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心理学コラム①吊り橋効果から見える人の感情の仕組み

心理学の用語で広く知られている言葉に、「吊り橋効果」というものがあります。

これは、1974年にDutton & Aronが行った研究が元になっています。

この研究は、深い谷にかかっている吊り橋に訪れた男性に、美人の実験者が声をかけます。

その時、吊り橋の上で声をかけられた男性(強い恐怖)と、吊り橋を渡る前後に声をかけられた男性(弱い恐怖)では、吊り橋の上で声をかけられた男性の方が、性的興奮を強く感じており、美人の女性をより魅力的に感じていたというものです。

この研究は、本来、吊り橋の上で生じている感情である恐怖(ドキドキ)が、性的興奮に影響を与えたということを示しています。

怒り、悲しみ、恐れなど、それによって生じる身体感覚はほとんど同一で、その身体感覚から感情を同定することが難しく、置かれている状況から生じている感情を判断しているという説があります。いわゆる勘違いです。

恐い体験に限らず、ドキドキするような身体感覚を生じさせることが出来れば、人は自分が感じている感情を勘違いしやすいと言われています。

参考文献)
岡本浩一(1986)社会心理学ショート・ショート・実験で解く心の謎,新曜社.

写真:#長崎
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