隣の芝生はエメラルドグリーン
隣の芝生は青いのか?という友人のファッションショーがあった。
私は「隣の芝生はエメラルドグリーン」だと思っている。
よく母親に言われた。「そんなに人と比べなくていいのよ。隣の芝生は青いもんよ。」
いや、隣の芝生はエメラルドグリーンだよ。
それくらい輝いて見える。
雨が降った次の晴れた日、
情けない自分はたまたま道にできた泥の水溜まりで、隣の芝生は雨水を滴らせてキラキラと輝いているのだ。
新緑の緑はエメラルド。生き生きとして未来へと背を伸ばすように今日もシャキシャキしている。芝生は綺麗な方がいい。
でもさ、都会に来て思った。人工芝生は綺麗すぎる。そこに難なく座る人達。どんな気持ちで座っているのか考えそうになる。危ない危ない。尻に敷かれた緑はそれでもピンと伸びて存在感を示している。こんなんじゃ屈しないぞという強い意志。憧れる。
一人暮らし。1人こもり考える。隣の芝生は青いのか?隣の芝生はエメラルドグリーン。
雨や風に負けずに磨かれた翠玉の輝き。それは脆くも海のように構えられた色。透けるような光の中で緑柱石はしかと立っている。
私は部屋に絨毯を引いた。
ピンクの絨毯。芝生みたいだ。私の部屋の芝生。
何となく気に入った。寝転がってみる。
私だけの空間。
私だけの色。
隣の芝生はエメラルドグリーン。
私の芝生はピンク色。
優しい温もりの中で、おやすみ。
雨が上がったあとにも私の色で柔らかく生きていたい。