
最近読んだ本
こんにちは、ぼぼこです。
最近とにかく暑いので何もないときは家に引きこもっています。
買った本もすぐに読み終わってしまって、どんどん本が増えていくので、ついに本棚が容量オーバーになってしまい、床に積み上げる事態となっています。
そんなふうに溜まっていく本の中で、最近読んだものを紹介していきます。
この世にたやすい仕事はない / 津村記久子
前から読みたかった津村記久子さんの小説。ブックオフでかなり綺麗な状態で売ってあってすごく嬉しかったです。
10年以上続けた仕事を燃え尽き症候群のようになって辞めた30代半ばの女性が、職業安定所で紹介された少し変わった仕事を体験していく短編小説です。
各章で5つの異なる仕事を主人公の女性が体験していくのですが、どの仕事も一風変わった仕事内容で、それぞれの仕事の中で起こる不思議な出来事や現象に巻き込まれる主人公の様子がとても面白く、あっという間に読み終わってしまいました。
「単純な仕事がしたい」という気持ちとは裏腹に、どの職場でも熱心に、時には職務以上のことにまで力を注いでしまう主人公をすごく好きになったし、仕事というものにうまく向き合えない様子はとても共感できました。
津村記久子さんは「つまらない住宅地のすべての家」で初めて知った作家さんなのですが、今回のこの作品を読んでさらに好きになりました。しばらくは津村さんの小説ばかり集めてしまいそうな予感です。
さよならに反する現象 / 乙一
中学生の時から乙一さんの本が大好きで、本を読むことが好きになったのも乙一さんの作品を読んだことがきっかけでした。
この作品は乙一さんの作家生活25周年記念短編集とのことです。
乙一さんは、不思議で恐ろしくて残酷ものを描きながら、切なさと優しさで心がじんわりと温かくなる、そんな作品が多い。そしてその逆も多い。そんな絶妙な温度差や匙加減が大好きです。
この作品は5本の短編が収録されていて、心霊写真を作ることが趣味の主人公が心霊写真に写りたい幽霊に出会う「悠川さんは映りたい」と、なぜかおそ松さんのメンバーが殺人事件に巻き込まれているシュールな作品「なごみ探偵おそ松さん・リターンズ」が個人的に好きでした。
乙一さんのひとりアンソロジー「沈みかけの船より、愛をこめて」も5月に発売されているようなので、早く読みたいです。
私の頭が正常であったなら / 山白朝子
乙一さんファンだと言っておきながら、乙一さんが別名義で本を出していることを知ったのは最近でした。早速Amazonで探してポチったのがこの作品です。
こちらも8本の作品が収録されている短編集です。
ホラーでありながら切なくも美しくもある世界観はいつも通りとても素敵でしたが、山白朝子さんの作品は胸につき刺さるものがとても深い気がしました。読後もしばらくこの本のことが頭から離れませんでした。
死んでしまった息子とおもちゃのトランシーバーで会話ができるようになった男性のお話「トランシーバー」は、悲しくてしんどいけど何度も読みたくなってしまいます。小説を読んで涙が出たのは本当に久しぶりでした。
表題作の「私の頭が正常であったなら」は、タイトルの言葉が予想していたものとは違う文脈で使われていてとても面白かったです。
表紙の写真とデザインもとても素敵でした。
あと3冊紹介したい本があったのですが、とても長くなってしまったので別の記事で投稿したいと思います。
ここまで読んでいただいてありがとうございました。