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silver story

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神々の島バリ。なんで私なの?バリの神様のいたずらか?「Street Story」と絡まっていく不思議な物語
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silver story#71

silver story#71

 思い残すことなく写真を撮ったので私は、三人のところへ向かった。薄いシャンパンゴールドの膜の中に入っていくような感覚だった。

「ユキサン、これからどうしますか?一度ホテルに戻りますか?ホテルに泊まりますか?それともこのまま光一さんと過ごしますか?
ホテルには私が連絡しますよ。」

「アッ!エー、アリサ、ドウシマスカ?ホテルイキマスカ?」

「ユキ、アリサちゃんは疲れてるだろうからこのままここに居

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Silver Story #70

Silver Story #70

「パパ、サヤ、アリサノハナシデス。ネネッ クウコウデ アリサニイッタソウデス。サヤノイエニツイタラ シロイフクニ キガエテ ネムリナサイ ト。」

「あの服ってあの祀りの時のあの衣装なのよね。」

「ソウデス。アノフクデス。ママ、アリサノカバンニ イレテイタミタイ。」

「それじゃ、さっきお母様に見えたのはやっぱりバリの神の力だったんだ!」

「沙耶、いったいなんのことなんだ?どうしてさっきアリー

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Silver Story #68

Silver Story #68

 アリサちゃんが目覚めるまで3人でこの場所にいることが不思議と心地よく懐かしさまで感じるなんて思いもよらなかった。

「キミがユキか?
お母さんから聞いているのか? 日本語はわかるのか?」

「ハイ。スコシワカリマス。アナタガ「パパ」ナノデスネ。」

「パパと呼んでくれるのか?
こんな私を キミの生まれたことも知らなかった私を…」

「ママカラキイタトキハ オドロキマシタ。デモワタシハ ハンブンニ

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Silver Story #67

Silver Story #67

いつのまにか光一さんがギャラリーに戻って来ていたのだ。

「ユキさん?居ますか?二人が見えていますか?  あ!」

そう言い終わる前に私の右手をギュッと握るあのゴツゴツした手の温もりを感じた。

「ここに居ます。同じ場所に居ます。」

よかった。私だけ違う空間に飛ばされたかと思ったから、今ここに居て同じものが見えているのだと思うと胸が熱くなって来た。

それは、ユキさんのルーツだから
二人が出会っ

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Silver Story #66

Silver Story #66

ユキさんにコーヒーを渡し、奥にあるソファに座りコーヒーを飲みながらちょっと前まで私の作品が飾ってあった場所をゆっくり見つめてその残像を思い出していた。 飾ったままでバリに行ってしまったから、何かをし忘れているような中途半端なような気がしてきた。 「音の見える風景」 それがテーマだった。バリのケチャを撮ってそこに加えて完成しようと思っていた。ほんの数日で戻る予定だが、こんなに長く留

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Silver  Story  #65

Silver Story #65

陽射しのある外から覗くと中は、マジックミラーのように 中の様子は、見えずそれは鏡のように私たち3人を映し出していた。 半分日本人のユキさん、四分の一日本人のアリサちゃんそして100%日本人の私。 いや、私も今なら1割はインドネシアの人になっているかもしれない。お母様が作ってくれたバリの美味しい料理を毎日食て少しは、この血と肉がバリの人の要素を作っているかもしれないからなどと三人並んだ姿を

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Silver Story #64

Silver Story #64

ほんの数ヶ月離れただけなのにまるで違う街に来たような、そう、浦島太郎のような気分で慣れていたはずのこの街を歩いている。 

 新しいビルや無くなってしまった店、歩いている人のファッション。何よりも肌に感じるこの空気。季節もツーシーズンくらい変わったように感じる。それくらい肌に感じる空気感がバリとここじゃ違っている。

 大都会の匂い。 

 体の中にはまだあの大自然の中の匂いが残っている。 その

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Silver Story #63

Silver Story #63

サリナちゃんと遊びなが、チラチラとユキさんの方を見るとユキさんは、小さく頷いたり微笑んだり目をつぶって深く頷いたりしてお母様と話をしていた。

お母様はどんな言葉をかけたのだろう。とても気になったが触れないことにした。

親子のしかも長年2人の中に深く突き刺さっていたことに今から直面するのだから私なんかには計り知れない2人の思いがあるだろうから。

「サヤ、kakek (お爺さん)イキマスカ?」

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Silver Story #62

Silver Story #62

「サヤ、オキテクダサイ。モウスグツキマス。」

体を揺さぶられて目が覚めた。
私あれから熟睡していたんだ。
最後に、目が覚めたら日本でって祈ったのが良かったのかな。(笑)

サリナちゃんも起きて私の顔を見て笑っていた。
やっと日本に帰って来たんだ。
なんだか何年も日本を離れていた感じがするのは、この空気なのか湿度なのか、あのまとわりつくジメッとしたものがないというのは、時の長ささえも勘違い

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Silver Story #61

Silver Story #61

途中ドリンクのサービスがあって私は、目を覚ましたが二人は、ぐっすりだったのであえて起こさなかった。
初めて訪れる異国に、それよりも何年も思い描いていた自分の父親に会うという大イベントが控えているのだから今のうちにゆっくりしておいてもらおうとも思った。
日本に着いたら全てがバタバタで、あっという間に時間が過ぎていくと思うから。

私はスマホを取り出して数時間前に撮ったお母様の最高に素敵な笑顔を

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silver story #60

silver story #60

空港に着くとあっという間に搭乗の時間になり、あと8時間で日本に戻るのかと思うとなんとも言えない感じがしていた。 お母様としっかりと抱き合い言葉少なく別れていたユキさん。 サリナちゃんは、とにかくはしゃいでいたが、お母様から何かを言われてギュッと抱きついていた。 私は、昨日の夜お母様とゆっくり二人きりの時間を与えてもらったから、ただお礼を繰り返し、きっと必ず戻ってくると約束して別れた

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Silver Story #59

Silver Story #59

戻ったのは、お母様の家ではなくユキさんの家だった。ユキさんとサリナちゃんが日本に行く準備をしていたのでそちらの方に向かった。
当然だが、お母様もユキさんの手伝いでこちらに来ていた。

全ては ここから、この家から始まったのだ。

バリの家具職人のユキさんが作った調度品の数々は、本当に美しく居心地の良いものばかりなので私も日本に欲しいくらいだった。初めて来た時にお世話になったカウチは、とても

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Silver Story #58

Silver Story #58

このままバリの料理を食べ続ければ私は完全にバリの住人になるかもしれない。もし、光一さんの事がなかったら、こっちでカメラの仕事を探してこっちで家を構えてずーっと住み着いたかもしれない。それくらい、この料理がカラダに合う。というよりこのお母様の料理が合うのかもしれない。
相変わらず二人は優しい笑顔でお互いを見ながら優しい声で話をしている。本当に仲のいい親子で羨ましい。こっちにいたら私も家族のようにして

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silver story #57

silver story #57

以前のカメラは、作品が出来上がるまでかなりの時間と労力とお金が必要だった。
フィルムに現像液 、暗室まで必要だったが今は、本当に簡単に作品までたどりつく。
しかも気にいった作品が撮れるまで、何百回も連写できるし加工もできる。デジカメになって本当に助かる。
だけど、やはりネガでしっかり作品と向き合っていた頃が、私は好きかもしれない。
どんな風に生まれてくるか現像液から取り上げるあの瞬間が、忘れられな

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