路地裏ミッション さがしもの
「何かお探しですか?」
路地裏で背後から声をかけられれば
びっくりする。
周りには気を付けていたはずなのに、
いつの間に張り付かれていたんだ。
身なりはいいが、
靴が少しくたびれている・・。
足で稼ぐ職種だな。
こいつも「なんのはなしです顆」を探しているのか?
「な、な、なんの・・、
なんのカラシですか?」
・・っと、あぶねぇ!
口が滑っちまうところだった。
咄嗟のことだったが、カモフラできたはず。
その言葉は大事な暗号、
うっかり口にするわけにはいかないんだ。
そいつは一瞬目が点になったが、っっっぷっ、と吹いた。
「いや、失礼しました。
ちょっと一杯いい店がないか、と自分こそ探しているところでしてね」
宮下と名乗ったそいつは
なにやら営業の仕事が一段落したところらしい。
ふ、ふん。
こっちは名乗る必要ねぇす。一杯だって付き合いたくねぇす。
「俺、いい店なんてしらんけど」と小者風にやり過ごした。
「そうですか、じゃ、、、」
宮下は向こうへ行ってしまった。
宮下が見えなくなったのを確認。
探し物の続きっす。
あの人がこの街で物書きを再開してくれたんだ。
それが嬉しくて嬉しくて、読んで読んで読んで。
そしたら、自分も書き始めていた。
読み専でトーシローの俺がナニカ書くなんて、どうかしてる。
でも、すっげぇ書きてぇ!!
もっと書きてぇ!!
だからあの人の「書く原動力」となった
「なんのはなしです顆」を手に入れたい。
気付いたらのこのこと又この路地裏に来ていた。
誰かに持ってかれる前に見つけなきゃ。
「おい、危なかったな」
っびくぅっ!!!
今度は誰っすか!!
後ろから声かけるの、ほんっとヤメテ。
そこに立っていたのは俺が信頼するアニキだった。
前回「なんのはなしです顆」を手に入れたときも
この人と一緒だった。
「アニキ、いつの間に!?」
「ここんとこお前の様子がおかしいから、
つけてきたんだよ」
「え?アニキ俺をつけてきてくれてたんすか?」
「ば、ばか!それより、気を付けろよ。」
「なにがっすか?」
「最近ミッケってのが路地裏を嗅ぎまわってるらしいからな。」
「ミッケ?なんすかそれ」
「『見つけ次第消す課』の略称だ。
なんのはなしです関連に染まった者を探っているらしい。」
「へへっ、物騒なヤツらっすね。」
「お前もうまくやれよ。」
「なんのはなしですか、が必要な人もいれば、
排除したい者もいるんすか・・。」
「ここにきて中毒性が問題視されているようだな。」
「・・・」
「今日は空振りだったが帰ろう。ここに長居は無用だ。」
「でもアニキ、なんのはなしですかって誰が作ったんすかね??」
一方宮下は、というと、先輩榎本と合流していた。
さっきは「営業」などと嘘を言ったが、
noteの街の闇を取り締まる仕事をしている。
noteが持続可能な創作の街であるための仕事だ。
「榎本さん、さっきの男はシロ、てかシロートですよ。」
「そうか、ま、しばらく泳がせておくか。だが、監視は怠るなよ。」
「やっこさん、また来ますかね?」
「ああ、裏垢にも用心しとけ。
創作意欲が高い者となんのはなしですかは強く引き合うからな。」
2人は『見つけ次第消す課』に所属し、報告のあがった
おかしな事案を徹底的に調べる。
そしてこの街のどこかおかしな人たちに接触するため
今日もさらに深く深く路地裏を創作捜索するのだ。
おわり
今日の記事は蒔倉みのむしさんの
長編小説への勝手なアンサーです。
うちの路地裏に「ミッケ」をお呼びしちゃいました。
先日、「ムカデ」の話を紹介いただいた
お礼に書いてみたのですが、仕事が雑ですみません。
第1話は👆ですが、
まとめ読みするならこちらのマガジンへ。
一気に読めます👇中毒性高いです。
ムカデの話を収納していただいてます👇
てっとりばやく「なんのはなしですか」を手に入れたいなら👇へ
これはほんの一部ですが、蒔倉さんの小説の登場人物を彷彿とさせます。
そして土日は控えてほしいなぁ、って課長が言ってたような気もしたけど。
#どうでもいいか
金曜日だし( ´艸`)
蒔倉みのむしさん、
ありがとうございました。
課長、虫取りの後でいいから見てね~。
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