疲れた。
よくここまで泳げるようになったよと褒められたい。

でもリレーの選手はこんなことで褒められない。
一流選手たち、精鋭たちしか出られないのだから。

苦しい。

25m×4のリレーが待っているということが。

待っている間の記憶はない。

「いやだ、いやだ…」以外の気持ちでまみれて、待っている間の記憶は全部消失してしまった。


「25m×4リレーの選手、集まってください」

わたしは3番手。

わたしの前に泳ぐ方々、みーーーーーーーんな速い。というのもわからないくらい。嗚咽が止まらない。気持ち悪い泳ぎたくないなんで泳がないといけないんだよ意味わからん。それでも順番は来る。

わたしは普段から25m全部を泳ぎ切れるのは1時間に3本あれば良い方だった。

25mクロールの時から30分も経ってない。
いつもできないことって出来ないよね。

ちゃんと、しっかり、泳げませんでした。
立つことだけは嫌だというギリギリの理性で立たずに済んだけど、もう激遅い。びっっっっくりするくらい遅かった。もうほぼバタ足ゼロ。しぶきを上げることのできないバタ足をバタ足というのだろうか。

圧倒的な差を広げて4走へバトンタッチ。

虚無。

なぜ先生はわたしを選んだのか!!!!と思うこともないくらいの疲労。精神的疲労。

初めて本気で恥ずかしいと思った。

苦手だと思っているものを大勢の人に見られる感覚…

他校の人はわたしが水泳苦手なのも知らないという中で…

恥ずかしい…

もういやだ…

後の時間はもう膝に顔がめり込んだ体育座りで虚無の時間を過ごした。

わたしの小学校生活の水泳授業はこれにて幕を閉じた。
最悪の思い出、かつ最高の笑い話…になったのだろうか

先生への懐疑心は今でも忘れられないけど。。。




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