より良いコーチングのために(ANDの才能を求めろ)
こんばんは。かえもんです。
久しぶりに記事を書いています。さて、今日は3連休で私が受けたエルトラックの講習の内容をまとめようと思います。
皆さんは「ANDの才能」という言葉を知っていますか?
「ANDの才能」とは一見相反する才能や特徴を獲得する才能のことです。
例えば、めちゃくちゃ厳しいけど優しい先生。
厳しいと優しいは両立できないのではないかと思われますが、教師をやっているとこういう先生によく出会います。
また、文武両立も「ANDの才能」のひとつです。勉強と部活のどちらにもきちんと取り組むことはなかなか難しいですが、世の中には勉強でも部活でも結果を残している人はいます。
このような対立する特徴を求めるのではなく、どちらか一方に偏ってしまうことを「ORの抑圧」と言います。
先ほどの例ならば、優しさと厳しさは両立できないと考え、厳しいだけの先生になってしまったり、優しいだけの先生になってしまうことです。
そして、「ANDの才能」はバスケのコーチングについてもあてはまります。
例えば、育成と勝利。以前は「勝利至上主義はよくない」と言われることが多く、育成をしなければいけないという風潮がありました。
しかし、育成さえやっていれば勝利を目指す必要はないという訳では無いはずです。
やはり、バスケをやるならどちらも求める必要があります。桜花の井上監督はとある著書で「育てて勝つ」と書いていましたが、まさにそういうことだと思います。
ほかにも、例はいくつかあります。そのひとつが「強みを伸ばすのか、弱みを克服するのか」ということです。
チームの戦略を立てる上で強みを生かすか、弱みを克服するかはとても大きな要素です。
ドラッカーが「強みを伸ばすことが大切だ」と言っているように「強みを生かす」というのは勝負事において非常に大切です。
だからといって「強みを生かす」ことだけ考えていては勝つことはできません。
DF力が非常にあるチームでも、OFでミスばかりしていてひたすらターンオーバーを繰り返していては勝てないでしょう。
つまり、「弱みを克服した上で強みを伸ばす」ことを考える必要があるということです。
このように、私たちは相反する特徴や事柄に対して「どちらか一方しか獲得することはできない」と考えがちです。しかし、どちらも得ようとすることによって新たな道が開けることがあります。AorBという考え方ではなくA&Bというすこし欲張りな考え方をしてみるのも大切なのではないでしょうか。
ちなみに、「ANDの才能」を発揮するうえにおいて大切なことがあります。
それは「いつもバランスをとるのは無理だ」ということです。
例えば、育成と勝利の二つを求めようとしたとき、毎回の練習で育成的な要素と勝つための要素をごちゃまぜにしてしまうと選手の理解度が落ちてしまったり、練習そのものの質が低下したりします。
だから、夏休みはひたすら育成をやりこみ、大会直前期は勝つための練習を多くする。
このように瞬間瞬間でANDの才能を発揮するのではなくある程度の期間やまとまりに分けて切り替えるというのが大切です。
「二兎を追う者は一兎も得ず」ということわざがありますが、「二兎を追う者しか二兎得ることはできない」と言い換えることができるはずです。
長期で考えたり、事前の準備を含めればある瞬間に二兎を得ることはできませんが、時間をかければ二兎を得ることができるはずです。
私も今後のコーチングにおいて二兎を得る者になり、よりよいチームを作っていきたいです。
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