[組織ブログ Ver.40]グループキックオフにSOUNDカードを用いた話
2024年も残り2.5ヶ月になりましたが、皆さまどのようにお過ごしでしょうか?「10月」と言うのは、3月決算の企業さまであれば上半期が終わり、下半期がスタートした月だと思います。9月決算の会社は「期初」に該当していると思います。つまり、10月は何かしらの仕事における変化があった方も多いのではないでしょうか?
例えば、グループやチーム、そして事業部が変わった方もいらっしゃるかもしれません。何かしら働く環境が変化した場合、特に自分自身が所属するチームやグループが変更した場合には、相互理解をしたり、グループのミッションやビジョンを確認したり、もしくはミッションやビジョンを「創造」する必要があると思っています。
本ブログは、「グループキックオフにはSOUNDカードが非常に有効であると思った」という話をしたいと思います。
0. SOUNDカードとは?
0-1. (補足) 「SOUNDカードアンバサダー」に選んでいただけました
SOUNDカードの説明は前項の通りですが、僕がSOUNDカードに出会ったのは2024年の2月ごろでした。それからこれまでこのカードを使ったワークをおそらく20回以上実施してきていると思います。そして、SOUNDカードのコミュニティーに自分自身が使用した感想や学びをシェアさせていただいていたのですが、それをSOUNDカードの開発元であるオーセンティックワークスさんにご紹介いただき、「SOUNDカードアンバサダー」に任命いただきました。
そのため、ある程度はSOUNDカードの存在や概要についての理解はしている前提で、本ブログの話を進めていきたいと思います。
1. ポテンシャライトにおけるグループ再編について
当社は3月決算なのですが、ちょうど下半期が始まる2024年の10月に大きなグループ再編がありました。僕は会社の代表にはなりますが、割と大きなグループを受け持つことになり、個人的には大々的に自分がグループを持つことは、そこまで最近なかったので、「グループをどうするべきか」という課題を抱えていました。
会社としては、ミッションやビジョン、そしてバリューやカルチャーが明瞭にあります。ただ、グループにおいても、何かしらのルールや目指すべきことを決める必要があるなと潜在的に考えており、ただ会社とグループにおける乖離が発生するのもあまりよろしくないなと思いながら、どうしようか考えていました。
いずれにせよ、キックオフミーティングにおいて僕が考えているグループの理想図や重要視してほしいこと、そう思っている背景などをシェアしようと思っていたのですが、このやり方では、「文脈共有」に留まると感じていました。
少し話は遠回りになりますが、僕は自分自身が考えていることや決めたことの「文脈」を長々と話す方です。中学校の時に中川先生という歴史の先生が言っていたのですが、「山根が日本の歴史を学ばなければならないのは、日本人としてどのような文脈があったのかを理解しなければ、日本に誇りが持てないだろう?」とのこと。これにはすごく納得感があり、山根という人間を語る上でも、僕の文脈を皆さんにお伝えしなければ、本当に僕がどんな男なのか分かっていただけないと思うのです。
そのため、もし仮にグループを「こうしていきたい」とその事実をメンバーに伝えただけでは、理解度が薄いと思っており、「なぜそうしたのか?」「どのような思考を経て、そのような決断に至ったのか?」については、割と多くの資料を作成して説明するタイプ、と解釈ください。
👆詳しくはこちらをご覧いただければと思うのですが、
「文脈共有」には限界があると思っています。それは「当事者意識を100%持ちにくい」ということです。もちろん意識が高い社会人の方は何事においても当事者意識を持ってくださると思います。ただ、自分以外の誰かが決めた方針や戦略に対して、100%の合意があったとしても、それに対して100%の「当事者意識」を持つことは非常に難しいことだと思います。
そのため、僕は「文脈共創」が非常に重要だと思っており、特にグループのようなスモールチームにおいては、トップダウンでやっても良いかと思いつつ、これくらいのメンバーであれば、グループの方針や思想などを「共創」しようと考えるようになったのです。
とは言いつつ、何もない机の上で「では、グループの思想を作ろう」とメンバーに伝えたとしても、「やり方」に戸惑ってしまうと思っていたため、「さて、どうしたものか」と考えていたのですが、そこでふと気づいたのが、「あ、SOUNDカードがあるじゃないか!」と思ったのです。
2. SOUNDカードを使ってのワークについて
当グループで実施したのは、「当グループを、どのようなグループにしたいのか?」というアジェンダを用いたワークです。アジェンダについてはあえて抽象度を上げており、メンバーから多岐にわたる意見が様々な角度から出るようにしました。本ブログでは、当グループにおいて、各ワークのステップにおいて、どのような意見が出たのか?についての具体的な描写はしないのですが、簡単に要約をしてみます。
2-1. Status
ステータスの目的は心理的安全性を作ること。
ステータスのカードを各自1枚から3枚選んでいただいて、それについての話をする。誤解がないように言うと、心理的安全性を「目的」にしたいわけではなく、文脈共創をするために必要なステップだと捉えています。あくまでもステータスというカードを用いた情報発信の時間における目的は、心理的安全性を作ることですが、大局的にはそれは手段だとご理解ください。
2-2. Outcome
「当グループを、どのようなグループにしたいのか?」というアジェンダをもとに、どういったアウトカムにするのかをメンバーで話し合いました。
このワークが非常に良かったです。アウトカムのSOUNDカードは、グループの未来を照らすような問いが書かれたカードが非常に多いです。そのため、メンバーの年齢や経験、等級問わず本当に様々な意見が出ます。例えば「グループをどうしたい?」という直球の質問をしたとしても、メンバーは思っていることはあるでしょうが、拡大質問すぎて、自分自身の意見を見つけるのにも時間がかかる。無意識的に、そして潜在的に思っていたとしても、話がうまく出てくることはそこまで多くないと思います。
一方で、具体的なカードがあることによって、メンバーが頭の中で無意識的に、そして潜在的に考えているグループの理想を創発させるような仕掛けを施すことができるため、メンバーからとてつもなく多くの意見が出ました。
このoutcomeのカードに書かれている問いの回答を、各メンバーが2分程度で口頭で話すのですが、そこで感じたキーワードを、話の聞き手がポストイットに書いていきます。全員が書いたポストイットの枚数はおそらく100枚を超え、もちろん共通項目はあるのですが、5人掛けの机にポストイットがとてもじゃないですが、のらない程度の、グループのリストにおけるキーワードが散りばめられました。
ちなみに、outcomeのワークにおいて、当グループがたどり着いたのは下記です。
全員が思っていることを共創できたため、非常に納得感があるアウトカムになりました。
2-3. Understand
Understandは「構造とねらい目の見極め」という類です。
端的に言うと、前項で記載したアウトカムを達成させるにあたって「考慮/配慮」した方が良いことは何か?ということをメンバー同士で発信し合います。Understandの50枚以上あるカードの中から、自分がこのグループのアウトカムを達成させるために、考慮や視野に入れておきたいことを発信し合います。
よくあるのは、アウトカムがきれいに決まったとしても、「けどさ」「これが今後問題になるのでは?」と心の奥底で思っていたとしても、声には出さないことってあると思います。むしろ声に出せる雰囲気ではないこともありますし、わざわざグループが前を向いているタイミングで「けど」という逆説から言葉を発することにも躊躇があると思います。
ただ、Understandのカードがあれば、その躊躇もなくなり、割とみんな思い思いのことを話していました。ネガティブなことを話していた人もいましたし、ポジティブなことを話していた人もいました。ちなみに、当グループのワークで出た意見は以下の通りです。
僕のメモを煩雑に書いているため、イメージが湧きにくいかもしれないのですが、アウトカムを達成させる上で考慮や視野に入れておくべきことが明瞭になりました。
2-4. Negative Check
次に、アウトカムを達成させるにあたって、アンダースタンドで出た意見を考慮/視野に入れた上で、ネガティブなことが発生するのであれば、どのようなことが起きるのか?についてメンバーで意見を出し合いました。
結論を記載すると、下記のような意見が出ました。
ふむふむ。
僕がSOUNDカードを用いたワークを実施するときは、このネガティブチェックにおける情報発信をした後の対話の時間はそこまで多くはとっていません。もちろん非常に重要なセッションだと思うのですが、次に実行するドライブに時間を多く当てたいからです。
2-5. Drive
端的に説明すると「ネクストアクション」を決めていくことです。
そして、今回SOUNDワークを実施していて感じたのですが、結論としてはこの「ドライブ」については実施しませんでした。なぜならば、今回のSOUNDワークを実行した目的としては、「当グループの方針や思想を決めること」だったからです。
僕が当初から想定していたのは、グループのミッションやビジョン、スローガン、バリューなどを決めたいと思っていました。これらを決めるにあたって重要なのは、メンバー全員が心の奥底から思っていることを発信し合うことだと思っており、その「素材」を収集することだと思っています。詳しい話をする前に、次項に話を進めましょう。
3. グループの方針や思想を決める とは?
あえて抽象度が高いタイトルにしましたが、「グループの方針や思想」とは何か?と言われても回答することは難しいと思います。例えば、
「なぜこのグループが存在しているのか? (ミッション)」
「このグループは、どのようなゴールを目指すのか(ビジョン)」
「このグループの合言葉のようなものは何か? (スローガン)」
「このグループの行動指針は何か? (バリュー)」
株式会社と同様に、グループにおいても、上記4つの方針や思想が重要だと個人的には思っていましたが、さらに重要なのは、この4つを作ることが目的ではなく、納得感がある「項目」を選択して決めていくことだと考えていました。どういうことかというと、会社にはミッションやビジョンやバリューが存在しています。そして、今回ワークをしたグループは、当社の複数ある事業部の中の、1つの事業部に属する、1つのグループでのワーク、を実施しています。そのため、会社にミッションやビジョンやバリューが存在している中で「当グループのミッションは、会社と同じだよね」という着地でも良いと思っています。
一方で、会社の中に存在する事業部、そして事業部の中に存在するグループがどのような存在意義があるのかについて、もう少しミクロに文言化したいという場合は、もちろん作っても良いと思うのです。
3-1. 「何を決めるか」を決める
そのため、まず取り組んだのは「何を決めるか」を決めること。
つまり、前述したミッションやビジョンやバリューやスローガンのような方針や思想におけるキーワードの中で、先程のSOUNDワークで出た様々なキーワードを用いて、何を決めるべきかについて、メンバー同士で対話をしてみることにしました。
率直にメンバーから意見をもらったのですが、「ビジョンは決めたい」という意見が多く、「バリュー」についても明確にしておきたいという話がありました。なぜかというと、「グループ」というのは「変容する」という前提があるからだという話が多かったです。会社はもちろん共通した目標を追いかけているのですが、グループは入れ替わりが発生することがあると思います。そのため、2024年10月時点のグループメンバー、半年後のグループメンバーが変わっている可能性もある。もちろん、フレキシブルにグループの移動もあり得ますが、例えば半年や1年というスパンで明確に目標設定をしておいた方が、グループとして最大限のパワーを発揮しやすいのではないか?という意見となり、ビジョンを決めることにしました。
また、バリューについても、「会社のバリュー」はもちろん存在しているのですが、「グループのバリュー」も明確に決めておくことによって、ビジョンを達成するためのエンジンになるのではないか?という意見がありました。
その結果、「ビジョン」と「バリュー」を作成していくことにしました。
3-2. ビジョンを決める
★本項が本ブログで最も伝えたい箇所です。
少し遠回りして説明します。
僕は、HR系の支援企業なので、お客さまのミッションやビジョンを創造する支援もあります。僕がヒアリングをして、経営陣中心に意見を募り、それを取りまとめて、最終的に合議をしていくパターンや、会社の主要メンバーを集めてキーワードを拾い、そのキーワードを紡いで創発させるパターンなど、様々あります。
どのようなパターンにおいても、共通して出る懸念点としては、
「何かしっくりこない」
「実は、自分はこう考えていたのです」
「社長が言っているから良いか」
という声が発生すること。これは当たり前のように発生します。なぜならば、「メンバー(ミッションやビジョンを作成する主要メンバー)」が、心の奥底の意見を言う機会を100%取ることは、難しい場合があるからだと思っています。もちろん、僕がファシリテーションする場合は、参加者全員に心の声を出していただくようアドバイスはしますが、全員が面と向かって、ただポストイットが机の上に置いてある場合では、無意識的に、そして潜在的に思っていることが、カードにキーワードとして書かれることはそこまで多くないと思っています。
話を戻します。
SOUNDカードのワークをステップを踏んで実行したことによって、メンバーの皆さまからすると「意見を出し切った」という感覚を持っている方が多くいました。また、とてつもなく多くのキーワードがあり、むしろまとめるのが大変だというパラダイムが発生していました。
少し話が逸れますが、今回のSOUNDワークについてはずっと録音していました。なぜならば、録音した音声データをAIシステムでテキスト化し、そのテキストをChatGPTに読み込んでもらい「今回のワークで重要なキーワードを全て上げてくれ」と依頼したところ、キーワードが80程度出てきました。そのキーワードを下記に記載します。
サウンドワークでのキーワード・フレーズ集
DDO(発達志向型組織)
「発達志向グループ」
「垂直的成長」
「自己成長」
「水平的成長」
「自己変容」
「限界に挑む」
「弱みを強みに変える」
「弱さを受け入れる」
「自分の限界を超える」
「成長への強い欲求」
「成長痛」
「自己喪失」
「自分のメンタルモデル」
「限界を乗り越えるチャレンジ」
「自己認識の進化」
「成長をウェルカムにする」
「自己評価と他者評価の一致」
心理的安全性
「ホームを作る」
「心理的安全性と仕事の質」
「心理的安全性と高いクオリティ」
「安心して弱さを表明できる」
「全員が同じ方向を向く」
「信頼関係の構築」
「相手の意図を正確に理解する」
「誤解を恐れずに発言する」
「自己のニーズを理解する」
「メンバー同士のサポート」
「安全で挑戦しやすい環境」
フィードバック
「オープンなフィードバック」
「フィードバックを通じた成長」
「誤解や不安の解消」
「他者からのフィードバックを受け入れる」
「率直な対話」
「フィードバックで自分の課題に気づく」
「定期的なフィードバックの場」
リーダーシップ
「自己リーダーシップ」
「リーダーシップを発揮する」
「リーダーの役割を果たす」
「チーム全体の方向性を示す」
「リーダーのサポート」
「全員がリーダーシップを発揮」
「相互の理解と協力」
チームビルディング
「グループZのビジョン共有」
「チームの一体感」
「目標を明確にする」
「チームの目標達成」
「全員で同じゴールに向かう」
「チームの一体感を高める」
「共通の目標に向かって進む」
「みんなが主体的に動く」
自己理解
「自己の限界を理解する」
「自分のスキルと理想のギャップ」
「自分を知ること」
「自分の能力を正確に把握する」
「自己のメンタルモデルを意識する」
「自己成長のための内省」
「自分の弱さを認める」
挑戦
「挑戦し続ける」
「失敗を恐れない」
「成長のための挑戦」
「限界に挑戦」
「困難を乗り越える」
「自己成長に挑む」
「チャレンジを歓迎する」
メンタルモデル
「自分のメンタルモデルを理解する」
「他者のメンタルモデルを尊重する」
「自己の内面と他者の内面の理解」
「限界に挑むためのメンタルモデル」
「内面の成長と自己変容」
「自己変容型リーダーシップ」
成長への意欲
「成長したいという意欲」
「自分の成長を楽しむ」
「継続的な自己成長」
「成長痛を乗り越える」
「痛みや葛藤をウェルカムにする」
「困難が成長の機会になる」
コミュニケーション
「率直なコミュニケーション」
「相手のニーズを理解する」
「背景の理解」
「文脈を読み取る」
「オープンな対話」
「健全な対話の環境」
「誤解を恐れずに話す」
限界突破
「自分の限界に挑む」
「挑戦を続けることで限界を超える」
「限界に向き合う」
「限界を感じることが成長につながる」
垂直的成長
「自己の限界を超える」
「精神的な成長」
「自己変容を促す」
「成長のために必要な挑戦」
「精神的な器を広げる」
水平的成長
「業務スキルの向上」
「ビジネススキルの習得」
「学び続ける意欲」
「実務的なスキルの向上」
痛みと葛藤
「成長には痛みが伴う」
「痛みを受け入れる」
「葛藤を乗り越える」
「痛みや葛藤が成長を促す」
「葛藤を解決するための内省」
システム思考
「システム全体を見渡す」
「システム思考を取り入れる」
「全体像の理解」
「システムの中での自分の役割を知る」
文脈の理解
「相手の文脈を理解する」
「背景や状況を読む」
「相手の立場に立って考える」
「個々の状況を考慮する」
自己喪失
「自己喪失の経験」
「自己喪失が成長の鍵」
「自分を手放すことで得られる成長」
これが本当に圧巻で、このグループが思っていること、つまりグループの方針や思想を決めるにあたって、これらのキーワードは本当に「宝」だと思っています。このキーワードからビジョンやバリューを決めていくことへの納得感は非常に高かったです。そして、これらのキーワードから言葉を紡いで、最終的にビジョンが完成しました。それは、
「自らと仲間をGive Heatし、ポテンシャライトを先導・変容させるリーダーへ」
です。
こちらに込められている想いとしては、まず自分自身が「熱量」を持つこと、そして仲間に「熱量」を与えること。その結果として当社ポテンシャライトを強くリーディングし、昨今の変化が多い時代において、会社自体の組織変容をポジティブに導くリーダーとなることを目標に、邁進しようという内容です。
3-3. バリュー
ビジョンが決まれば、「そのビジョンを達成するために重要な行動指針」は決めやすかったです。前項で記載していたキーワードの中から、全員が「入れたい」と考えるバリューのキーワードを改めて挙げてもらい、それを紡いで作成していきました。ただ、ここで1つ重要視していたことがあります。具体的に説明していきます。
3-3-1. DDOの項目に即して作成したこと
DDO(発達指向型組織)についての説明は非常に長くなるため、下記のブログをご覧ください。
端的に言うと、
「エッジ(成長/チャレンジ)」
「ホーム(安全性)」
「グルーヴ(轍/チームワーク)」
の3つを、複数のバリュー(項目)で網羅するようにしようとチームで決めていました。蛇足ですが、当グループの方針として、「DDG(発達指向型グループ)になりたい」があり、それに共感しているメンバーが多かったため、この3つはバランスよく作ろうという判断をしました。
ただ、メンバーの中には当社での在籍期間が短いメンバーもいたため、まずは「エッジ」を重視しようということで、エッジに関連するバリューが最も多く配分されています。
(どのようなバリューになったのかは、本ブログの後半で説明します)
3-3-2. インテグラル理論の象限を意識したこと
インテグラル理論については、下記のブログをご覧ください。
インテグラル理論の素晴らしいところは、私たち人間が無意識的に偏りがちな象限に気づかせてくれることです。
例えば、
個人+内面 に寄りがちな方は、個人コーチングを学んでいる方。
集団+内面 に寄りがちな方は、組織コンサルティング出身の方。
個人+外面 に寄りがちな方は「スキル至上主義」の方。
集団+外面 に寄りがちな方は経営コンサルティング出身の方。
といったイメージです。
これらにおいて、誰が良い/悪いというわけではなく、「すべてが重要」だと個人的には思っています。そのため、当グループがビジョンを達成するためには、このインテグラル理論の4つの象限において、バランスよくバリューが存在していることが望ましいと思いました。
そのため、今回当グループで考えたバリューは、この4つの象限に割り振っています。
3-3-3. あるメンバーからの意見
「メンバー個人が夢を持ってほしい」という非常に良い意見がありました。
そのため、「have a dream」というバリューも入れようか?という話になったのですが、他の優先順位が高いと判断して、今回はバリューに入れませんでした。ただ、グループにおける方針や思想を作るという目的のもと、本ブログでもキーワードとして挙げている「文脈共創」の観点から、メンバーが熱意を持って発信してくれた提案について、何とか形にしたいと思っていました。そこで僕から提案をしました。
「当グループの『Dream Message』という枠を作ってみてはどうか?」
Dream Messageとは、会社で言うミッションと同じような概念ですが、「夢」と言っているくらいなので、叶うかどうかは分かりません。ただ、追いかけ続けたい本当に長期的なものを指します。結果として、Dream Messageを作って良かったと思っています。ビジョンはもちろん心を震わせる内容になりましたが、Dream Messageも合わせて、さらにグループを前進させる内容になったと思っています。
4. グループキックオフにSOUNDカードが良かった理由
結論として、グループにおけるキックオフでSOUNDワークを使ったワークを実施したことによるメリット(理由)を記載したいと思います。
4-1. グループの指針となるキーワードがたくさん見つかった
SOUNDカードを用いることによって、多様な問いに直面し、その問いに対して回答することで、自分自身の心の奥底で思っていたことを「言葉」として相手に伝えることができました。そしてリーダーはその言葉と出会うことができ、非常に有意義でした。
年齢や経験が少ないメンバーが組織の全体像を語ることには勇気が必要だと思います。「何か話せ」と言われても、話しにくいと感じることがあるでしょう。ただ、カードがあることで、問いから創発される内容を声に出しやすい、というメリットは非常に大きいと感じました。
4-2. 方針と思想を作りやすい
合理的な数値目標は会社から降りてくることが多いと思います。例えば、事業部の目標が年間で5億円だったとした際、グループが5つあれば1億円ずつ配分されるというのはよくあることです。そのため、「なぜ1億円なのか」という議論をするのも良いことですが、それは経営目標から降りてくるため、その1億円のグループ目標の理由自体はリーダーが経営に確認するべきです。ただ、グループ間でディスカッションすることの効果はあまり大きくないと思います。
一方で、1億円のグループ目標がある場合、「山の登り方」、もう少し詳しく言うと「山を登った後に見える景色」「どんな雰囲気で山を登るのか?」などはグループによって異なると思います。それらを「共創」できたことが非常に良い経験となりました。
4-3. 共創できたこと
もしカードがなければどうなっていたかと考えた場合、やはり「声が大きい人」の意見が優先されることが多かったのではないかと振り返ります。
例えば、「グループの方針に必要な事は?」という問いに対して、ポストイットで意見を並べ、それをシェアし合い、意見を取りまとめるワークをした場合、意見の発散はできたかもしれませんが、収束に関しては声が大きい人の意見に流されがちだったかもしれません。
とは言え、カードを用いても、意見の発散は可能で、その後の収束についても声の大きい人の意見が反映されることはあるでしょう。しかし、SOUNDカードの威力は「視座共進化」ができることにあると思います。
詳しくはブログをご覧いただければと思いますが、視座は年長者から年少者に与えるというイメージを持たれている方が多いかもしれませんが、僕はそうではないと思っています。当グループのリーダーは僕ですが、メンバーから見える景色をリーダーが見逃すこともあるでしょう。メンバーの視座、正確には「見える景色」を捉えることが非常に有意義でした。
4-4. メンバーが未来を堂々と語っていたこと
「未来や戦略を作るのは山根さんでしょ」という雰囲気が当社にはあります。もちろん会社の代表なので、未来を描く戦略は僕の仕事だと思いますが、それをみんなにも経験してほしいという気持ちが長い間ありました。
ただ、「代表になってくれ」と頼むことは難易度が高いと思います。しかし、グループの方針や思想を決める際、SOUNDカードを用いることで「主語」が自分ではなく「グループ」になる体験を若手メンバーにもさせることができ、非常に有意義でした。
グループの未来を自分の言葉で語ることは、非常に価値が高い体験です。本来であれば「自信がなくて言えない」「自分なんて…」という思いが出てくるかもしれませんが、SOUNDカードを用いることで発信する機会を作れたことは非常に大きな成果だと感じました。
5. (スライド共有) グループのDMVVについて
そして、DMVVを記載をしたスライドを公開しておりますので、ご覧ください。
最後に
皆さんいかがでしたでしょうか。
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