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「光」にこだわれ!

さて、ミスト式水槽で急にグロッソがいい感じに育ち始めたという話でしたね。
先に答えを言ってしまうと、電球を変えたことが要因でした。

キレイ色

ミスト式水槽で最初に失敗したときはクリップライトにパナソニックの昼光色60W相当のLED電球をつけていました。これを、東芝の「キレイ色」というLED電球に交換したのでした。
ちなみにキレイ色、今では既に生産が完了している電球です。ルーメン数はパナソニックに劣るものの、Ra(演色性)が90を超えるという、当時としては画期的な高演色タイプの市販LED電球だったのです。

そもそもLEDの光とは…

キレイ色の話をする前に、LED照明の光について説明をする必要がありますね。

出典:光源の色の特性(スペクトル分布について) | 東京平版のブログ

LED照明の原理は、青色LEDの光をベースにして青の補色である、黄色の蛍光発色体を発光させることにより白色光を再現しています。
スペクトル分布での特徴は青色LEDの波長である460nmにピークがあるということになります。
自然光と比較してどれだけ物体の色の見え方が近いかを表す指数である演色性(Ra値最大値は100)は一般的なもので75ぐらいです。

光源の色の特性(スペクトル分布について)

LED照明の色(昼光色、電球色)によって多少の違いはありますが、基本的な分光分布図の形は同じになります。青のピークと少ない赤の分布。
蛍光灯、白熱電球とは随分形が違いますよね。
ちなみに太陽光はというと、当然ながらほぼ全域で数値が高いです。
太陽は偉大だ。

植物が必要な光、分かってますか?

可視光線は波長の短い方から紫、青、緑、黄、橙(だいだい)、赤などの光に分解されますが、植物の種類によってその中から必要な光を選んで吸収しています。光合成に使われる光はクロロフィル(葉緑素)やβ―カロテンなどの光合成色素によって吸収され、二酸化炭素を有機物に変化させます。光合成色素が吸収できる光はクロロフィルの場合、主に青色(400~500nm)と赤色(600~700 nm)の領域の光を吸収します。

大塚商会|LEDで光合成できる?

これは、高校生物で習う話ですね。
植物は光合成でエネルギーを得ている事はご存知だと思いますが、必要な光は主に青色、赤色の二種類です。
よく植物工場がピンク色のLEDで野菜を育てている映像を見るかもしれませんが、あれは植物に必要な光を効率よく照射しているからです。
先の分光分布のグラフに戻ります。LED照明を植物に照射したとすると、青色は十分ですが、赤色の波長はそれに比べて随分少ないと思いませんか?

とどのつまり光の波長が大事

グロッソが上手に育った東芝キレイ色の何が良かったかというと、従来の白色LED照明で弱かった赤の成分が多く含まれており、より太陽光に近い特性があったのです。

↑こちらのサイトで面白い実験をしていましたのでご紹介。

ADAの初代アクアスカイとか、明るいけど魚や水草の色が飛んでしまうなんてレビューが多かったですが、まさにこの演色性の問題でした。
最近はLEDチップも改良され、太陽光に近い高演色タイプのアクアリウム用ライトも色々出てきました。
そういう意味では、水草も以前に比べて随分育成しやすくなってきたのかなと思います。

ただし、高演色タイプの照明は値段が高いことを除いては…。


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