お別れの儀式は大切
母方の祖母が亡くなったのが、昨年の4月のこと。
入院先の病院で亡くなった。
当時は、緊急事態宣言が全国に発令されている真っ只中。
当然、通夜・葬儀は孫まで招かれることはなく、僕の母親のきょうだいのみで行われた。
祖母はおだやかな人だった。
およそ10年前に亡くなった祖父とケンカしたところを見たことがない、と僕の母親が話したことがある。
祖父が亡くなった場面を思い出すと、今でもつらくなる。
そんなおだやかな祖母が好きだったのが、プロレスだ。
特に、日本人レスラーvs外国人レスラーの試合が大好きで、日本人が攻撃しているときはテレビに釘づけだった。
さらに外国人レスラーが流血しようものなら、祖母の感情はクライマックスを迎え、
「あれを見ぃ! あれを見ぃ!」
と大興奮😳
それと同じくらい興奮していたのが、場外乱闘。
パイプ椅子で相手を叩いたりすると、これまた大興奮😅
母によると、戦争に負けた日本がアメリカに仕返しをしているようで、見ていて気持ちよかったそうだ。
戦時中を生き、戦後の混乱期の中を生きてきた祖母。
僕が通夜・葬儀に参列していないせいか、
いなくなったという実感が未だにわかない。
遺影を見て、お墓に書かれた名前を見て、法事をして、
あ〜、やっぱりいないんだと思う。
先日、ある入所者さんが亡くなられたとき、
娘さんが「自分の息子たちに、通夜葬儀に来てもらうかどうか迷っている」と言われた。
2人の息子さんはいずれも県外在住。
長男さん家族には小さな子どもさんもいる。
県外への移動はなるべく避けて、と言われているご時世。
通夜と葬儀は自分だけで済ませようかと思っているが、どうでしょうか?と。
普段はあまり僕個人の考えは話さないが、
つい、僕自身は祖母の通夜・葬儀に参列できず、
きちんとお別れができなかったことが心残りだと思っていることを伝えた。
結果的には、2人の息子さんともに広島に帰ってきてくれて、通夜葬儀に参列できた。
最後にお別れもできたし、何より私の身体を気遣ってくれて嬉しかった、
と娘さんは後日話してくれた。
本当は、亡くなる間際や亡くなってから悲しむのではなく、
生きてる間に会った方が良いと思う。
けど、そうしたいけどできなかったという思いがあれば、
やはり最期のお別れはした方が良い。
皆で集まって、最期に感謝しながらお別れをする。
元気だった頃の思い出を話す。
そんな当たり前の儀式が、当たり前にできるようになることを願います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。