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昔のボードゲームレビュー×いっぱい 欲張り詰め合わせセット

GREEがPC版のサービスを終了する事が問題になっていた頃に、昔GREEに投稿していたボードゲーム関連の文章をサルベージしまして。
文章量が多かったので面倒臭くて放置してたんですが、個人情報その他厄介な部分を修正して、公開しても問題無さそうな形になったので公開します。
・古い文章なのでデータ、数字は当時の物です。
・当時のノリで書いてるのでイタい文もありますが、その辺を公開しても私の心にダメージが来るだけなのでほぼ無編集でそのまま公開しております。流石にネタ分からんやろ的な部分は若干補足を入れつつ。
・長いです(58000字)。note用の編集までしだすと確実に公開出来そうに無いので、上記の編集以外はそのまま、テキストデータのコピペです。見出しも無ければ字の大きさも全部同じです。頑張って下さい。

 では、どうぞ。


 ・6ニムト・・・プレイ人数2~10人。
 1994年ゲーム大賞ノミネート。牛を他のプレイヤーに押し付けるゲームです。ルールはとてもシンプル。大人数でゲームをする時に重宝します。軽い読み合いも楽しめますが、基本的には運ゲー。でも運だけでは勝てません。手軽なカードゲームと言えばこれ。


 ・Q-JET・・・プレイ人数2~6人。
 近未来型レースゲーム・・・と見せかけて昔あった「アベカエサル」と言うゲームのリメイク。カードを使って車を進め、コースを3周して早くゴールした人の勝ち。分離帯があったり1車線のコース(1車線しか無いコースでは追い越せない)があったりして、その辺りの選択で読み合いが発生します。カードはコースを3周するのにギリギリの量しか無い為、遠回りをすると途中でガソリン切れ→リタイア、というF1の様な事態が起こります。注意しましょう。


 ・アイバンホ
 氷雪燃え立つアスカロン。
 プレイヤーはウィルフレッド=アイバンホーになって獅子心王につくか公正につくか・・・
いやいやいや。
 プレイヤーは中世の騎士になって馬上試合・剣・斧・モーニングスター・素手の5つのトーナメントに優勝する事を目指します。カードはこれら5種類のそれぞれに対応するカード以外にサポートカード(何色にも使える)・アクションカード(特殊効果カード)があります。
 各トーナメントは、スタートプレイヤーが出した色のトーナメントが行われ(アクションカードの効果で変わる事がある)ます。基本的にそのトーナメント中はスタートプレイヤーが出した色のカード+サポートカード+アクションカードしか出せません(例外:素手)。スタートプレイヤーがカードを出したら、以後のプレイヤーはそれ以上の数値になる様にカードを出していかなければなりません。それ以上の数値になるカードを出せない場合、そのトーナメントからは撤退しなければなりません(出せる場合でも任意に撤退可能)。
 幼女(サポートカードの1つ)を出していない場合はノーコストで撤退出来ますが、幼女を出しているロリコンは児ポ法が適用され、自分が所有する、トーナメントに勝利した際に受け取るチップを1枚差し出さなければなりません。
 一人を除いた全員がトーナメントから撤退したら、そのトーナメントの勝者が決定します。最後に残ったプレイヤーが最終的なそのトーナメントの使用武器に対応する色のチップを1枚受け取ります(例外:馬上試合)。各色のチップを4種類(2人プレイの場合は5種類)ゲットしたプレイヤーの勝利です。尚、同じ色のチップを複数枚ゲットする事は出来ません(同じ武器で2回勝っても意味が無い。スタートプレイヤーの権利を得る事は出来る。)。
 一見すると分かり難いが、システム的には芹ゲーだったりする。
 素手のルールがアレなので素手で延々とハンドのロンダリング出来るのがちょっと。ターボズウ”ィーみたいにハンドのロンダリングしながらアクションカードで他人のハンドをカラに、みたいな事が出来た。これはルールの理解ミスかもしれ無いからちょっと微妙。
2人だとかなり引きゲーなので、3~4人位が適正人数か。


 ・アムレット・・・プレイ人数~3~6人
 アムレットはムーン様大爆発の年にSdJにノミネートされた作品の内の一つ。後の2つはサンマルコと…何だったっけ?
 エネルギーチップを使って魔法カードを競り、その魔法カードを使って得られた金属を使って宝石(アムレット)を競る、と言うゲーム。2重のリソースマネジメントが求められる。
 システム的に「競りゲー」とは言っているが、魔法の剣と竜の卵やエヴォの競りシステムの様な、「リソースマネジメントの為の競り」に近いシステム。
 非常にタチが悪いので、人によっては2回も続けてやれば胃に穴が開くレベル。俺が大好きなタイプのゲーム、と言う言い方も出来るが。

 結果は2~3位。ハンド状況を鑑がみれば、まぁ3位か。
 敗因分析。
 +リソースマネジメントの失敗。
1点、1枚の細かいマネジメントでの失敗。改善策はカウンティングする事だが、ゲームが進む程カットが増えるので、寧ろ「次のターンにいくつ残す為に今いくつ使うか」が重要。
 +エメラルドパワー取れなかった。
人間力不足。
 +テレポーテーションの使い方のミス
ラストはちゃんと使えばテンパイにはなった。最終盤は相手を絞めるより自分を伸ばすべき。
 +定期収入重要
働けるって素晴らしい。
 +年金はもっと重要
ビバ国民年金。寧ろ恩給か。


 ・あやつり人形・・・プレイ人数3(2人でも可)~7人。
 プレイヤーは黒幕になって表舞台で活躍する役割(暗殺者・泥棒・魔法使い・国王・伝道師・商人・建築家・傭兵)をあやつり、建物を建築していきます。誰かが8軒建てたらゲーム終了、一番建物の価値の合計(+各種ボーナス)が高いプレイヤーの勝利。
 大雑把なターンの流れは、
1・ターンプレイヤー(2ターン目以降は国王)から役割カードを選び、一周(2、3人プレイの場合は異なる)する。
2・ターンプレイヤーが1番(暗殺者)からコールしていき、自分が選んだ役割が選ばれたら返事する(死んでる場合はスルー)
3・自分のターン開始
4・自分のターンが終わったらターンプレイヤーが次の役割からコールしていく。
 3の自分のターンの詳細。
最初にコイン(建物を建てる為に必要)を2つかライブラリーから建物カードを2枚引き、1枚を選んで手札に加え、残る1枚を捨てる。
次に手札からコスト(コイン)を支払って建物カードを1枚出す事が出来る。
この間のいつでも、キャラクターの特殊能力を使う事が出来る。
 暗殺者養成ゲーム。プレイ人数が少なければ少ない程読み合いゲー。2人プレイ時はゴン重。
 カードゲームとしては数少ないメインディッシュになり得るゲーム。そう言ったゲームには他にもボーナンザやフェレータがあるが、多分このゲームがルール的には一番分かり易い。お勧めはフェレータだが。


 ・アルハンブラ・・・2~6人。
 03年ゲーム大賞受賞ゲーム。プレイヤーは建築家となり、各自のアルハンブラ宮殿を建築します。建築には費用がかかりますが、その際に必要な通貨は4種類あります。その時々に合った通貨を選択しなければなりません。尚、費用を丁度の金額(このゲームではお釣りは貰えません)で払うとボーナスがあります。
 それなりに考えるゲームでありながら運の要素もあり、プレイ時間も短い(慣れれば1時間以内)ので、カタンやカルカソンヌと並んでボードゲーム力(ぼーどげーむちから)を鍛えるのには格好のゲーム、と言えるでしょう。場所を取るので中々立ち難いのが難点ですが。

 ・イシス&オシリス・・・プレイ人数2~4人。
 シャハトがデザインしたゲームで、1分で終わるルール説明、足し算引き算が出来れば誰でも出来る簡単なルールなのにシャハトテイストを味わえるシステム、と、初心者に「シャハトの2択」を教えるのにこれ程都合の良い「教科書」も無いだろう。
 先ず最初に、プレイヤー全員に裏向けにシャッフルされた得点タイル(-4~+4迄ある)と自分の色の駒が規定の個数配られる。
 自分のターンに出来るのは以下の2択。どちらか片方が出来ない場合はもう一方を「しなければならない」。
 ・裏向きのタイルから1枚選び、それを表向きにして全員に公開し、再度裏向きにして6×6マスのボードのどこかに置く(重ねては置けない。これは駒も同じ)
 ・自分の駒をボードの好きな場所に置く。
 これを繰り返して、ボードが全て埋まったら(何人でやっても確か駒orタイルが余る筈)ゲーム終了。
 で、裏向けに置いてあったタイルを全てひっくり返す。
 自分の駒の上下左右にあるタイルの合計がその駒の得点になる。当然マイナスもあり得る。
 で、各プレイヤーが全ての自分の駒の得点を合計して、最も得点の高いプレイヤーの勝利。

 単なるタイル捲りの記憶ゲーかと思いきや、実は記憶ゲー的な要素はかなり薄い。「何となくこの辺はマイナスだった」位でも十分ゲームになる位。まぁタイル捲りの運はしょうがないが、設置の仕方である程度はカバー出来る。
 何よりシャハトの2択を体現したゲームの中では最も取っ付き易い(と俺は思う)、この軽さは魅力的。逆にシャハトの2択のせいで前に進めない感じがする(らしい)エレファントなんかは、同じ位(かちょっと重い位)の軽さのゲームなのに、シャハトの2択が「自分の」得点の伸びを鈍化させる事で「何となく嫌な感じがする(実はシステマティックに見たらやってる事は殆ど一緒なんだが)」感じにさせているのとは対称的だと言えるだろう。


 ・ウィザード
 1000円だったから買ったが、これで1000円は正直ボり過ぎだと思う。
 だって9割方(正確には52/60)トランプなんだもん。
 必ず勝つ「ウィザード」と、必ず負ける「ジェスター」が4枚づつ入ってる以外はタダのトランプ。
 ルールは蝶単純。
 マストフォロータイプのトリックテイキング。
 初めはハンド1枚で、何トリック取れるかを予想する。当たれば得点。外れれば失点。
 以下ハンド2枚→ハンド3枚…と続く。
 これを規定ターンやって、点数高い人の勝ち。細かいルールもあるが、大体こんな感じ。
 感想。
 トリックテイキングやりたいんだったらポイズン(クニッツィアのトリックテイキング)やれ、ポイズン。
 まぁ100円ショップでトランプ2つ買って来たら自作出来るし、全くボードゲーム知らない人には殆どトランプだから取っ付き易いかもしれない。
 だが、ただそれだけ。それ以上でもそれ以下でも無い。
 「入門用のボードゲーム」だったら6ニムトの方が万倍良いし、「トリックテイキングの入門」だったらポイズンの方が兆倍良い。トランプ使っては出来ないが、MtGのランドがあれば(店で買っても数百円、周りにそれなりにやってるプレイヤーがいれば99%タダで貰える)ロストシティが自作出来る。
 このゲームを積極的にプレイする理由が俺には見当たら無い。教えて偉い人。
 まぁ実際、非常にシンプルで分かり易いトリックテイキングだから、「このゲームしか知らなければ」面白いんだろうが。
 残念ながらこの世にはもっと遥かに桁違いに面白いトリックテイキングがごまんとある訳で。
 この辺の理屈はモノポリーや人生ゲームと同じ。札ビラで頬を叩きまくったり猿の様にルーレット回すだけがボードゲームじゃ無いんだよ、と言う。
 俺が感じた「嫌な感じ」は、多分「ボードゲーム」を知った後に人生ゲームやらモノポリーやらウノやらをやった(やらされた)時に感じたのと同じもんなんだろう。「あぁ、俺こんなのより遥かにおもろいゲーム知ってるのに何でこんなのやらなあかんねん」とゆー。
 まぁそう言う訳で、「ボードゲームを知らない人」にやらせる「繋ぎ(或いは橋渡し)」のゲームとしては価値はあるんじゃないか、と言ったレベル。1000円ドブに捨てたとは思いたく無いから言い訳、と言う訳では無いですよ?
 結論:同じ1000円払うなら6ニムトかポータブルカタン買いましょう。

 ・エヴォッ・・・プレイ人数3~5人。
 プレイヤーは恐竜になって、気候変動や他の恐竜(他のプレイヤー)との闘争を生き抜き、自らの種族の繁栄を目指します。恐竜は、足・卵・遺伝子・しっぽ・角・毛皮・パラソルをゲットする事によって進化します(その他にも特定のタイミングで使えるカードを引くことも出来ます)が、これらをゲットする手段は勝利ポイントを使った「競り」。つまり、競りに大量のポイントを使ってしまうと勝利が遠退く、と言うジレンマにぶつかります。
 その他にも戦闘やカードの判定等はは全てダイスで行われるので、勝率5割の筈が9割の恐竜が死亡、と言った事もあります。又、恐竜は気候変動にとても弱いので、ちょっとした事で絶滅の危機に陥ったりします。アーケードゲーム版のスーパーマン並に弱いです。スッパマン以下です。たまにゲーム途中で特定の恐竜が絶滅したりしてしまいますが、それも又、自然の摂理。大自然のお導きです。諦めましょう。


 ・エルグランデ・・・プレイ人数2~5人。
 1996年ゲーム大賞・ドイツゲーム賞受賞。各プレイヤーはスペインの大公になって、全土に勢力を拡大します。各プレイヤーは各領土に自分の騎士を配置しする事でその領土内での勢力トップを狙います。基本的に各領土の一位~三位迄には得点が加えられるので、その中に入る事を目指します。
 極めて秀逸な陣取りゲーム。3人以上プレイ可能な陣取りゲームでこれ程迄に完成されたゲームシステムを私は知りません。流石は天才クラマー。
 得点計算の方法が選挙に似ている為、「選挙シミュレーションゲーム」と言われる事もあります。


 ・オイ、それはオレの魚だぜ!(ペンギン)・・・プレイ人数2~4人
 オイ、それはオレの魚だぜ!(ペンギン)は一見すると子供向けゲームに見える(実際そうだが)が、蓋を開けてみれば初期配置以外完全アブストラクトな陣取り、と言うかなり激しいゲーム。
 60枚のタイルに1~3匹の魚が書かれていて、それを8枚・7枚・8枚…とランダムに並べる。
 適当に調整(3匹や2匹の魚が書かれたタイルが均等になる様に)して、魚が1匹しかかかれていないタイルにペンギンを置いて(2人プレイなら4体、3人プレイなら3体、4人プレイなら2体)、ゲームスタート。
 自分のターンに出来る事は単純。
 縦横斜めの1方向に、自分のペンギン1体を好きなだけ進める。但しこの時、他のペンギン(含自分のペンギン)や空き地を飛び越す事は出来ない。要は陸続きで障害が無い所迄なら縦横斜めの好きな方向に好きなだけ移動出来る。
 で、移動元のタイルを取る。
 たったこれだけ。

 で、全てのペンギンが「もうこれ以上動けない」状態になったらゲーム終了。採った魚の数が一番多いプレイヤーの勝利。
 感想。
 非常にシンプル(ペラ紙1枚)なルール、可愛らしいコンポーネントと相まって、子供向けの簡単なゲームだと思ったら大火傷、みたいなゲーム。
 アブストラクティーな陣取りは(クニッツィアの砂漠を越えて、ドーンの盗賊騎士、同じくドーンのルイ14世)たくさんあるが、ここ迄シンプルなルールでゲームとして成立している陣取りも珍しい。
 確かこの年のSdJはアルハンブラだったが、このゲームはどう言う扱いだったんだろう。ちょっと調べてみるか。確か日本ボードゲーム大賞か何かの初心者向けゲーム部門1位とかだった筈だが。良く覚えて無い。
 で、調べた結果。
 2006年ドイツ年間ゲーム大賞(SdJ)推薦
 2006年日本ボードゲーム大賞入門者部門1位
 2006年オーストリアゲーム大賞家族ゲーム賞受賞
 2006年トリック・トラック賞ノミネート
 となっていた。ノミネートはされたらしい。「コレ入門用ゲームか?」と言うツッコミはさておき。多分システム的には砂漠を越えて並のゲームだと思うんだが。
 正確には、オイ、それはオレの魚だぜ!は、2003年にBumbusから個数限定で発売されたpingvinas(ペンギン)のリメイクらしい。2年後にファランクスから発売、と言う事はかなり勢いがあった、って事だろう。ギークで7越えてる(147位)しな。
 だから、正確にはペンギン=オイ、それはオレの魚だぜ!では無い。まぁペンギン≒オイ、それはオレの魚だぜ!ってトコか。

 ・王への請願・・・プレイ人数2~5人
 ダイスを使うゲーマーズゲームと言う、一風変わったゲーム。アミーゴ社。
 基本的にダイスを使うのがメインのゲーム=ギャンブル系(シンシナティ・ババンク等)やパーティーゲーム(ブラフ(初心者がプレイすれば)・ヘックメック)だし、ゲームシステムの中にダイスの使用が組み込まれている戦略ゲー=手っ取り早い乱数処理の方法としてダイスを使う(カタン・ラムと名誉等)だったんだが、これは
 ダイスをメインで使った戦略ゲー
 と言う大変珍しい形になっている。イスタリ社(イス・ケイラス(買った)・ミケリノス王(火曜には届く)等を制作しているゲーマーに評判の良い(最近ではアリアとタメはるレベル)メーカー)の新作、イスファハン(来月頭迄には欲しい)もベクトルは全く違うが「ダイスをメインに据えた戦略ゲー」であり、この辺は中々面白い。まぁイスファハンはむしろカタンと比して語られるべきゲームだと思うが、それはさておき。
 ゲームは非常に単純。
 プレイヤーの最終目標は王様にお願いをする事です。その為には、多くの友人を持ち、宮廷への影響力を高めないといけません。この影響力はダイスで表されます。
 初めはダイスを3つ振る。
 で、その内の1個以上をキープしなければならない(つまり、始めは最大3回しか振れない)。
 残ったダイスを振る。この時、前と同じ目を選んでも良い(ヘックメックと違う)。
 最終的に全部のダイスをキープしたら(せざるを得ない場合もある)、その時点でのダイス目で取れる友人カード(全部で20以上、3つ以上同じ目を出す、と言った条件がある)を取って、ターン終了。以下繰り返し。
 友人には大きく分けて
 ・ダイス目をいじる者
 ・ダイスの数を増やす者
 ・その他
 があり、これらの友情パワーを駆使して最終的には王様(7つ同じ目を出す)にネジ込む。最後に最終決戦をやって、その勝者が最終的な勝者。

 感想。
 自分のターンにやる事はダイスを振って「適当な」友人カードを取る事しかない、と言う非常にシンプルなゲームなんだが、これが中々戦略的なゲームになっている。
 行き当たりばったりで出た目を適当に選んでいくだけではまぁ勝てない。最低でも戦術的な思考(最初に振った目や持っている友人カードから、そのターン最終的にどの友人カードを得るかを考えながら振っていく)が必要だし、慣れてくると戦略的な思考(最終形を考えつつダイスを振り、始めに思い描いた最終形を調整していく。)が出来る様になっていく。
 「最終的な形を思い浮かべながらダイスを振る(そのターンだけでなく、ゲームを通じても)」ゲームなので、初心者には難しい。この辺が「ダイスゲーなのにゲーマーズゲーム」な由縁。
 でもこの「最終的な形を思い浮かべながらダイスを振って、出た目を見ながら修正していく」と言う行為が中々楽しい。
 他のプレイヤーのターンは完全なダウン時間なので、基本的に人数は少なければ少ない方が良い。2~3人推奨。他のプレイヤーのダイス目見ながら「ここはアレ取りに行くべきなんちゃうん」とか言い合うとダウン時間が減るのでお勧め。
 同時期に朋友所有のシンシナティが同じアミーゴ社から発表されているのが中々興味深い。アミーゴ社がこのゲームをどう言うベクトルを持つモノとして扱っているかが推察出来る。
 まぁ取り敢えずお勧めなゲーム。2人ならそんなに時間もかからないし。

 この後イスファハンをやった訳ですが。
 相手が悪かった。流石にイスファハンと比べるのは可哀想だわ。
 イスファハンと比べると、ダイスを使った「それなりに戦略的に見えなくも無い」ゲーム、位の差がある。
 まぁジャラジャラダイス振れる(最大12個だったか)し、友人を絡めたレベルアップは「それなりに」考える所もあるんだが。
 3回で慣れた。
 要は「最初に出た目」を見てそれから「理論上」考え得る友人をピックアップしてその中から確率を鑑がみながら「適当な友人」をチョイスしてそれに見合う目を残して~
 って感じなんだが、ゲーム慣れしてると10~20秒位で出来る様になる。醍醐味台無し。寧ろダイスを出た目毎に整理する時間の方が長い位。
 多分慣れたゲーマー同士でやれば15分位で終わる(やった事無いが、俺がかかる時間×2と考えれば)ゲームに30~45分かかるのは嫌。そんだけ時間あるなら後10分あればイスファハン出来るし。
 とまぁ現在はそんな評価です。


 ・カタン・・・プレイ人数3~4人。
 1995年ドイツゲーム大賞・ドイツゲーム賞受賞。全世界で500万セット以上売れている化け物ボードゲーム。日本語版(カプコンやハナヤマが製作)も製作されている(ドイツ)ボードゲーム、と言うのはコレとチケットトゥライド位じゃないでしょうか。ポータブル版はヨドバシカメラ等でも1000円程度で手に入ります。
 各プレイヤーは開拓者となり、開拓地から各種資源を手に入れながら(他のプレイヤーとの交渉によって資源を交換する事も出来ます)街道や開拓地を新設していき、それらの(他にもプラス要因はありますが)合計ポイントが10点になるのを目指します。
 運、戦略、交渉、建設、ブラフに嫌がらせ(妨害)と、ボードゲームに必要な全ての要素が一つに詰まったゲーム、と言えるでしょう。
 クラウス・トイバー作のゲームと言えば貴族の務めやエントデッカー、チップチップフラー等の名作・奇作も多いですが、やはり一番はこのカタン。
 初心者向けのゲームでありながら上級者でも楽しめるこのゲームシステム。先ずは一度プレイする事をお勧めします。


 ・カルカソンヌ・・・プレイ人数2~5人。
 2001年ドイツゲーム大賞・ドイツゲーム賞受賞。ちなみに、ドイツゲーム大賞とドイツゲーム賞を同時受賞したのはカタン・エルグランデ・カルカソンヌ以外にはティカル(これも部室にあります。1999年に受賞)しかありません。如何にこれらのゲームが初心者から上級者迄遊べ、ユーザーからの支持があるかが分かります。無論これらのゲーム以外にも優れたボードゲームはたくさんあります(モダンアートやプエルトリコ等を「最高のボードゲーム」として挙げる人は多いです。私はモダンアート派。クニッツィアゲーだし。)し、ティカルが果たして初心者用のボードゲームか、と聞かれると捻った首がコキャッとイキそうになりますが。最低2時間、4人で上級ルールでやると4時間近くかかるゲームを「初心者用」と言われてもねぇ・・・。
 カルカソンヌは地形タイルと自分のコマを配置して得点するゲーム。手番になったらタイルを1枚引き、それを既に場にあるタイルに繋げていきます。タイル同士を繋げるのには条件があり、道・街・修道院・草原のどれかが繋がっていなければなりません。タイルを繋げたら、自分のコマをその置いたタイルの道・街・修道院・草原のどこかに配置(しなくても構いません)します。道・街・修道院が完成すれば、それに応じた得点が得られ、コマを回収する事も出来ます。草原に置いたコマは最後の得点計算迄回収出来ませんが、巧く置けばかなりの得点を稼ぐ事が出来ます。又、最後の得点計算時には完成していない道・街・修道院からも多少の得点を得る事が出来ます。
 ルールはほぼここに書いた事だけ、と言うとてもシンプルなゲームですが、色々と考えさせられる名作です。プレイ時間も3~40分と短い為、「ボードゲームってどんなんかな?」と言う方は、まず最初にカルカソンヌから始められては如何でしょう。カタンよりセッティングが簡単(場所さえあれば1分かからない)、と言うのもプラスポイント。


 ・貴族の務め・・・プレイ人数2~6人
 メーカーはFX Schmid(後にアレアが再版)。デザインはトイバー。
 変態貴族が自分達の変態コレクションを公開しあうゲーム。変態コレクションはオークションで競り落とす事も出来るが、他人の公開しているコレクションから泥棒を使って盗む事が出来る。でもその泥棒は探偵を使えば捕まえる事が出来る。
 基本は双六。自分の駒が進むのは、
 ・自分の変態コレクションを公開した場合(複数人が公開している場合は基本枚数が多い人から上位2人)
 ・探偵で泥棒を捕まえた場合
 の2種類。
 ターンの流れは
 1・場所選び
 2・オークション会場で色々
 3・城で色々
 となる。
 1・場所選び
 ここでこのターン自分が動く場所(オークション会場か城)を選び、同時に公開する。ここで「誰が」「どこで」が分かるので、そこから「何をするか」を読み合う事になる。
 2・オークション会場で色々
 オークション会場で出来るのは以下の2択。
 ・お金を払って変態コレクションを買う
 ・泥棒を使ってお金を盗む
 お金を払って変態コレクションを買う方は一番高いお金カード(一度に1枚しか使えないラッツィア!形式。)を払ったプレイヤーが2枚公開されている変態コレクションから好きな1枚を選べる。変態コレクションを買ったプレイヤーは使ったお金カードを破棄。
 泥棒を使ってお金を盗む方は、他のプレイヤーがお金を払った時に初めて発動する。逆に言うと、誰もお金を払わなかったら発動しない。
 
 泥棒を使った時に他のプレイヤーが変態コレクションを買う為にお金カードを払うと、そのお金カードを盗む事が出来る。泥棒が複数人いたら、バッティングしてしまってお金カードは盗めない。単独犯の場合のみお金を盗める。

 3・城で色々
 城で出来る事は以下の3択。
 ・オークションの公開
 ・泥棒で変態コレクションを盗む
 ・探偵を使って泥棒を捕まえる
 オークションの公開は最低3枚以上の「連続した」変態コレクションを持っていなければ出来ない。バッティングした場合、公開した枚数が多い人2人が先に進める。
 泥棒を使って変態コレクションを盗むのは、誰かが変態コレクションを公開している場合にのみ発動する。これはオークション会場と一緒。複数人が変態コレクションを公開している場合、駒が進ませられるプレイヤー全員から盗める。泥棒がバッティングしている場合はオークション会場と違い、泥棒に書いてある数字が大きいプレイヤーから先に盗める。
 探偵を使って泥棒を捕まえるのは、誰かが泥棒を出していないと効果が発動しない。誰かが泥棒を出していれば、その泥棒を捕まえる事が出来る(泥棒の効果は発動する)。泥棒は(同時に捕まった場合は数字が小さい順に)牢屋にブチ込まれ、後から泥棒が入って牢屋が一杯になると一番前にいる泥棒が押し出されて釈放される。で、探偵が泥棒を捕まえると駒を進ませる事が出来る(今の順位の分だけ)。
 これを繰り返して、誰かがゴール(その後もマスがある)したら最終決戦をして、一番多く進んだ人の勝利。

 感想。
 ジャンケン+双六。
 評価が割と極端に別れているのを見るが、基本的にはプレイ人数のせい。
 これはバッティングしまくる5人、最低でも4人じゃないと中々面白さが分かり難いだろう。3人でも「如何に一人でプレイするか」と言う、ちょっと違った楽しみ方があると思うんだが。
 完全に読み合いのゲームなので、初心者にはパーティーゲームっぽく、ゲーマーには読み合いを楽しむゲームとして楽しめる。
 シンプルな読み合いをするゲームなので、「読み合いのシステム(と言うか考え方)」を学ぶには丁度良いんじゃなかろうか。そうするのであれば、ラウンド毎に「何故そう思ったか(感想戦)」をお互い言い合うのが良いだろう。ちょっと推理と観察をすれば相手の思考が透けて見える、と言うのが良く分かる。まぁだからこそブラフの意味があるんだが。
 そう言う意味では一本のゲームで初心者用からランクアップしていく事が出来るので、使い勝手が良いかもしれん。デカいけど。カタンやカルカに匹敵する初心者用ボードゲーム…かな。
 まぁでも「読み合いの判断規準がボード上に無い場合が多い」ので、ゲーマーズゲームでは無い。やっぱり基本パーティーゲーム的なノリ。
 このテのバッティングゲーではかなりお勧め。ルールもシンプルで分かり易いし。


 ・クレイジークッキング・・・プレイ人数2~5人
 又の名を余計な料理人。
 クニッツィア先生のストップ系トリックテイキング風カードゲーム。
 ゲームは5日間に渡って行われる。
 初期手札13枚(5人プレイの場合はちょっと違う)の食材カードを配り、1日につき一つのメニューカード(マッシュルーム・オニオン・豆・唐辛子・料理作らない)を選び、ゲームスタート。
 自分のターンに出来るのはカードを一枚出す事のみ。で、その合計値が10以上になる様にカードを出したプレイヤーがその場にあるカード(トリックと言う)を取る。次にカードを出すのは直前にトリックを取ったプレイヤー。
 で、カードを出すルールは
 1・基本的に最初に出したカード(マッシュルーム・オニオン・豆)と同じ種類を出さなければならない。手札に無い場合は他の種類のカードを出しても良い。
 2・唐辛子が出た場合、「全てのプレイヤーが」好きなカードを出しても良くなる。
 ボイルオーバーとか10点カードとかあるが、基本はこれだけ。
 誰かが手札を使い切ってから1周したら、そのラウンド(1日)は終了。以下のルールに従って得点計算をする。

 ・豆・マッシュルーム・オニオンの場合…対応する食材カードの枚数-唐辛子カードの枚数
 ・唐辛子の場合…唐辛子カードの枚数-ブイヨン(各食材の0点カード)の枚数
 ・料理作らない場合…5点-そのラウンドに取ったカードの枚数

 そのラウンドで使ったメニューカードをゲームからリムーブして、ラウンド終了。これを5回(つまり、メニューを全部使い切らなければならない)行い、最も得点の高いプレイヤーの勝利。
 感想。
 何故かトリックテイキング系のゲームが一切無かったので、トリックテイキング風のコレを買った。七つの印も欲しかったんだが、どこ探しても無いんだよなぁ。
 でもそこはクニッツィア先生、ただのトリックテイキングじゃありません。いかにもクニッツィアらしいシンプルなのに複雑なゲーム。でもやる事はカードを出すだけだし、ルールのお陰で制限がキツく、プレイヤーの考える要素が減った事で初心者にも取っ付きやすくなっている。流石はクニッツィア。
 2人でも出来るトリックテイキングと言う珍しいゲーム。プレイ人数は2~5人だが、何人でも楽しめる。3人プレイの時はコンビプレイに回し打ちされたが。
 朋友と会う時に持って行くかどうか(ロストシティ・メディチ家とストロッツィ家のどちらかと差し替えるかどうか)迷ってる。どっちもやりたいしなぁ。
 2人プレイの時は某氏のヴァリアントルール(メニューカードが再利用可能、3日でゲーム終了)の方が良いかも。ノースープのタイミング如何によっては即死しかねない。
 まぁ取り敢えずお勧めのゲーム。サンファンと同じ様な扱いかな。
 と言ってましたが、同じクニッツィアのトリックテイキングではポイズンの方が今は好きです。


 ・ケイラス~その1~
 文体もそれ(これは朋友に送った文章を某所に掲載した文章)に合わせて適当に変更してるので、適当に変換し直して読んで下さい。
 ケイラスについて。
 細かいルールは大変面倒(1からインストしたら下手すりゃ一時間近くかかる。買ったのが某店の中古だったから(まぁ定価の半額だから仕方無いか、と思うが)か、BSWのルールしか添付されて無いから更に困難に。)なので、リファレンスシート参照の事。BSWのルールだけではキツかった。例外的なルール処理とか端折られてる(プログラムが処理してくれるからだろうが)ので、BSWのルールだけでやるのは正直軽い拷問。人数分のリファレンスシート必須。だから俺に聞く前に先ずは手前のリファレンスシート見ろと何度言えば。
 職人を空きマス(建物)に置いてそのマスの効果を発動させて資源を生産したり新しい建物を建設したりして城の建築を手伝ったりして、それを勝利点に変換する。
 王の恩恵を得るとお金や名声ポイント(勝利点)や資源や建物にボーナスが。超重要。得る手段は槍試合場かそのラウンドの城の建築数トップ。
 ラウンドの進み具合は行政官次第。監督が基本嫌がらせ用なので、潰し合いが増えればターン進行が遅れる。建築型が多いと早くなり易い。
 以上が簡単な説明。以下感想と言うかネタ。

 基本的に戦術は
 ・城建築型
 ・建物建築型
 の2パターンに別れる。
 この前プレイした時は気付かなかった(終盤で気付いた)が、王の恩恵は何度でも得られるので、超重要。そりゃ建築の恩恵は強いわ。
 多分恩恵の有効度は
 建築>勝利点>資源>お金
 建築の恩恵は強い。序盤から終盤迄使えるし、他と違って直接勝利点には結びつかない(★著者注:嘘。結びつきます。建築したら勝利点貰えるんだから当然)が、邪魔されずに(割引コストで)建設出来る。序盤に2段階目迄行けば割と御無体なプレイが出来るが、資源調達がキツいので痛し痒し。未だ石の建物を物理的に建てられない筈なのに建てられる、とか言う物理法則を無視したプレイが出来たり出来なかったり。城建築型でも悪く無い。建物建築型はマストじゃなかろうか。
 勝利点の恩恵はプレイそのものには変化をもたらさないので、序盤に恩恵を得ても嬉しく無いのが弱点。が、中盤以降は一気に大量の勝利点を稼げる(最大で槍試合場+城の建築ボーナス+中間決算ボーナスで15点入る)のが強み。純粋に勝利点を稼ぐのみなら最も効率が良いんじゃ無かろうか。序盤はお金や資源辺りの恩恵で手番を回し易くして、中盤以降に一気に稼ぐのが理想か。
 資源の恩恵は金(≠お金)。何よりも金。次に食料か。金は得られる建物がゲームを通じて最大でも3ヶ所(2ヶ所、下手すりゃ1ヶ所(金鉱のみ)のみ、と言う事もあり得る)しか無いので、供給出来る場所は重要。立ち回り方によっては1ラウンドで(合計で)3つ4つ得る事も可能になる。食料は城建築型プレイヤーが被ってる場合には押さえられて得られ無い場合もあるので、次善の策としては有効。
 お金の恩恵は最終的に勝利点に結びつき難い(効率が悪い)ので低い評価だが、円滑な手番回しの為には割と重要。特に序盤はお金を得るのが難しく、交易所は大概取り合いになるし、市場は資源を売ってお金を得るので、基本収入以外でお金を得る手段と言うのは重要。

 特別な建物について。
 門は基本城に配置する用。城に最後に配置すれば他のプレイヤーの動向を見てから建設出来るので、割と有効。それ迄のプレイヤーより多く建設しないといけないので、資源がそれなり以上にある事が必須だが。
 交易所は強い。大概取り合いになるので、取れればラッキー、位でも良い。
 商人ギルドは基本嫌がらせ用。資金効率的には実は交易所とタメはる(3マス移動の場合)位に良いので、他のプレイヤーの動向を見つつ。建築型のプレイヤーが多い場合は前に進ませても良い。
 槍試合場も強い。大抵交易所以上に強いが、1ドニエ+布1が要るので序盤のご利用は計画的に。
 馬小屋は2人プレイでは使わない。でも解説はする。3人以上のプレイでプレイ順が変わるのはこれを使った時のみ。プレイ順最初=好きな所に置けるので、かなり重要。が、今(このラウンド)の一手番のロスは割と痛い。
 宿屋は中盤以降のお金に余裕が出来た時に一気に使い勝手がアップ。何せ相手がオリた後も1金で済む。理想は相手が金が無い時にとっととオリさせて自分だけ置きまくり。

 建物の活動について。
 監督のいるマスの先にある建物は活動しないので、自分だけが前の方の建物に職人置いてると痛い目を見るかも。これを回避する為には出来るだけ自分が最後にオリる事だが、それには金が要る。ラムと名誉みたいな嫌な譲り合い(誉め言葉)が楽しめる。いやいや、次は貴方の番ですよ。私は未だオリません。
 基本的には中立→木→緑(邸宅)→石→青(金)と進んでいく。中立の建物は弁護士が建つとポコポコ邸宅化されたりするので注意。これを利用して相手が欲しがっている中立の建物(食料や布が出る所が狙い目)を邸宅で潰してやったり出来る。自分の建物でしかその建物を生産出来ないとかだと尚良い。資源1を6金に変える市場はかなり強いので、出来れば建てたプレイヤーが次に初手で取る様にしたい所。
 行商は使い勝手が良いが、その分狙われ易い。計算に入れた手番回しを考えてると痛い目を見たりする。
 教会は金で名声ポイントが稼げる。要は免罪符。後半は邸宅や図書館・ホテルを建てまくってると金が余り気味になる事もあるので、これを勝利点に変換してやると良い。
 仕立屋は邸宅をある程度建てたら中盤以降余り気味になり易い布で名声ポイントが貰える。教会とどっちを取るかはプレイスタイルで。
 銀行・錬金術師はどっちも金を得る。銀行はお金、錬金術師は資源で。これもどっちを取るかはプレイスタイル次第。
 戦術論は長くなりそうなので先ずはこれ位。
 1~2度やっただけではこの程度か。2人だとインスト省けば2時間以下で出来る。3人だとインスト込みだと3時間軽く越えると思うが(★著者注:インストに手間取ったから実際は4時間近くかかった)。まぁ初期配置以外完全アブストラクトなので、その辺はプレイスタイル次第。俺は基本長考反対(面倒だからと言う話もあるが)だから多分朋友と2人でやれば1時間半位で済むんじゃないかなぁ(★著者注:やっぱり初回は2時間かかりますた)。まぁ考えれば考えるだけ最善手に近付けるゲームなので、その手のプレイヤー(≒ゲーマー)だと時間がナンボあっても足りないんじゃないかと。サムライと違って「(最終的には)考えても仕方が無い」訳では無いのがタチが悪い。まぁその辺は適当にやるのがミソ。最善手考えるのはゲームが終わってからでも出来る。それをするならプエルとリコみたいに棋譜を作るのが一番。俺は戦術論こねくり回す位で良いからそこ迄する気は無いが。
 まぁルールの一貫性なんかも含めたゲームとしての完成度はプエルとリコの方が高い。ケイラスの方がほぼ完全アブストラクトな癖に混沌とし易いので、俺はケイラスの方が好みだが。余談だが、最近迄ルールとしての完成度が最も高いのはモダンアートorトーレスだと思ってたが、メディチ家とストロッツィ家に変更。
 2人なら週1ゲーム会(仮)でもちょっと頑張れば出来る位。3人以上だとやはり3時間は欲しい所。慣れたら2時間、かな。


 ・ケイラス~その2(プレイ感想等)~
 コンボ決まった。レシピは
 槍試合場と城建築で王の恩恵取る→槍試合場の王の恩恵で1→6市場のタイル、城建築のボーナスでドニエ→資源1:1交換のタイルを建築、次のターンの槍試合場で教会を建築
 約1.5ターンかかるコンボで、次のターンから
 資源一つ→6ドニエ→資源2つと4ドニエ→資源2つと勝利点5点
 となる。見よこのわらしべ長者。
 途中のどこかを取られても自分の建物なので勝利点は入るし。ドニエが欲しければ途中で止めても良いし、貰う資源や勝利点を減らしても良い。

 感想と言うか。
 やはり建築ー資源ボーナス型が一番楽だなぁ。やりたい事が一番しやすい。
 一般的な大戦略を王の恩恵で分けると、
 ・建築ボーナス型
 ・勝利点型
 に分かれるだろう。一応王の恩恵を使わない、と言う手もあるが、ちょっと微妙。
 建築ボーナス型は建築ボーナスでローコストで建物を建て、大量の建物を建てる事による勝利点ゲットを目指す。
 勝利点型は勝利点ボーナスをとっととマックス迄上げてゴリゴリ勝利点を稼ぐ。
 勝利点型は資源とドニエが安定的に得られらないと厳しい。ので、足りない方を王の恩恵でフォローしつつ、と言う形になるだろう。序盤を如何に耐え凌ぐか、が肝になるんじゃないかなぁ。
 建築ボーナス型は基本的に最序盤(2番目の建築ボーナスを得る迄)さえ何とかなればいくらでも手が打てる、と言う手広さが最大の特徴。俺がやったみたいに教会で稼いでも良いし、某君がやったみたいに銀行やアルケミストから金を得まくっても良い。建築ボーナスは殆ど何でも(木製・石製・邸宅…は始めから布だけで良いが)資源一つで建てられる様になるし、自分が建てた建物を他のプレイヤーが使った時に得られる勝利点も大きくなる。
 と、良い所ばかりの様に見えるが、無論問題もある。皆がこの戦術を選び易い為、欲しい資源や建てたい建物が被り易くなる。
 と考えると、先ずは建築ボーナス型で動いて、状況を見つつ勝利点型に移行、となるんだろうか。
 勝利点型だと、毎ターン、
 ・城建築用の資源(出来れば2軒分=食料×1を含む資源3種類(3つ)×2)=資源×6(食料×2は必須。その他の資源を城が建設出来る様に)+布×1
 ・毎ターン最低5~6ドニエの定期収入
 は欲しい。これで王の恩恵を2回(異なるフェイズで)貰えるので、勝利点を10(~4点)得る事が出来る。
 資源は最低城1軒分、門から城に職人を投入する可能性も鑑みると出来れば2軒分必要になる。それに槍試合場の分を足して、4つ~7つ。
 収入は
 ・城or門
 ・資源産出建物×2~3
 ・槍試合場
 には最低でも職人を置きたいので、4~5ドニエ、更に槍試合場での1ドニエを足して、5~6ドニエ、となる。
 無論これを毎ターン達成するなんざ狂気の沙汰(世の中そんなに甘くない)なので、これを2ターンに1回位達成出来ないかなぁ、と言った辺りが現実的かつ妥当な戦術目標か。それでも城の得点と合わせれば、大体1ゲーム12~14ターン程度なので、まぁ成功すれば最低60~70点は取れる。
 が、実際のゲームでの建築ボーナス型の勝者の勝利点は80点後半(朋友とやった時は朋友、某君とやった時は俺の点数。ちなみにどっちも88点)なので、ちょっと足りない。
 これに中間決算の時の王の恩恵を足して、城を2軒作るターンを何度か作って、何とかギリギリ、って所か。
 建築ボーナス型は大雑把に分けて
 ・教会で勝利点がっぽがっぽ
 ・「今は守銭奴の様に金」
 ・青建物を建てる
 の3パターンに分かれる。
 教会型は出来るだけ早く教会を建てたら、後はドニエを貯めて教会に注ぐ。でも毎ターン5点なので、+αが欲しい。銀行も建てて金にあかせた成金(セレブw)プレイとかしても良いだろう。ドニエは交易所、市場(1→4金、1→6金)、王の恩恵を使って稼ぐ。2人プレイなら中盤以降は楽に6ドニエ以上は稼げる筈。
 「今は守銭奴の様に金」は朋友とやった時は俺が、某君とやった時は某君がやって失敗した戦術。金を産出する建物、金鉱、王の恩恵を使ってひたすら金をゲットする。2回共に8個ゲット(勝利点24点)した。両方共に勝ちを逃しているが、大した点差では無いので、決して悪い戦術では無い。
 で、青建物を建てる戦術。結局これで朋友と俺が勝った。
 戦術的にはバランス型に近い。青い建物を1~2軒建てるのが目標。教会もそうだが、王の恩恵が付く建物を利用しつつ、と言う形になり易い(資源ボーナスを取りに行く場合)。槍試合場で建築ボーナス(アップデート)→建物の恩恵で金(資源ボーナス)→城建築→建築ボーナス(アップデート)→建物の恩恵で金(資源ボーナス)→とか言うアレな事も出来る。近い事はやった。青い建物はアップデート専用なので邸宅を建てる必要があるが、これは有限。この辺の調整も必要になる。まぁこれは建築ボーナス(邸宅建築)→建築ボーナス(アップデート)とかで対処出来るが。
 金を3つ程度、他の資源(石が必要な場合が多い)が一杯(7つ位)あれば青い建物が2軒は建てられるので、必要な資源が比較的楽に揃えられるので、戦術に柔軟性がある。この段階に来る迄に、

 必須
 ・邸宅
 ・生産施設を1~2枚(石製が望ましいが、木製でも可)
 出来れば欲しい
 ・1→6市場
 ・金を獲得出来る建物(銀行、アルケミスト等。王の恩恵(資源)で自力で必要数を揃えられるのであれば必要無い)
 があれば十分。
 それ迄のプレイでは中立建物を全部邸宅に変えていたので、某君とのプレイではわざと邸宅の数を少なめにしてみた。1→6市場さえ建てれば割と何とかなった。が、アップデート用に出来れば1軒は建てておきたい所。自分が所有する建物も邸宅にアップデート出来るが、まぁこれは後半になってから。中立建物を邸宅にアップデートするのはそこ(の中立建物)で出る産品を出なくする、と言う意味もある。他のプレイヤー(特に勝利点型)を縛るのにも使えるし、「痛いか?先生も痛いんだ!」式にも使える。
 大体こんな感じかな。未だ語りたい事は尽きないが、今回はこんな感じで。

 その1と被ってる所もありますが、ご容赦下さい。


 ・ケイラス~その3~
 実験>挨拶
 一人ケイラスで実験してみた。
 結果。
 ゲーム終了図は省略。
 点数は赤:青=145:143でかなりギリギリだった。結論から言うと、条件付きだが、勝利点型もアリ。
 今回は、
 赤=建築ボーナス型(バランス型)
 青=勝利点型

 でプレイした。
 赤は1→6市場から生産施設、邸宅に繋げて、豊富な資金を教会・銀行で使って複数の青建物で〆る形。
 青は赤のおこぼれにあずかりつつ、城を建てまくって得られる勝利点を勝利点ボーナスでブーストする。
 
 今回は理論値を調べたかったので、どちらもお互いを締め上げ無い様にした。
 序盤はお互いチマチマ資源を稼ぎつつ、王の恩恵を取りに行く。
 赤は取り敢えず王の恩恵は建築ボーナスに当て、速攻で1→6市場を建てる。
 青は序盤の王の恩恵はドニエや資源に回しつつ、一度目の中間決算直前の王の恩恵で勝利点→中間決算のボーナスで勝利点ボーナスを2にする。
 中盤は、赤と青で全くと言って良い程方針が異なる。
 赤は王の恩恵で生産施設を建てて、生産施設がある程度の量になったら邸宅→教会・金を生産出来る施設にシフトする。
 青は勝利点ボーナスをマックス(この時点では4)にして、城建設ブーストに拍車をかける。この時点で城建設(×1)+王の恩恵で8~9点入る。一番ノッてる時期で、赤の勝利点を追い越したりしていた。
 終盤は大量得点で逃げ切ろうとする赤を青が何とか追い込もうとする展開。
 赤は金を生産出来る建物(今回は銀行)や金鉱を利用して、王の恩恵を取れるターンは出来るだけ毎ターン青の建物を建てようとする。
 青は城建設に全力を注ぎつつ、出来るだけ赤に王の恩恵を取られない様に立ち回る。余裕があれば金鉱や銀行を押さえるのも有効。

 で、やった感想。ちなみに時間は1時間半。ノートルダムと違ってノーマルなプレイと大して差が無かった。途中で新しく買った本読んだりしつつ、だから実質1時間程度なので、若干早くはなってるが。ノートルダムみたいに(3人プレイの)3分の1以下、とか言う訳では無い。
 赤(建築ボーナス、バランス型)側からすればもうちょい生産施設を建てても良かった。青の建物は大量に資源を消費するので、資源があって困る事は無い。後半に城を建てつつ青い建物を建てる、が出来れば強い。つか鉄板。
 銀行と教会の同時プレイは流石にキツかった(そこだけで毎ターン9ドニエかかる)ので、どちらかを産品でやる様に(アルケミストか仕立て屋か)すればもうちょい楽になる。そうする為にはやはり産品が要る。このタイプが一番伸び易いので、基本的に他のプレイヤーを潰しに回るより自分の手を伸ばす方が良い。

 青(勝利点型)は産品の安定供給、ドニエの大量獲得手段(具体的には1→6市場)が双方共に揃って回りだした場合のみ、建築ボーナス型と初めて互角に戦える。
 逆に言えば、どちらかを建築ボーナス型が「建ててくれないと」途端に厳しくなる。やはり王の恩恵によるドニエ、資源の獲得はかなり重要だと言える。特に中盤。理由は後述(★著者注:後述するの忘れてたな。まぁ要は中盤は資源獲得競争で赤とバッティングしてドニエや資源が取れない場合が多いから確実に取れる場所を作っとけ、と言う事)。
 相手を潰し易いのは建築ボーナス型(邸宅で生産施設や1→4市場を潰し易い)だが、「仕事をしなければならない」のは寧ろこっち。伸び白は建築ボーナス型の方が大きいので、如何に「好きにさせないか」が重要になる。
 ゲームプランとしては、序盤は全般的に王の恩恵を伸ばして中盤に備え、中盤で一気に建築ボーナス型に差をつける。で、終盤はゲームが早く終わる(終盤自体を少なくする)様にして、建築ボーナス型に出来るだけ青の建物を建てさせ無い様にする、と言った形になるか。
 まぁ細かい手番回しについては色々あるが、取り敢えず大戦略としてはこんな感じじゃないかなぁ。建築ボーナス型は戦術が柔軟に組めるので、いくらでも派生させられそう。大量の布+仕立て屋+アルケミストとか。

 とうとう一人ケイラスとかやっちゃったよコイツ。
 ソロプレイは「一人で出来るゲーム(競りゲーとか一人でやっても単なる変態なので)」限定で結構やってます。主としてノートルダムだが。早く終わるから何度も回せるので、戦術チェックには丁度良い。


 ・コロレット
 プレイ人数は3~5人(2人プレイも可能)。使うのはカード7色(3P時は6色)×9枚と何色にもなるジョーカーと2点カード。
 プレイヤーの人数だけ「列」を作り、プレイヤーはカードを引いて列に並べるか1枚以上カードが並んでいるどこかの列を取るかを選ぶ。一つの列には3枚迄しかカードを並べられない。列を取ったらそのプレイヤーは一旦ゲームから抜ける。全員が列を取ったら再度列を作り直してプレイ再開。
 で、下から15枚の所に仕込まれたエンドカードを引いたら、そこから1ターン全員がプレイして糸冬。
 得点はプレイヤーが選んだ(=取った数が多い)3色が+、それ以外が-で計算して、一番点数が高いプレイヤーの勝利。
 シャハトの2択を体現した様なゲーム。これを発展させた「ズーロレット」が今年SDJを取りました。
 3人プレイ時と5人プレイ時ではプレイ感がまるで違います。5人プレイ時は延々と潰し合い。
3人プレイ時はラウンド数自体がかなり多いので同一色を3~4枚揃えたら1枚しか無い列を取るのもアリですが、5人プレイだとラウンド数がかなり少なくなるので出来るだけ引き伸ばして1ラウンドでの得点を伸ばす様に動くべき。始めは3Pと5Pでプレイ方針を変えるつもりでしたが、5P時も3P時と同じプレイ方針でやってみた。3P時は36点で1位だったが、5P時は15点位で最下位。4P時はどうなるんだろう。
 イシスオシリスが苦手な人にはこっちがお薦め。プレイ時間は何故か無駄にかかったが、普通にプレイすれば1プレイ10分位のゲーム。中毒性が高いのでヘビーローテーションでプレイするゲームな気が。


 ・サムライ
 クニッツィア大先生の傑作。
 軽くやると軽く見えるが、実はゴン重いゲーム。下手すりゃ一手5分とか10分かかっても不思議じゃない。まぁ俺は長考反対だからそんな事はしないが。
 サムライは田・地蔵・寺の3種の宝を取り合うゲーム。どれか一種類の宝で最高得点を稼いでいないと優勝争いに絡むことすら出来ません。クニッツィアらしい得点方法なのがややこしい。
 各プレイヤーは20枚の駒から初期の5枚を選びます。選べるのはこの5枚だけで、残りはランダムで引く事になります。
 駒には上記3種に対する影響力(2~4)が書いてあるものの他、オールマイティーな駒や海に置ける駒、宝の位置や駒の位置を交換出来る駒があります。
5枚の駒を選んだら先ずは初期配置。宝を一人一つづつ(江戸は始めから3種全て置いてあるので例外)全国の町や村に置いていきます。普通は一つの村につき宝一個ですが、秋田と京都は大都市なので宝が2個置かれます。
 初期配置が終わったらゲームスタート。
手番に出来る事は基本的に駒をどこか一ヶ所に置くだけ。駒の下に「侍」と書いてある駒は追加で置けます。
 で、どこかの町や村が全て駒で囲まれたら決算。その村に置いてある宝に対して最も影響のある(駒に書いてある宝に関連する数値が高い)人が宝を取ります。
手番の最後にハンドが5枚になる様にランダムに駒を引きます。駒と取った宝は非公開。
以下繰り返し。
 こう書くと陣取りゲーの様に見えますが、芹ゲーだと考える方が理解し易いです。
 普通の芹ゲーと違うのは毎回の競りで払ったお金(駒)が帰って来ない事。このルールのお陰でリソース管理が大変な事に。
 ハイパーロボみたいに手番毎の思考時間を決めた方が良いと思う。
 他人との絡みは侍が書いてある駒で奇襲して他人の狙ってる宝を横取りしたり宝を入れ替えて悶絶させたり駒を入れ替えて一気に大量に宝を奪ったり。全部某氏にやられますた。
 クニッツィアらしい得点計算方法。これは後のチグリスユーフラテスに引き継がれてる。
2・3・4人でそれぞれ変わるゲームスペース(本州~四国・北海道が加わる)、日本語で書かれたコンポーネント、秋田辺りにフジヤマがあったり江戸・京都・秋田が主要都市だったりする素敵マップ。日本語だから分かり易い・・・かな。
問題は相手の手札が非公開なので、考えだすと止まらないので適当な所で切り上げる必要がある点。つかある程度思考が進むと考えるだけ無駄。相手のハンドを読みましょう。今回(某氏とサシでやった)は見事に読みミスって江戸包囲戦にボロ負けしたのが直接の敗因だが、まぁそれはそれ。
 初期手札の選択はかなり悩ましい所。インスタント1侍は絶対必要だと思うが、それ以外が問題。今回は田・地蔵・寺の各3と船と宝交換(駒交換だったかも)を選んだが、インスタント1侍と3種類の各2、2侍辺りが良い気もする。ん~。悩ましい。
 とにかく考えるゲーム。初期手札で考え、駒配置でも考え、勿論各ターンでも考え・・・しかも運が絡むので考え出すとキリが無い。どの辺りで切れるか、が勝負かなぁ。
 今迄数十回しかやってないので、もっと数やらないと纏まった結論は出ないと思う。ある意味チグリスユーフラテスにも近いゲームなんだが、これだけ感触に差があるのは何故だろう。やっぱ戦争関連だなぁ。サムライの方がシンプルにクニッツィアジレンマを出してると思うので俺はサムライの方が好きだが、評価は分かれるかもしれん。


 ・サンファン
 一部のヘビーゲーマーに非常に人気の高いプエルトリコのカードゲーム版。プエルトリコを「世界で最も面白いボードゲーム」と評した人もいた(具体的には某サイトの人)が、俺はブルームーンシティー。まぁ気持ちは分からいでは無いが。
 劣化版プエルトリコと言われたりしている可哀想な子だったり、俺自身がプエルトリコを好きじゃ無いせいもあって半年以上放置プレイしてたりしたが、最近はメインに。
 先ず結論から。
 サンファン≫プエルトリコ。
 2人用のカードゲームでは魔法の剣と竜の卵と並んで、ベストと言って良いんじゃなかろうか。
 ルールは基本プエルトリコのカード版。差は
・勝利ポイントがゲット出来るのは建物からのみ(出荷では得られ無い)
・終了条件が建物を12軒建てる事のみ(奴隷切れの削除)
・奴隷の代わりにカードを使う(基本的に各種処理は全てカードで行う)
・出荷(=販売)に関する制限が無い
と言った所か。
 最初にインディゴ畑とカード4枚を受け取って、ゲームスタート。
 手番に出来るのは「役割を選んで、その役割で出来るアクションを各プレイヤーが実行する(その役割を選んだプレイヤーには特典がある)」事のみ。2人プレイだとターンプレイヤーが2回出来る。
 役割は以下の5つ。
・監督・・・生産物(インディゴ・砂糖・タバコ・コーヒー・シルバー)を一つ生産する。特典は追加で一つ生産する。
・商人・・・生産した生産物を一つ販売する。特典は追加で一つ販売する。
・建築士・・・建物(生産施設or各種ボーナス付き(紫色の)建物)を1軒建てる。特典は建設コストが1安くなる。
・参事会議員・・・カードを2枚引いて1枚選び、残りを捨てる。特典は追加で3枚引ける(選ぶのは1枚)
・金鉱掘り・・・特典のみ(他のプレイヤーは何も無い)で、カードを1枚引ける。
で、これらのアクションを実行していき、いずれかのプレイヤーが12軒の建物を建設したらゲーム終了。その時点での勝利ポイントが一番高いプレイヤーの勝利。
 実は2004年のゲーム賞2位(1位はサンクトペテルブルグ、3位はゴア、4位はアッティカ、5位はクニッツィアの頭脳絶好調、6位はチケットトゥライド、7位はマハラジャ(クラマー、キースリング(トーレスやティカル)のコンビ)、8位は暗黒の大広間(電力会社のデザイナー)、9位はハンザ(シャハト)、10位はシャングリラ(クラマー))だったりする。
 このゲーム、最適プレイ人数は明らかに2人。理由は簡単で、主要な勝ち筋であるギルドホールと市役所のどちらも選べる可能性があるのは2人プレイだけだから。3人以上だとどちらかの戦略を選べ無いプレイヤーが出てしまい、このゲームの最大のウリである「好きな事が好きな様に出来る」が生かせないから。3人プレイ以上でやって面白く無かったと言う人は一度2人プレイでする事をお勧めする。以下は2人プレイ時の感想。
 最近一番のヘビーローテーションなゲーム。慣れれば1プレイ30分以下(2プレイで50分位)で済むのが素晴らしい。
他プレイヤーとの絡みは殆ど無い(多少はあるが)ので、多人数ソロプレイと言われる。
だがそれがいい。
 カードゲームと言えばローゼンバーグやシャハトがパッと思い浮かぶが、やるじゃないかザイファルト。マンハッタンだけの一発屋、と言う認識を改めねばなるまい。
 やりたい事を(ほぼ)やりたい様に出来るゲーム。
 あれこれ思い悩まずにサクサク進む。素晴らしい。
 考えるのは基本的に自分のハンドを如何に効率良く運用するか、と言う部分のみなので、リソースマネジメントに集中出来る。
 カラオケボックスみたいな雑音の中でも問題無く出来るのも+要素。
 コンポーネントもほぼカードだけなので、小さいMTG用のデッキケースに(スリーブに入れなければ)余裕で入る位。
 本番前の軽く一回、外で落ち合ってやる時に、初心者用に、等々。用途の広いゲーム。
 じっくりやるゲームで良いモノ(モダンアート、ブルームーンシティー、トーレス、サムライ)はそれなりにあるので、これ位の軽さと時間の短さでサクサク出来るモノが欲しかった。ローゼンケーニッヒとかバベルはもうちょい時間かかるから1時間で2プレイはキツいんだよねぇ。直に買う予定のロストシティもこのカテゴリーに入る筈。
 最近はちょっとある人の影響で感想が変わった。3人以上でも楽しめるそうです。
 で、初心者用と言ってましたが、訂正。コレ初心者がやっちゃダメだ。各カードの効果を覚えた上で、縦のシナジーや横のシナジーを考えながら役割を選んだりハンドマネージメントをしたりしなければならない。経験者と何回もやってボロ負けしながら少しづつゲームの仕組みを覚えていくゲームなので、周りに経験者がいたり、一緒に研究する仲間がいるのが必須。自力で研究するのはかなり難しいです。かなりのゲーマーズゲーム。


 ・ジンギスカン
 ジンギスカンと言ってる癖にチンギスハーンとは何の関係もありません。モンゴリアンはいるけど。
 ちょっと分かり難い説明になってるのはある理由によります。
 最初は規定の位置に万里の長城を建ててゲームスタート。
 自分のターンには
・長城駒かチップを合計2つ(長城駒×2orチップ×2or長城駒×1+チップ×1の3択)取る
をして、
・手元にある長城駒かチップを「全部」プレイする(ラストターン以外は0個プレイは禁止)
をする。順番はこの通り。つまりターンの最後には手元にある長城駒かチップかのどちらか一種類は必ず0になっている。
 で、プレイの仕方は、長城駒は今ある万里の長城と接地している場所に建てられる。もし建てた事によって以前の万里の長城より長くなるルートが完成したら、以前のルートにあった長城駒はストックに戻る。同じ長さの場合は前に建てた方が優先され、後の建てた方のルートにあった長城駒がストックに戻る。
 尚、長城駒を置く時は全部「開いた状態(凹みが下になってる状態)」で置く。チップ(中国兵・モンゴリアン・呑百姓・ペスト、草)は自分の斥候駒が移動した下に一つづつ置ける。
チップの所から。チップ(中国兵・モンゴリアン・呑百姓・ペスト、草)は自分の斥候駒が移動した下に一つづつ置ける。
 斥候駒が移動出来るのは、
・万里の長城と接していない場合は、上下左右
・万里の長城と接している場合、万里の長城が開いている場合、好きな位置迄万里の長城を渡って、どちらかの側に出る事が出来る。その後、入った所と出た所の長城駒を「閉じた状態(凹みが上に来る様に置く)」にする。閉じた状態の長城駒からは入る事も出る事も出来ない。
これらの行動を繰り返す。尚、自分が支配している(自分の色のチップが一番上にある)村は、下に何のチップが置いてあるか見る事が出来る。
 チップが全部無くなった(終了条件は2つある)りしたらゲーム終了。
 万里の長城から見て、
モンゴル側にあるモンゴリアンは、+3点。中国側にあると-3点。
中国側にある中国兵は、+3点。モンゴル側にあると-3点。
農民は、どちら側にあっても+1点。
ペストが置いてある村は、全てのチップがマイナスに、
薬草が置いてある村は、全てのチップがプラスに、
ペストと薬草が置いてある村は、効果を打ち消し合い、ペスト・薬草を無かった事にして計算する。
 で、合計得点が高いプレイヤーの勝利。
 要は自分の支配する村の得点を上げるゲームなんだが。
 万里の長城を動かして所属陣営そのものを変えてしまったり、ペストや薬草によって得点計算の方法そのものを変えたりする。
 特定の村を支配し続けるのはルール的にほぼ不可能なので、相手にマイナスの村を押し付ける事が重要になる。
 ルールの説明自体は実は簡単だが、実物を見ながらじゃないと実際の動きを掴みにくい。
一度ゲームの流れを掴んでしまえばゲーム自体はサクサク進む。初回プレイでインスト含めて30~40分で最終局面になる。
 が、問題はこっから。
 最終手番のプレイヤーはかなりご無体な事が出来るので、手番の譲り合いになる。長さチェックで短い方、或いは同じ長さの場合後に置いた方がストックに戻るので、万里の長城の状況次第では長城駒を取る→長城駒を建てる→ストックに戻る、のループが延々と続く事になる。この辺のルーリングがちょっと微妙。
 ゲーム自体は一見覚えゲーに見えるが、ブラフや陣取りの要素も絡んだ、色んな要素を楽しめるゲーム。一時間以下と言う短さにしては破格のゲームと言える。流れさえ掴めば初心者にもすんなり理解出来るし。終戦処理さえすんなりいけば、かなり良い買い物だと思う。


 ・ズーロレット・・・プレイ人数2~5人
 今年のボードゲーム大賞受賞作、ズーロレットです。
 デザイナーのシャハト、メーカーのアバクス共に初の受賞となる。

 プレイヤーは動物園の園長になって、動物を引き取ったり売り払ったり(正確には買い取って貰ったり)しながら、動物園を発展させていく。
 プレイヤーには3つの檻と4つの売店、飼育小屋があるボードと、拡張ボード(お金を払う事で使える様になる)が渡される。これがプレイヤーの動物園になる。
 手番に出来るのは以下の3つのアクション。

 ① タイルを一枚引く。
 ランダムにタイルを一枚引く。タイルには、
 ○動物タイル(8種類(人数によって異なる)×11枚)
 ○売店タイル(4種類×3枚)
 ○お金タイル(12枚)
 がある。動物タイルは人数によって5(2人プレイ)~8(5人プレイ)種類使う。
 で、タイルを引いたらそれを(最初は)人数分場に出ているトラック(1つにつきタイル3枚置ける)に置いていく。場に出ているトラックが全部タイルで一杯だとこの行動は選択出来ない(タイルの置き場所が無いから)。

 ② トラックを引き取る。
 最低1枚以上タイルが置かれているトラックを引き取り、一旦ゲームから抜ける。全員がトラックを取ったらそこでラウンドが終了し、次のラウンドに移る。空の(配置し終わった)トラックを場に並べて、直前のラウンドで最後にトラックを取ったプレイヤーから次のラウンドを始める。
 トラックを引き取ったら配置。この時のルールは、
 ・1つの檻には1種類の動物しか入らない(=拡張しなければ決算で+になる動物は3種類)
 ・余った(or置きたく無い)動物は飼育小屋に置く(ここにいる動物は他のプレイヤーへの売却、或いは処分の対象になる。売店は売買不可)
 ・同じ「檻」に♂と♀の動物がいた場合、子供が生まれる。拒否は出来ない。檻に入り切らなければ飼育小屋or(空いているか同種の動物がいる)他の小屋へ
 ・お金マークのある檻が「(後述する「交換」以外の手段で)一杯になったら」書いてあるマーク分のお金(1金/2金/1金)が貰える。お金はこの方法か、お金タイルを引き取る方法、或いは他のプレイヤーに自分の飼育小屋にいる動物を買い取って貰う(1金)方法でしか得られない。

 ③ お金を使ったアクション
 手持ちのお金(初期資金2円)を使って以下の5種類のアクションが出来る。
 ○1金で出来るアクション
 ・移動
 指定したタイル(動物or売店)を1枚好きな場所から好きな場所へ移動出来る。ただし、檻のルール(檻1つには1種類)には従う。
 ・交換
 指定した場所にいる動物1種類と、指定した場所にいる動物1種類を交換する。動物のみ。売店不可。尚、このアクションを行う為には指定した両方の場所に動物がいなければならない(これが移動との差)

 ○2金で出来るアクション
 ・購入
 他のプレイヤーの飼育小屋にいる動物を1枚、買う事が出来る。
 支払うのは2金だが、1金は銀行に、もう1金は購入先のプレイヤーに渡す。
 ・処分
 2金(銀行に)払う事により、飼育小屋にある動物のタイル1枚をゲームからリムーブ出来る。

 ○3金で出来るアクション
 ・拡張
 拡張ボードを裏返し、使える様になる。拡張ボードには、5匹入る檻と売店が一つある。

 これらのアクション(基本的には3択)を繰り返し、タイルの残りが15枚を切ったら最終ラウンド。
 そのラウンドが終わったら、決算。
 檻毎に「檻が全部埋まっていれば檻に書かれている大きい方の点数を、一匹埋まっていなければ小さい方の点数を」加える。2匹以上埋まっていなければ、
 「檻の隣に売店があれば」タイル1枚につき1点入る。
 それに檻の回りに置かれている売店の「1種類につき」2点を加える。ここ迄がプラスの得点になる。
 で、ここから飼育小屋にある、
 ○動物タイル
 「1種類につき」
 マイナス2点

 ○売店
 「1種類につき」
 マイナス2点
 を引く。
 合計点数の高いプレイヤーの勝利。

 基本はコロレットと同じシステム・ジレンマに、お金を使ったアクションを加える事で違ったテイストを加えている。
 コロレットと違い、他のプレイヤーが欲しがっているタイルを自分で取る事によってそのプレイヤーに購入させたり、足りないタイルを他のプレイヤーの飼育小屋から購入したり、移動や交換を使ったコイン利殖技と言ったテクニカルな行動が出来る様になった。
 マイナスは種類で引かれる(飼育小屋にある同じ種類の動物は何枚あってもマイナス2点)ので、同一種類の動物を多く飼育小屋にガメておけばローリスク(マイナス2点)で他のプレイヤーが買ってくれたり交換で置かれている動物が少ない檻と交換したり出来るかもね。
 割とアドリブ力が必要なゲーム。いくつかの手番回しのパターンを頭に入れつつ、タイルを見ながらそれらの中から最も適切な回し方をする様なゲームに見える。
 このゲーム、他のプレイヤーに対する嫌がらせが簡単に出来るゲームなので、某君達とするにはあまり向かないゲーム。紳士的な(と言うか、「勝利を目指した」)プレイをすればそう言う風には先ずならないが、何せ相手は某君達。自分の勝利を蹴ってでも俺への嫌がらせをするのが基本なので気が抜けない。
 まぁデザインやコンポーネントからして「大賞(SdJ)を取りに来ました」と言わんばかりのゲームなので、戦略や戦術を語るより「パンダさん可愛いね」とか言うゲームなんだろう。ゲームが進むと「もうパンダ要らんっちゅうねん。肉屋に引き取らせるか」みたいな会話が横行する事になるが。
 プレイ時間も1時間以内と比較的短く、それなりに戦略や戦術もあって、テクニカルな部分もある。コロレット的なジレンマを味わえるが、フォローも効く。この「程好い感じ」が大賞を受賞した理由じゃなかろうか。バグダッドの盗賊は余りにもパズリック(俺や朋友は好きだが)なので初心者向けでは無いし、イスファハンはSdJと言うには戦略的過ぎる。まぁ妥当な受賞だろう。
 去年の郵便馬車と違って、今年はすんなり納得出来る。まぁ郵便馬車は俺的ベスト3に入るブルームーンシティーが対抗馬(の一つ)だった、と言うのも大きいが。イスファハンは好きだが、ブルームーンシティー程の思い入れは無いし。
 何だかんだで割とお勧めな作品。例えばイベントなんかで全くボードゲームを知らない人相手にやるには(カタンやカルカソンヌ、チケットトゥライドやアルハンブラと並んで)うってつけのゲーム、と言えるだろう。まぁそうするならその前にニムトやマンマミーヤ辺りで「ドイツのボードゲーム」を体感して貰ってからの方が良いと思うが。
 子供用(或いはアクション系 )のボードゲームもいくつか買うかなぁ。気になってるゲームはいくつかあるし。
 宝の滝とかヴィラ・パレッティとかナイアガラ(…はむしろコンポーネントゲーか)とかメイクンブレイクとかガイスターとかカエルの飛び込み大会とかブロックスとかクライネフィッシュとかチップチップフラーとか。ヘーゼルナッツの騎士とかザップゼラップとか飴ちゃん工場とかレースギャロッポ辺りはもう売って無いだろうしなぁ。

 ・ダイヤモンド・・・プレイ人数3~8人。
 各プレイヤーはトレジャーハンター(ダイヤモンド掘りとも言う)になって、坑道内のお宝を獲得していきます。坑道内には各種トラップが仕掛けられていて、同じトラップが2枚発動したらその坑道は閉じられてしまい、お宝は何も獲得できなくなります。それ迄に逃げ帰りましょう。
 いつ戻るかの判断が問われる、チキンランの様なゲーム。赤木しげるの様に突っ切っても得るものは何もありません。



 ・タージマハル・・・プレイ人数3~5人
 クニッツィア超先生の競り+陣取りゲー。
 先ずはカードを使って競りを行う。競るのは4種類の人物(競り勝つと対応する人物チップ+家一軒)と象(産物タイル)と王様(他のプレイヤーが置いた場所にも置ける、金の輪付き家)の計6種類。
 基本的には毎ターンそのラウンドの最初に出したカードと同じ色(例外:白)のカードを出していく。
 「自分がカードを出す前に」つまり、ターンの最初に自分がどれかの分野で単独トップだった場合、抜ける(離脱する)事で、対応するチップやタイルを貰える。
 このシステムはアイバンホや万里の長城でも使われてるが、これ(タージマハル)が一番まとまってる感じがする。まぁ他の要素との絡みの問題だろうが。
 基本的には産品ボーナス(同種の産品をゲットする程得点アップ)と寺院ボーナス(繋がってるブロックが多ければ多い程得点アップ)、姫ボーナス(黄色のタイル×2)の3種類が高得点への鍵になる。
 結果はこれ又3位。姫ボーナスで途中迄はトップ目だったが、あっと言う間に抜かれてしまって糸冬。

 後で考えれば、勝ち筋はあった。
 姫ボーナスを獲得した後産品に走れば良かった。
 序盤の姫ボーナスの2点はそれだけで1ラウンドの最低欲しい得点位にはなっているので、即出し即抜けして象を集め、産品ボーナスを大量に得れば、少なくとも良い勝負にはなった。
 要は姫ボーナスを額面通り「毎ラウンド2点ボーナス」と考えて普通にプレイしてしまい、「どうせ誰かに取られるんだからその間にハンドを整えて、姫ボーナスが取られても戦える体制にしよう」と考え無かった。
 後半になって気付いたが、もう手遅れ。

 言ってみればこのゲームは寺院ボーナスvs産品ボーナスのゲームなので(姫ボーナスだけでは最大でも24点にしかならない)、そのどちらを優先するかを決めて取りに行くべきだった。何となく陣取りしたり産品取ったりしてる様では勝てない。これにインスト時に気付くべきだった。
4種類の人物(含姫)ボーナスなんかも全てこのどちらかを取る為の手段にしか過ぎない。
 この辺りに思考が到る迄に時間がかかり過ぎた。未だ未だ修行が足りんです。
 所要時間はインスト含めて2時間半位。これは人数(今回はアムレットもこれも5人)によるので、人数が減れば早くなる。
 が、普段やる分には、2人ではシステム的にアレだし、3人以上でやるとなると俺・朋友以外に某君が入る事になるので、間違い無くゲームにならない。
 となると、買ってもやる機会が無い、と言う結論になる。欲しいけど。
 割と評判が悪かったりした(クニッツィアにしてはキレが無い、とか)が、俺は十分でした。比べる相手がチグリスユーフラテスや砂漠を越えてみたいな伝説級のゲームでは、そりゃ流石にねぇ、と言った感じ。気持ちは分かるけど。
 腐っても2000年のゲーム賞1位、と言ったトコか。
 欲しいなぁ。


 ・チケットトゥライド・・・プレイ人数2~5人。
 2004年ドイツゲーム大賞受賞。各プレイヤーは自分の色の線路を置く事で各都市間を繋ぎ、得点を得ます。その他にも非公開の「目的地カード」に書かれた区間を繋ぐ事等によっても得点を得る事が出来ます。「目的地カード」のお陰で初心者にも「どこを繋げれば良いか」と言うのが分かり易いので、初心者でも簡単にプレイする事が出来ます。尚、このシリーズはバンダイから日本語版が発売された(某所にあるのは私が購入した日本語版)アメリカマップ以外にも、ヨーロッパマップやドイツマップ(メルクリン)があります。
 2人プレイは分かってるプレイヤー同士がやるとブラフと読み合いと修羅場のオンパレードなゲーム。今回は一方が分かってなかったらどっちも殆どソロプレイだったが。プレイ時間は一時間以下だったが、多分ちゃんとしたプレイヤーとやるともっとかかる。
多人数プレイの時と同じく行き先が3つあると線路数的にはかなりカツカツになる(今回ブラフだったり切られたりして死に駒になったのは5~6個位)ので、2~3人プレイ(複数路線が無くなる)時は行き先を2つに絞った方が良いかも。考えなくてもプレイ出来るが、考えれば考えただけの結果が返ってくるゲーム。まぁでもマップ的に「カードを貯めて一気にプレイ」と言う基本方針は大概変わらないです。


 ・チケットトゥライドメルクリン
 基本的にチケットトゥライドのドイツマップ。尚、チケットトゥライドは、
アメリカマップ
ヨーロッパ
ドイツマップ(メルクリン)
となっている。
 2~3人用と4~5人用では完全別ゲーム、って位にプレイ感覚が違う。アメリカマップ(チケットトゥライド)に近いのは4~5人プレイ。まぁそれでも重くはなってるが。
 アメリカマップとの差異は、
・乗客ルール&乗客カードの存在
・目的地カードが短距離・長距離を選べる
・+4ワイルドカードの存在
だが、最大の差はマップ。アメリカマップは外周に長距離路線があったが、メルクリンは北部に長距離路線、南部に短距離路線と分かれている。ので、サクッと完成出来るが長距離の目的地カード(東西のものもあるが)達成に必要となってくる南部の主要路線は割と激戦地になる。目的地カードを全部チェックしてないから何とも言えないが、南部はどうやっても激戦地になりそうな予感。
メルクリンはアメリカマップと違って割と目的地カード引いても良さげ。
以下思った事の箇条書き。
・序盤から乗客回すのもアリ。点数稼げる様になってから乗客回すと3人目はロクに稼げないので、1人目は早めに動いて取られそうな場所(主要駅)の点数を先に取っておくと良い。
・目的チケットは1~2枚取っても良い。チケットトゥライド(アメリカマップ)では長距離・短距離が交ざってるので手番で目的チケットを引くのはかなりリスキーだったが、今回は長距離・短距離が別れているので、短距離だとそれなりの確率で成立可能な目的チケットを引ける。南北・東西等一本通ったルートを確保しているなら長距離チケットを取りに行くのもアリ。更に、今回はボーナスが最長交易路では無く最多目的地達成なのも重要。
・首都攻略戦(バトル・オブ・ベルリン)に参加するか、参加せずに独自路線を行くかは自由だが、首都攻略戦に参加するなら最低2回は乗客にベルリンを通したい。出来れば1手番で2回通ってしまいたい所。
・+4チケット強い。乗客カードと並んで取り合い必須。見たら取る。
・目的チケットの事を考えるとチケットトゥライド(アメリカマップ)より主要駅の取り合い度が大きい。乗客移動の時もループさせるのにも使えるので、主要駅は激戦地になりがち。ベルリンはいわずもがな。自分の目的チケットに合わせた主要駅を一つか二つ押さえればかなり楽に勝てる。
 プレイ時間は100分程度とかなり長目だが、そんなにストレス無く楽しめる作品。
 4~5人プレイだと軽いので、初心者にはこちらをお勧めする。まぁ初心者はそもそもメルクリンをしなくても良い(チケットトゥライドで十分)とは思うが。
 2~3人プレイだと一気に重く。中級者以上には堪らない。
 基本的にはヘビーゲーマー向けの作品。ボードゲームに慣れてきたら一度はやってみる事をお勧めする。


 ・トランスアメリカ
 アメリカ全土に鉄道を敷くゲーム。
 プレイヤーは始めに5つの地方に別れたカードを各地方につき1枚、計5枚引く(非公開)。それが今回自分が繋げるべき路線になる。始めにスタートコマを適当に置いて、12点の勝利点を持って、ラウンドスタート。
 手番に出来るのは「自分のスタートコマから繋がる様に、路線コマを2つ迄(山や川を越える場合は1つ迄)置く」事のみ。ここでの肝は、「路線コマの色は1色」と言う事。つまり、他プレイヤーの路線と繋がれば、その(他)プレイヤーがそれ迄に繋げた路線も自分の路線になる(これは相手にも言えるが)。これを利用して、他のプレイヤーの路線を利用しつつ、最初に目的地を全部繋げたプレイヤーの勝利。他のプレイヤーは5つの目的地を繋ぐのに後何本路線コマが足りないかを調べ、その分の点数を引く。
 誰かの勝利点が0点以下になったらゲーム終了。その時点で一番勝利点の高いプレイヤーが勝利。尚、2ラウンド終了後に勝利点の最も低いプレイヤーの勝利点が4点以上だった場合、全員の勝利点を1点引き下げる。
 デザイナーのデロンゲはマニラのデザイナー。
 2002年のボードゲーム大賞最終ノミネートのしてボードゲーム賞2位(3位はシャハトのジャンク、4位にボードゲーム大賞受賞作のヴィラ・パレッティー、5位のクラマー-キースリングコンビのメキシカ)と言う人気の高い作品。
 手番にやる事は線路を敷くだけ、勝利目標は最初に与えられる5つの都市を繋ぐだけ、と言うシンプル極まりない内容。
 チケットトゥライドを煮詰めるとこうなる、と言う人もいるが、チケットトゥライドの様な陣取り要素が無く、鉄道敷設のみを楽しむゲームになっているので、ちょっと違う。
ハチエンダやメルクリンより遥かに軽いチケットトゥライドですら1時間かかるので、この軽さ(1プレイ短いと5分程度)で鉄道ゲーが出来る、と言うのはかなり重要。
 目的地に大きく左右されるゲームだが、いつ他のプレイヤーの路線と繋げるか、どこからスタートするか等、考える所はそれなりに。まぁでも適当に出来るゲームではあるので、初心者向けの鉄道敷設ゲームとしてはこれが一番じゃなかろうか。
 逆にゲーマーだと「軽過ぎる」と言う意見になるだろう。何度もやっていく内に面白さが分かって来るゲームでも無ければ、毎回異なる戦略を選ぶ様なゲームでも無いし、読み合いをするゲームでも(あんまり)無い。
 システムとしてはカタンやカルカソンヌよりシンプルだが、ボードゲームの味わいを楽しめ無い訳では無いので、やはり初心者用がメインだろう。後はちょっとした息抜き用、と言った所か。パーティーゲームに近いゲーム。


 ・トーレス
 長らくクラマーの最高傑作はエルグランデだと思ってたが、訂正します。クラマー先生舐めてました。
 ブルームーンシティー・モダンアートに優るとも劣らない作品。最近ちょっと評価が落ちてきてはいるが、まぁギリギリベスト10には入る作品。
 クラマーがボードゲーム大賞取った作品はアンダーカバー・アウフアクセ・エルグランデ・ティカル・トーレスと5つもある(他には、某所にあるのは6ニムト、俺が所有してるのはハチエンダ)が、クラマーが作ったボドゲの中では俺的にはこれがトップ。いやまぁ、アウフアクセはやった事無いけど。
 竜巻によって崩壊した王城を3年かけて再建するゲーム。各年(3~4ラウンドある)で得点計算をする。
 始めに小さな7つの城を置いて、最初に自分の騎士コマを一つづつ置いて、ラス番プレイヤーが王様コマを置いて、ゲームスタート。
 各プレイヤーは1ラウンドにつき5AP(アクションポイント)を使って行動する。それぞれの行動に必要なAPが決められており、
・建物コマを置く・・・城の上か城の四方(斜めは×)しか置けない。1個につき1AP。ただし、城の高さは広さより大きくなってはならない(広さが4ブロックなら高さも4ブロック迄)。
・騎士コマの設置・・・現在設置されている騎士コマの上下左右(今置かれている騎士コマより高い位置には置けない)に設置する事が出来る。1個につき2AP。
・騎士コマの移動・・・上下左右に進めるが、自分がいる位置より2個以上高い所には移動出来ない(1個高い、或いは低い位置にはいくらでも移動可能)。城に出たり入ったりするのはちょっと特殊なルールがある。1個(一歩)につき1AP。
・アクションカードを引く・・・一見微妙な効果に見えて実はとてもとてもとても強いアクションカードを引ける。3枚引いて1枚選ぶ。1枚につき1AP。2枚迄。
・アクションカードのプレイ・・・0AP。ただし、1ラウンドに1枚しか使えない。
・1ポイントゲット・・・1APにつき1ポイント分得点コマを進める。
 これらのアクションを駆使してポイントを稼ぐ。
 で、各年毎に得点計算をして、王様ボーナスを(ゲット出来る場合は)ゲットし、一番点数の低いプレイヤーが次の王様コマの位置を決定して、次のラウンドを始める。以下繰り返し。
感想。
 7つの城がある(アクションカードの効果によって変動あり)が、最初は自分の騎士を置いた城を「自分の城(テリトリー)」と思ってその城だけを大きくしたりする。が、戦術的には間違い。
他プレイヤーが作った城にも一枚噛んでまんべんなく得点する必要がある。
 アクションカードを使えば一旦建った城を登るのはそんなに難しい事じゃ無いので後から入ってただ乗りとかも出来る。自分で騎士のポジションを上げるには(横に2個連続で同じ高さの場合)1個積んで横に移動して、で2AP、更に横を2段積んで元に戻ってで3AP、更に横を2段積んで元に戻ってで3AP・・・となり、大量のAPがかかる。
 とにかくアクションカード。初見では強さが分かり難いが、使って(使われて)分かるこの強さ。が、1ラウンドに1枚しか使えない(初回プレイ時にはこれを見落としていた為にやりたい放題だった)し、1ラウンドでは最大2枚しか引け無い、更に引いたカードはそのターン使えないので悩ましい。
 基本的には何をするにもアクションポイントが必要なゲームなので、どう効率的に運用するかが肝。後手番が有利なゲームなので、初めに後手を取られたら何とかして初回の得点計算で勝って後手番を取り返す必要がある。かなりアブストラクトなゲームだが、プエルトリコとかと比べると殆ど気にならない。流石はクラマー、と言った所か。上級ルールは最初に城を置く位置をプレイヤーが好きに決められたり、カードが最初から好きに使えたり、陣形によってボーナスが貰えたりする。一気にアブストラクト感が強くなる(運の要素が皆無になる)のでお勧めはしないが。基本ルールで十分だ。
 難点としては、これはブルームーンシティーもそうだが、在庫が無いので保存用が買えない点。どっちも保存用買っときたいんだがなぁ。
 2人でやると後手番が強い(今迄やった中では2人プレイで先手番が勝った事が無い)ので3人以上でやった方が良いかもしれない。3人プレイ時は真ん中でも勝った。2人プレイの先手番の戦術は今考え中なので、次にやった時に実験してみよう。
★実験結果・・・ダメでした。コレ2Pの先手番て後手番がミスらないと勝てないんじゃなかろうか。


 ・ノッティンガム
 交渉を強制的にカードで行うボーナンザ。
同じ数字を3枚以上出すか各種目標を達成するかで得点を得る。得点を得た時に手札の枚数が規定枚数(変動する)以下なら追加で1ドロー。
 俺はボーナンザよりこっちが好き。基本的にカードの交換しか無いのでカードの効果で手札の増減は無い。パッと見はカードの効果で奪われるイメージがあるが、やってる事はボーナンザと一緒。でもこっちの方が能動的に動ける。
 プレイ人数は3~7人だが、3~5人でプレイした。
ん~これで2人プレイ迄フォローしてたらあやつり人形買わなくて良いのになぁ、って感じ。いやまぁ、あやつり人形はいつかは買うつもりだが。
毎ターンの始めにプレイヤーが引く(或いは能力を使う)カードは公開なので、プレイヤーのハンドで非公開なのは初期手札の3枚とお気に入りドローのみ。鷲津麻雀みたいな感じ。いやまぁ、ガラス製じゃ無いけどさぁ。
 手札を溜め込んだ方が不利(お気に入りになれない)なゲームではあるが、高得点を稼ぐには手札を溜め込まないといけないのでその辺の判断は微妙。待ち伏せや赤系カードの効果での強制交換にも対処法はあるが、時間がかかったり運が必要だったりする。速攻で勝ちに行くか持久戦で行くかを各プレイヤーが選べるので、自分のハンドと相談しつつ、って感じ。数回やった感じでは速攻戦略が多かったが、今度は持久戦でじっくりやってみようかなぁ、と。人数が増えれば速攻側に針が振れるっぽいが、4~5人位なら十分勝負出来ると思うんだが。待ち伏せの状況次第か。


 ・ハイ・ソサエティ
クニツィアの競りゲー。プレイヤーは成金になってお金でステータス(島やクルーザー、バスケットボールチーム等)を買う、と言うゲーム。
得点が1~10点の財産カード、マイナス5点・得点カードを1枚リムーブ・得点が半分(縁が赤)になる不幸カード、得点が倍(縁が赤)になる肩書きカードが3枚の、計16枚を次々と競っていく。
これだけだと普通の競りゲーだが、縁が赤いカード(肩書きカード×3・得点が半分になるカードの計4枚)の4枚目が出たら、直ちに(そのカードを競らずに)ゲームが終了するのがポイント。
更に、ゲーム終了時点で所持金が最も少ないプレイヤーは得点の多寡に関わらず脱落するので、所持金にも注意する必要がある。
時間は2~30分と大変早く終わるが、クニツィアらしい悩み所の多さが特徴。

今回は縁が赤いカード(含×半分)がゲーム序盤(6枚目迄)に3枚も出たので、相場が一気に高騰。その癖、4枚目が出たのは後2枚、と言う所で、ほぼ全員が所持金30ちょい、と言うゲームだった。
ゲーム終了直前にブラフ仕掛けて、何とか1金差で所持金最下位を免れて、勝ち。危なかった。
何回かやってるが、毎回相場が変わるので未だに良く分からないゲーム。面白いのは面白いんだが。カウンティングしながら他のプレイヤーの動向を見つつ確率計算して…あぁ忙しい。


 ・ハイパーロボ・・・プレイ人数2(1人でも可)~∞
 4つあるロボを指定された場所迄進ませましょう。このロボット達はCPUがとても不自由なので直進しか出来ません。壁にぶつかるか他のロボットにぶつかる迄は直進し続けます。このCPUが不自由なロボット達を何手で目的地迄運べるかを競います。
 ルールはシンプルですが、とても頭を使うゲーム。文系の人は苦手な様です。
 私のお気に入りゲームの一つ。何人でもプレイ出来るので、昔は10人以上で盤見ながら「25!」とか言い合ったもんです。


 ・ハチエンダ
 クラマーの作ったチケットトゥライドと言われている作品。
 裏表で色が違うチップが最大の難点。チップの数を倍にして良いから一枚一色にして下さい。
 システムは一見チケットトゥライドの様に見えるが、資金獲得と勝利点計算の方法が全く違うので全然違うゲームになっている。いやまぁ農園経営ゲームだから違うのは当たり前だが。
 この「資金獲得と勝利点獲得が違う」と言うシステムはブルームーンシティーなんかもそうだが、このシステムと農園経営と言うコンセプトがマッチしてる。流石クラマー。
「システムとセッティングが面倒」と言う最大の弱点を我慢出来れば良作ですよ。
 これも初心者向けとは言い難い(どの辺り迄金稼ぎにシフトして、どの辺りから勝利点獲得にシフトするかの見極めが難しい)が、一度はやってみて損はしない。


 ・万里の長城
 万里の長城を建設するゲーム。ジンギスカンと違ってクネクネ曲げたりは出来ません。
 プレイ人数によって異なる建設区域(2人なら2つ、3人なら3つ、4~5人なら4つ)で建設していく。皇帝からの御褒美(名誉ポイントタイル)をいっぱい貰った人の勝ち。
 各建設区域について、名誉ポイントタイルを2枚づつめくる。2人プレイの場合、被ってたら(同じポイントだったら)めくり直し。
 各プレイヤーは建設カードを一色20枚のカードを受け取り、ランダムに5枚引く。これが初期手札。以後のドローもランダム。
 ゲームの手順は
1・ポイントチェック
2・2択アクション
3・2択アクション
となる。
 1のポイントチェックはカードを置く前にチェックする。建設区域毎にチェック。自分が他のどのプレイヤーよりも多くの建設ポイントを置いていれば、名誉ポイントタイルを1枚ゲット。この場合、
①未だ2つの名誉ポイントタイルが残っている場合、その内1枚を選んでその建設区域の自分のカードの上に置く。
②どちらか1つの名誉ポイントタイルがカードの上に置かれている場合(①を行なった後の建設区域でポイントチェックの場合)、プレイヤーは残ったタイルを取って自分の前に置き、①の名誉ポイントタイルは①でゲットしたプレイヤーが取る。その建設区域に置いてあるカードを破棄し、新しい名誉ポイントタイルを置く。要は一新される。
★誰かが名誉ポイントタイルをカードの上に置いてある場合、その建設区域のそのプレイヤーのポイントから、タイルに書かれている数字を引く。又、②のポイントチェックの場合、他にプレイヤーがいなければ(①でポイントゲットしたプレイヤーしかその建設区域に関わっていない場合)得点がマイナスでも2番目の名誉ポイントタイルをゲット出来る。
 2・3の2択アクションは、
・カード1枚、もしくは「同じカード」複数枚を手札からプレイし、表向きにして任意の建設区域一つに配置する。
・自分のライブラリーからカードを1枚引く
の2つから一つを選んで実行しなければならない。強制。
 で、最後の名誉ポイントタイルを誰かがゲットするか、誰かが自分のカードを全部プレイした(状態から1ターン経てば)らゲーム終了。名誉ポイントタイルの合計点が1番高いプレイヤーが勝利。
 バッティングしまくりなゲーム。アイバンホと最後迄どっちを持って行くか迷ってたが、シンプルなバッティングゲーになってクニッツィアジレンマを体感出来るこっちに。
 要は自分がどっかの建設区域で1位になって、次の自分のターン迄その建設区域でトップに居続けられれば名誉ポイントタイルをゲット、と言うゲーム。
 クニッツィア「らしい」ゲーム。この軽さでクニッツィアらしさを感じられるのは素晴らしい。1枚目の名誉ポイントタイルをゲットしたらその分がマイナスになるので、2枚目を同じプレイヤーがゲットし難いのも重要。団子になり易い。
 カードも貴族(建設区域の全部のカードが1ポイント扱い)や戦士(集団になると強くなる)、騎士(インスタントプレイ)、ドラゴン(他のカードを無かった事に)と言った特殊カードがあるので、色々と逆転可能。


 ・百科審議官・・・プレイ人数3~5人(+1)人
 ワードゲーム。師匠曰く「3人(+1)専用ゲー」らしいが。
 先ず最初に各プレイヤーは色を(赤・青・緑から)適当に決める。で、同じ色のロープで3つの円を作り。それぞれが適当に重なる(赤のみ、青のみ、緑のみ、赤+青、赤+緑、青+緑、赤+青+緑の7ヶ所が出来る)様にベン図を作る。
 それから、プレイヤーは「お題」を付箋に書く。これは他のプレイヤーには非公開。この時の「お題」は言わば判断基準なので、慣れる迄は明確なモノ(今回は「黒いもの」「修羅の国にあるもの」「電源系ゲーム」)が望ましい。慣れれば「もえるもの」とかでも良いが。
 で、適当にスタートプレイヤーを決めて、最初に何か一つ書いて(確か「自分のお題に当てはまる奴」だった筈だが)、それをベン図の中に(他のプレイヤーと協議して)貼り、ゲームスタート。
 ターンプレイヤーは、先ず先程の7ヶ所の中の一つを選ぶ。
 で、このターンは、「そのお題に合いそうなモノ」を全プレイヤーが書く。例えば、赤と緑には当てはまるが、青には当てはまりそうに無いモノ、と言った感じ。
 この時、自分の色の付箋が置いてある場所は選べない。
 で、全員が書き終えたら、ターンプレイヤーから公開して行く。で、ソレがそれぞれのお題に合うかどうかを自己申告で告げていき、最終的なその付箋の貼り場所を決める。
 それが最初に設定した位置なら得点になるが、それ以外なら付箋の色の部分を折り、単なるヒントとしてベン図の当てはまる場所に置く。これは得点にならない。又、同一ヶ所に同じ色の付箋は3つしか貼れない。それ以上になった付箋もこれと同じ処理をする。
 7ヶ所全てに自分の色の付箋を貼るか、合計で10枚付箋を貼れれば、そのプレイヤーの勝利となる。
 感想。
 ゲーム説明が書き難いなぁ。インストは簡単そうだったんだが、前に現物があって、実際にやりながらの説明じゃないと分かり難い。多分俺の説明では何言ってるんだかさっぱり分からないだろう。
 まぁそれはさておき。
 (+1)と書いてあるのは、今回は丁度3人だったからしなかったが、全くプレイに参加せず、お題と書いたモノの審議を行う「審議官」がいる為。前はこれを少しやらせて貰ったが、はっきり言って審議官(と言うか、審議している時)が一番面白い。
 プレイヤーのセンスが問われるゲームではあるが、かなり面白いワードゲーム。出来れば全員の知識レベルや知っているジャンルが同程度で同じ系統の方が良いが、まぁその辺は何とでもなる。実際審議官がいなくても何とかなったし、ジャッジ次第でフォローはいくらでも効く。
 問題はほぼ3人(+1人)限定な点、位か。
 ジャッジの過誤や判断ミスも含めて楽しむ(今回はちょっとアレ(あからさまにそのジャッジミスでプレイヤーが答えが分からなくなる)なのがあったから指摘したが。具体的には修羅の国にあったモノポリーを無いと勘違いした事。いやまぁ、印象にすら残らない酷いゲームだと言うのは否定しようが無い事実だが)ゲームなので、そこら辺のノリが分かる事も必要かねぇ。


 ・フェレ太郎君(フェレータ)
 薔薇(ランカスター)と鷹(ヨーク)に別れての戦争、と、ローゼンケーニッヒとテーマは一緒。ゲーム性は全く違うが。
 始めに6枚づつの薔薇・鷹の領土をランダムに円形に並べ、戦力カードを全員に配って、各プレイヤーが一軒づつ建物を建てて、ゲームスタート。
 戦略家が紛争地を選び、スタートプレイヤーから役割カードを選ぶ。全員が役割を選んだらスタートプレイヤーから戦力カードを任意の枚数(0~上限の5枚)を出して行き、役割カードの公開。フェレータ(裏切り者)はこの時点で効果発動して、勝利点1点+相手側陣営に移動。で、紛争の解決。この時参照するのは
・土地
・戦力カード
・外交官
の3種類。負けた陣営の土地をひっくり返してその土地に書いてある点数を勝った側の陣営に所属するプレイヤーが得る。この時点で戦略家は問答無用(勝敗関係無し)で勝利点2点を得る。
 で、建築家を選んだプレイヤーが補給、或いは財産カードを出して、戦略家に紛争カードと戦略家カードが移動、戦力カードを破棄したらカードドロー。
 先ず農業家が3枚ドロー。次に補給カードを出している(+それが自陣営の土地にある)プレイヤーが補給カードの枚数づつ、スタートプレイヤー(或いは近いプレイヤー)からドロー、最後に2の外交官を取ったプレイヤーが1ドロー。この時、手札枚数は5枚を越えてはならない。
 役割カードを返却して、スタートプレイヤーの移動、でターン終了。説明書が手元に無いからうろ覚えだが。大体こんな感じのターン進行になる。これを3人なら9ターン、4人なら8ターン行なって、最後にハンド枚数(最大3)×財産カード(最大2)分の勝利点を加えて勝利点が最も高いプレイヤーの勝利。
 役割カードはフェレータ(裏切り者)・戦略家・5の外交官・2の外交官・建築家・農民(農業家・呑百姓)の6種類。
・直接勝利点が貰えるのはフェレータ(1点)と戦略家(2点)(と建築家(財産カード使用時、ゲーム終了時のみ))
・紛争の結果に直接影響を及ぼすのはフェレータと5の外交官と2の外交官
・カードを引けるのは農業家(3枚)と建築家(補給カード使用時)と2の外交官
て感じ。
・フェレータ・・・ゲームタイトルにもなってる様に、ゲームを象徴するカード。が、補給カードとの相性が悪いので、裏切り所は良く考える必要がある。フェレータをガンガン使うなら、補給は呑百姓1択(+2の外交官)にするのも手。
・戦略家・・・紛争地の決定権を持つが、紛争そのものに影響を及ぼす訳では無く、カードを引ける訳でも無い。が、紛争の勝敗に関係無く勝利点が貰えるので、紛争に負けるのが視えてる場合や逆にどちらかの陣営にプレイヤーが片寄っていて点数的に横並びになりそうだが裏切りたく無い場合なんかに。
・5の外交官・・・戦力値5は決して侮れない。これさえあれば(手札にもよるが)3人対1人でも逆転勝利できる事も。
・2の外交官・・・5の外交官と比べると戦力値3とカード1枚、農業家と比べるとカード2枚と戦力値2が同程度の効果・・・な訳は無いが。カード引きたいけど紛争に対しての影響を及ぼしておきたい場合なんかに。尖ってはいないが、小回りの効くカード。
・建築家・・・毎ターンカードを引ける様になる補給カード、ゲーム終了時に勝利点になる財産カードを出せる。このゲームでは直接的なカードの補充はゲーム開始の建物1軒か、農業家か2の外交官を取るしか無いので、毎ターンカードを引けるのは重要。後半になれば財産カードで勝利点ゲットも狙える。効果は強力だが、序盤と終盤で計2~3回も引ければ十分か。
・農業家・・・カードを3枚引けると言う単純にして強力な効果。でも毎ターン引ける(様になる)建築家の方が総合的には使える場合が多い。一気に引けるので大戦争の次のターンに使ったり、建築家が引けない時の代わり、フェレータ使う時のカード補充等に。
 操り人形でフェドゥッティが○○ったと言われる作品。確かに役割カードを選んでその効果を実行する辺りはそれっぽい。
 が、操り人形は基本的に1対1の戦い(一人のプレイヤーが直接的に効果を及ぼせるプレイヤーは一人)なのに対して、フェレ太郎君は陣営対陣営の戦いになる。
 つまり、より誰がどのカードを取っているかが重要になる。特に5の外交官とフェレータは戦局を一変させ得るカードなので、いつ取るかはかなり重要。
 例えば、A君(鷹)がハンドを2枚の内1枚切ってきた。この時は鷹が押している(3人対1人)が、薔薇側のB君はハンド3枚。
 となると、A君が取ったのは外交官、と踏んだので、A君が2の外交官でも勝てる様に戦力カードをプレイ。
で、役割カード公開。
A君。
建築家。鷹側の負け。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
と、まぁこんな感じになったりする。
 操り人形より面白いとは某氏の評だが、その面白さはプレイヤーのプレイに依存する。
 初心者には操り人形、ゲーマーにはフェレータってトコか。自分で買ったカードゲームの中では、魔法の剣と竜の卵、ノッティンガムに匹敵する良作。惜しむらくは3~4人とプレイ人数が狭い事。
 3人プレイ時はそれなりのバランス。4人プレイ時は3ー1になった時にWW2の時のフランスのレジスタンスの気分を味わえるので、その辺をどうするかは結構微妙。が、このゲームの1位の勝利点は大体20~30点。基本的に戦略家を取る様にして、どっか大きめの紛争地で1度勝ち、財産ボーナスをゲットすれば、理論上はそれだけでも勝てる。
 まぁ流石にそこ迄うまくはいかないだろうし、そこまでいったら殆どエンペラーやってる様なモンなのでアレだが。
 フェレータ未使用でも勝てたりしたし、割と勝利へのアプローチは多そう。


 ・ブルームーンシティー
 コレをやる迄はメルクリンをボドゲランキングトップに持ってきたりしてたですよ。いやまぁ、メルクリンも十二分に名作なんだけれど。
 モダンアート・メディチ家とストロッツィ家と並んで俺が持ってるボードゲームの中では一番の名作と言えるゲーム。俺的には某所にあるゲームの中でもトップ(モダンアートと同率一位)。負けたけど。
 これが郵便馬車に負けてゲーム大賞取れなかったと言う事は(審査員がクニッツィア嫌いで無ければ)郵便馬車はカタンやカルカソンヌを軽く越えるオールタイムベストな作品に違いない。
 インスト時間を除けばプレイ時間1時間かからなかったが、これは間違いなくゲームを分かってる某氏とサシでやったから。まぁ普通にやれば1時間~1時間半かかると思う。
 あの面倒臭がりの某氏に「空き時間に某所に来てでもしたい」と言わしめた作品。超お薦めです。負けたけど。
 超お勧めのボードゲームなんですが、現在封印中。理由は入手困難な為。これが痛んだら俺発狂します。


 ・ヘックメック・・・プレイ人数2~7人。
 ダイスを振ってグリルの上にある虫を貪り食うゲーム。ダイス目がジャストだと相手の虫を「吐き出せこの野郎!」とか言いながら奪い取れる。失敗すると「えろえろえろ・・・」とか言いながら自分が食ってる虫を吐き出さないといけません。失敗した場合はグリル内で自分の虫が最大じゃ無い場合はグリル内で最大の虫がゲームからリムーブ。
 ゲーム自体はダイスゲー。振り直しがある辺りはブラフを彷彿とさせる。大きい目(=虫をいっぱい取れる)を出すには5や虫(数値的には5に相当)をかなり出さないといけないのもポイント。
 2~7人迄出来るが、多人数でやると確実に泥仕合になる。3~4人辺りが適正人数かと。


 ・ボーナンザ
 ウヴェ=ローゼンバーグ(ノッティンガム・マンマミーア・バベル・リミット・イエローストーン等のデザイナー)の出世作。彼はこの作品を大学在学中にデザインしたらしい。そのせいで留年したらしいが。
 手札を整理してはいけない、と言うこれ迄誰も考え付かなかったルール。カードゲームなのにボードゲームをやってると錯覚するかの様なゲーム性(これは豆を植え、収穫し、換金する、と言う作業のせいだろう)。そして、「ウィンウィンになる様に(≠する様に)」デザインされた交渉。
 このゲームをするだけでローゼンバーグが如何に才能のあるデザイナーであるかが分かる。
 これ程隙の無い、完璧と言っても良いデザインを大学生の時に考えついたと言うんだから、なんともはや。


 ・魔法の剣と竜の卵・・・プレイ人数2~4人
 カードゲームでファンタジーRPGが出来ると言う珍しいゲーム。
 プレイヤーは魔法使いのジジィになってモンスター叩きのめしたり魔法を取り合ったりする。最終的に力石(モンスターを倒した時の報奨や魔法によっては魔力と交換出来たりエナジークーゲル等が出たら貰えたりする)が一番多いプレイヤーが勝利。
 ターンの流れとしては、
 ・冒険カードの公開(2枚になる様に)
 ・魔力の補充(基本2点)。
 ・冒険の選択
 ・冒険の解決
 ・アイテムの装備
 ・スタートプレイヤーの移動
 と言う感じ。
 冒険カードはABCに別れていて、ゲームが進むにつれより強いモンスター、強い魔法に出会う様になっている。
 冒険の選択はターンプレイヤーからやりたい冒険を選ぶ。全員が選んだら解決に移る。
 ターンプレイヤーが選んだ冒険から解決する。一人しか選んでいなければそのまま解決するが、複数人が選んでいると事情が変わってくる(エナジークーゲルと聖なる場所は複数人が選んでも全員に効果)。
 選んだ冒険カードが魔法の場合はスタートプレイヤーから魔力を使って競りを開始する。モンスターの場合は全員の合意があれば共闘するが、誰か一人でも拒否すると魔力を使っての競りに移行する。
 
 アイテムの装備フェイズ(正確にはフェイズE:秘宝カードの配置)では他のプレイヤーとの交換が可能。この時の交渉材料は手札のアイテムのみ。で、交渉が終わったら秘宝カードを配置する事が出来る。魔法とアイテムは一度配置すると無くならない。

 感想。
 カードゲームでファンタジーRPG。素晴らしい。
 雰囲気はファンタジーだが、やってる事は魔力のマネージメント。かなりシビアなゲーム。
 毎回細かい魔力の計算をしないと勝負にならない為初心者向きとは言い難いが、ゲームに慣れた人間とならとても熱い勝負になる。このジリジリした盛り上がりの無い雰囲気はかなり独特だから好き嫌いが別れるとは思うが、こう言う初っ端から最後迄考えながら動くゲームは嫌いじゃ無い。基本的に重要な情報(魔力・装備品・所有魔法)は全部公開だし、計算はシンプル。アブストラクト感が薄い(∵冒険カードがランダム)のも素晴らしい。システムさえ理解してしまえばとても分かり易い。手持ちのカードゲームで考えると初心者向きなコロレット、経験者(≠ゲーマー)向きな魔法の剣と竜の卵、って感じ。
 俺の所有するゲームの中だと、ボドゲを某所以外でやる(=持ち運ぶ)んならモダンアート・魔法の剣と竜の卵・バベル・ローゼンケーニッヒ・(3人以上なら)ノッティンガム・エレファントを持って行くかな。初心者相手ならイシスオシリス・コロレット(3人以上なら)ポータブルカタン辺りか。Q―JETやブラフは結構デカいからなぁ。


 ・マンチキン・・・プレイ人数3~6人。
 目指せレベル10。TRPG経験者ならもっと楽しめるお。
 


 ・マンハッタン
 ザイファルトが初めてゲーム大賞を取ったゲーム(2本目は郵便馬車)。プエルトリコ?2002年のゲーム大賞はヴィラ・パレッティでしたが何か。
 お金を一切使わずにビルの「高さ」と「多さ」だけで経済ゲームをする、と言う斬新なシステム。
 ビジュアル的にゲームの状況が一発で分かるのは初心者に優しい点。選択肢もそんなに多くない(最大でも24通り。普通(実際に選択する可能性のある手)は10通り程度か。)し。


 ・マンマミーヤ・・・プレイ人数2~5人。
 ピザを焼きます。とことんピザを焼きます。


 ・メディチ・・・プレイ人数3~6人(2人用ヴァリアントルール有)
 クニッツィア先生の3大競りゲーその2。モダンアート・メディチ・ラー(orハイソサエティ)がクニッツィア先生の3大競りゲーと呼ばれてるが、これでモダンアートとメディチ、ラーのリメイクであるラッツィアは揃えた。朋友がラーも仕事してくれたし。
 後はクニッツィア先生の競りゲーだとハイソサエティ(このレビューを書いた後に購入した)とメンバーズオンリー、珍獣動物園辺りも欲しいなぁ。どこにも売って無いけど。
 ルール説明みたいなの。
 初めに、3(2)~5人プレイの場合、ランダムでタイルがリムーブされる。これが大きい。
 ゲームは非常にシンプルで、商品タイルを1~3枚引いて引いたプレイヤーの左隣から値付けをする。ワンスアラウンド形式。全員が値を付け無かったタイル群はゲームからリムーブ。
 商品タイルを獲得したらそれを自分の船に積み込む。自分の船には5つ迄の商品タイルしか積み込め無い為、例えば自分の船に商品を3つ積み込んでいる場合、3つの商品タイルを出された(出した)場合、競り落とす事が出来ない。自分の船が満杯になったら一旦ゲームから降りる。
 で、全員の船が満杯になる(最後のプレイヤーは船が満杯になる迄タダでタイルを獲得出来る)か、商品タイルが全部無くなったら1ラウンド終了。得点計算を行う。
 得点(お金)を得るは2種類あり、商品タイルに書いてある点数(価値)の合計が高いプレイヤーから順に得点を得(最下位は無得点)、商品の種類毎に所有する数(ラウンドが進むにつれて累積する)が多いプレイヤーも点数を得る事が出来る。

 感想。
 初回(某君等とプレイ)と2回目(朋友・師匠とプレイ)では全くプレイ感が違った。
 初回プレイ時は適当に引いて適当な値付けをする、程度の軽い競りゲーやなぁ。初心者向きだが、ゲーマーには向かないんじゃね?とか思ってたんだが。
 2回目のプレイで全く変わった。初心者同士でも「やった様な気になれる」難度の高い競りゲー、と言うのが適当か。
 メディチ家とストロッツィ家程重くは無いが、並の競りゲーよりは頭一つ抜けたレベル。競りゲーとしての重さではモダンアートとタメはるレベル。ゲームとしてはモダンアートより軽いが。
 人数によっても重さが変わる。基本的には人数が少なくなればなる程重くなっていく。いやまぁ、データ処理の観点から行くと人数が多くなればなる程重くなるんだが、正直人数が増えると読み切れなくなるので、正確に読み切るのがほぼ無理に。いやまぁ、目の前にあるデータを各人が適切に理解出来てればそう言う訳でも無いんだが、まぁ普通はそうは行かない。
 ガチなら3人、適度な重さが好みなら4人、パーティーゲームなら5人。6人はプレイヤー次第で3人プレイ並に重くも5人プレイ並に軽くもなる。2人は割と軽め。4人プレイ並じゃないかな。だから俺は(最低でも俺や朋友クラスのプレイヤーが)2人でやるならメディチよりメディチ家とストロッツィ家を押すが。
 6人プレイ以外はランダムでタイルがリムーブされるので、ある程度は考えてもしょうがない部分もある。でも考えないでも勝てるゲームでは・・・ある事もあるが。まぁ「普通の引き」なら、考えないで勝てるゲームじゃあ無い。
 基本的には引いたタイルが
 ・誰に渡ると
 ・船の数値がどうなるか
 ・独占マーカーはどう動くか
 ・その結果(期待値的に)いくら儲かる事になるのか
 ・となると、どのプレイヤーがいくら払うのか
 を考え、
 ・残ったタイルの予想と、それを考えに入れたプランの練り直し
を頭の隅で考えつつ、更にタイルを引くかどうかを決める。船が一杯になってくると、これに
 ・何枚タイルを引けば、誰が競りに参加出来なくなるか
が加わる。
 どれ位考えるかと言うと、普段殆ど長考しない俺が数分考え込む位。まぁ途中からはある程度(あくまで「ある程度」)は掴めたから、「何となく視えた」数字を元に、盤面の情報とすり合わせつつ微調整する、と言う動きに変わったから大分短くなったが。
 勿論「何となく視えた」≠あてずっぽうな訳で。
 俺的にはこれが出来る様になると競りゲー初心者脱出なんじゃないかなぁ、と思ってるんだが。でもこの辺りの感覚って説明し難いんだよねぇ。難度の高い競りゲー(俺が所有してるモノ。具体的にはメディチ家とストロッツィ家・モダンアート・メディチ)ではこれが出来るのは絶対に必要だと思うんだが、どうなんだろう。そう思うのは俺だけだろうか。
 まぁタイルの引きで負ける事も多々多々あるんだが。
 プレイ時間は1時間(4人プレイ)~1時間半(3人プレイ)。まぁ面子によって1時間~2時間の間を行ったり来たりする、と思っておけば良いだろう。
 モダンアートと違って、パーティーゲーム的な楽しみ方も出来るゲームなので、用途は広め。

 競りゲー好きだなぁ、俺。


 ・メディチ家とストロッツィ家・・・プレイ人数2人
 偉大で親愛なるクニッツィア大先生様の2人用競りゲー。基本システムはクニッツィア3大競りゲーの一つ、メディチを踏襲している(名目は「2人用メディチ」なんだから当然だが)が、ルールをちょっと追加しただけで大変な事に。
 最初はメディチ家側からのスタート。
 自分のターンに出来る事は基本的にはメディチと同じく、タイルを1~3枚引き、その(セット)価格をいくらにするかを競るんだが、
 先ず競りの方法が違う。
 メディチはワンスアラウンド方式だったが、メディチ家とストロッツィ家では指値方式に。
 これにより最終的な価値(≠価格)決定者が自分では無く相手(他者)になった事で、一気にプレイ感が重くなる。
 要はメディチ(特に人数が多い場合)は自分が引いたタイルの価格と価値を決定するのは自分なので、自分に回って来る迄の他のプレイヤーの値付けを見てから動けば良かった。まぁ言ってみれば「タイルを引く事が嫌がらせにもなった」んだが。
 メディチ家とストロッツィ家だとそうはいかない。
 自分が値を付けて相手が買わない場合は自分がその値で買わなければならないし、相手の相場観から見て「安い」と思われる様な値を付けたら買われる。
 更に言えば、メディチ家とストロッツィ家ではメディチで出来なかった
 「買うだけ買って船に積まずに捨てる」
が出来るので、相手が要らなくて自分が欲しいタイルでも安く買い叩ける訳じゃない。メディチでは出来なかった借金も出来る様になってるし。
 で、タイルを買ったら買ったで、
 今回は積載量3~5の船を、2~3種類(商品は(金を除くと=独占マーカーが動く商品)4種類ある)の異なった商品を扱う3つの港につける事になる。
 で、ラウンド終了時の得点計算では、
 独占マーカーの移動はその港で扱っている商品に関してのみ行われる
 要は関係無い商品を積んだ船をつけてしまうと損(船そのものの価値の競争があるので、全くの無駄、と言う訳では無い)、と言う事。
 独占マーカーの移動は綱引き形式になっていて、メディチの時は大した使い道が無かった0ポイントのタイルが大活躍。1枚で独占マーカーを2マス動かせる。
 ターンプレイヤーの移動も変わっていて、タイルを購入したプレイヤーが次の手番を行う様になっている。
更に、ラウンド終了時の処理も変わっている。
 メディチは誰か一人だけが残ったら、最後のプレイヤーは船が満杯になる迄(タイルが船を満杯にする程に残っていない場合は残りのタイル全部)タダでタイルを引けて、そっから得点計算だったんだが。
 メディチ家とストロッツィ家は違う。
 メディチ家とストロッツィ家のラウンド終了条件は、
商品が尽きた時、または、どちらかの船が満杯になった時
になっている。
 これにより、メディチではほぼ(全員が値を付けずに捨てられるタイルが大量に出る場合があるので、絶対に、では無いが)ありえなかった、
 誰かが一方的に船を満杯にしてラウンド終了→得点計算で積載量足りないプレイヤーがダダ凹み
と言う現象が起こり得る。
 で、得点計算したら、第2・第3ラウンドはストロッツィ家側からスタートする。
 簡単にメディチとの差違を纏めておくと、
 ・同じ点
 1・タイル引いて値付け
 2・船の積載量が有限
 ・違う点
 1・競りの形式(ワンスアラウンド形式→指値形式)
 2・船が3台あって、それぞれ動く独占マーカーが違う港につける
 3・ターンプレイヤーはその前のターンに競り落としたプレイヤー
 4・ラウンド終了条件
 5・借金可能
 6・自分の船に積み込むつもりがなくてもタイルを買える(買ったタイルの破棄が可能)。
 7・0のタイルが強力に
 8・金のタイルが増量&パワーダウン
 9・(2~5人プレイではあった)ランダムのタイルリムーブが無くなった
って感じか。

 感想。
 基本的な流れはタイルを引いて値付け、と言うメディチと同じ流れなので一見同じ様に見えるが、ぱっと見では細かく見えるルール群によって、全く違うゲームになっている。しかもその細かいルール一つ一つが値付けにクリティカルな影響を与えるんだからタチが悪い。楽しいなぁもぅ。
 モダンアートは各画家の絵がいくらになりそうか、は盤面を見れば大体分かった(無論手札と相談しつつ、と言う話になるから、完全に分かる訳じゃ無いが、ある程度のあたりはつけられた)から、比較的値付けがし易かった。メディチの場合は悩ましいのは悩ましかったが、他のプレイヤーが軒並み3つ以上の積載量の時に3枚引いてタダ同然の値段で買い叩いたり、最後迄自分で買わずに他のプレイヤーに買わせて、最後にタダで一気にタイルを引いたり出来た。
 が、メディチ家とストロッツィ家ではそうはいかない。
 先ず、盤面は(メディチと同じく)あくまでも現在の状況を提示しているだけに過ぎず、それを見たからと言って(体感的にですら)モダンアートの様に相場感が掴める訳では無い。
 そして、メディチの様に「後出しの有利」がある訳でも無い。逆にラウンド終了条件の変化のせいで早め早めに買わないと血反吐を吐く事になる。更に、競り落としたプレイヤーが次のターンプレイヤーになる、と言うルールがそれを加速させる。
 逆に言えば、ターンプレイヤールールの最大の利点は(タイルの質と言うより)引く枚数を調整出来る、と言う点ではなかろうか。タイル量のアドバンテージを取っているプレイヤーがターンプレイヤーの権利を得れば、一気に優勢に立つ事が出来る(少なくともプレッシャーはかけられる)し、タイル量のアドバンテージを取れていないプレイヤーにとってはターンプレイヤーの権利(と言うより、引く枚数を調整出来る権利)は何物にも代えがたい程重要になる。
 この様に、値付けの計算に絡む変数がメディチやモダンアートとは桁違いに多い。
 ぱっと思い浮かぶだけでも、
 ・どちらのプレイヤーが
 ・どの船に載せるか
 ・未だ港につけていない船が複数ある場合は、どの船に載せてどの港につけるか
 ・船に載せた場合の合計の点数の変化(どの船に載せるか、どの港につけるか、相手の状況によっても変わる)
 ・船に載せた場合の独占マーカーの変化(どの船に載せるか、どの港につけるか、相手の状況によっても変わる)
 ・船に載せた場合の積載量の変化(どの船に載せるか、どの港につけるか、相手の状況によっても変わる)
 ・競り勝つ事によるターンプレイヤーの移行
 ・残りのタイルの状況と、それによる戦術の変化
 ・これらを考えつつ、何枚タイルを引くか
etcetc
 これは未だ一部で、実際はこれらを相手がどう判断するかも読みながら展開していく。
 ゲームシステム的には競りゲーの極北の様なゲームだが、競りゲーの醍醐味である「値付け」に特価した、濃厚な競りゲー。
 相場はモダンアートの様に場に提示されている訳では無い。どっかで誰かが言っていたが、「イントリーゲ的な相場形成ゲーム」と言うのは当たっている。プレイヤー間で相場を作るイントリーゲとの差は「プレイヤー間で相場感のすり合わせをする」ので、「相場を作る」と言うより「何となくお互いの相場感を一致させていく」と言った感じ。
 上記の理由で、このゲームを楽しむ為にはプレイヤー同士のレベルが(同じとは言わないが)ある程度近い事が望ましい。しかも高いレベルで。これが難しい。正直現在対朋友専用ゲーム。多分当分ずっとこのまま。
 難易度的には
メディチ家とストロッツィ家>モダンアート≒メディチ>ラッツィア>クーハンデル
と言った感じか。「ゲームシステムの一部に競りがある」とかは含まない。俺が所有している、所謂「競りゲー」のみを対象にしている。
 血反吐吐く程濃い競りゲーがしたい人にはお勧め。体感的な「重さ」は(無論ベクトルは違うが)ケイラスとかザイファルトの奴に匹敵する。面白いですよ?吐きそうになるけど。いやむしろ吐きそうになるから面白いのか。脳細胞をフル回転させてくれる、数少ないゲームの一つ。


 ・モダンアート
 クニッツィアの最高傑作その1にして至高のボードゲーム。競りゲームの集大成。
 プレイヤーは画商になって5人の画家の絵を売買します。
 ターンプレイヤーは自分のハンドから1枚(絵によっては2枚)絵を出します。で、絵に書かれた5(実質的には4)種類の形式のオークションで競りを行い、その絵を手に入れます。その時に支払った代金は絵を出したプレイヤー(自分で絵を出した場合は)銀行に振り込まれます。
 特定の画家の絵が5枚場に出たら即ターン終了。人気の出た画家の絵には高い値段が付きますが、人気の無い画家の絵には値段が付きません。具体的には、場に出た枚数が全体の4位以下の画家の絵はタダで売り払われます。
 で、全員が持っている絵を処分したら1ラウンド終了。次のラウンド開始時には規定枚数のカードを引いて現在の手札に加え、ゲームを再開します。これを4ラウンド行って所持金の1番多いプレイヤーの勝利。尚、2ラウンド目以降の絵の価値には以前の価値が上乗せされますが、そのラウンドで4位以下であれば値段がつきません。
 ルールはシンプル(一部クニッツィアらしいルールもあるが)。でも面白い。
 芹ゲーは相場観が掴み難いものが多いが、これは前期までのその画家の価値が場に表示されている為、とても判り易い。その期に大体どの程度の値段で売れるのかが予想出来る為、ゲームプランが立て易い。が、4種類もの競りの仕方がある為ゲーマーにも飽きさせない作りになっている。ダブルで1発逆転も狙えるし。
 競りゲーは基本的に初心者向きのゲームが少なく、ゲーマーズゲームになり易い(メディチとかメンバーズオンリー辺りはゲーマー寄り。ラーは比較的ゲーマー寄りの印象は薄いが、それでも初心者には勧め難い)んだが、これは初心者からゲーマー迄、どのレベルのプレイヤーにも勧められると思う。何で93年のゲーム大賞取って無いんだよ(ゲーム賞は取ってる)、と思うが、確かこの年はブラフだった筈。ゲーム大賞の意義を考えたら、まぁしょうがないか、と思わないでも無い。でも取って欲しかったなぁ。
 と言うのが最初の感想だったが、何回もやっていく内に分かった。
 これ初心者には無理だ。
 「相場観が掴み易い」ので、プレイ自体はし易いんだが。


 ・郵便馬車
 ザイファルトのボードゲーム大賞2度目の受賞作。ちなみに最初の受賞作はマンハッタン。
システム的にはチケットトゥライド系の線路(郵便)繋ぎゲー。
 ドイツ全土に郵便網を築きましょう、と言うゲーム。
 手番に出来るのは、
1 場に公開されている都市カードを1枚引く
2 手札にある都市カードを1枚展開する。既に展開している場合、それに繋がる(一筆書きになり、循環しない)様にしか展開出来ない。展開出来ない場合はそれ迄に作った郵便網を破棄しなければならない。
3 展開している都市カードが3枚以上なら郵便網を完成させて駅舎を配置(各地方毎に1つか一つの地方に全部か選べる)したりボーナスタイル(5枚以上の郵便網を完成させた時や、一つの地方全部(僻地の場合は隣接する2つの地方)に駅舎を配置、或いは全地方に駅舎を配置出来たら貰える)を貰ったり、馬車がランクアップしたりする。
 で、毎ターンに1度4種類の特殊プレイの内から一つ、選んで出来る。これは
・都市カードを追加で1枚引ける
・都市カードを追加で1枚展開出来る
・場に出ている都市カードを一新出来る
・郵便網を構築する際、より大きな馬車が貰える(少し違うが)
の4種類。
 誰か一人が手元の駅舎を全部展開するか、馬車が最大になればゲーム終了。馬車の点数に各種ボーナスタイルの合計を足した点数が最大のプレイヤーの勝利。
 先に結論から。
 2006年のボードゲーム大賞受賞作なんだが、
 俺的にはブルームーンシティーの方が上。何故これが大賞取ったのか分からない。初心者向けでは無い(かなりアブストラクト感が強くて、計画的に動かなければならない)し、ゲームの肝を理解するのが難しい。
 システムはチケットトゥライドなんだが、チケットトゥライドの様な軽さやビジュアル的な分かり易さも、ハチエンダの様な陣取りの重さも無い。多人数ソロプレイなゲーム。
 これがサンファンみたいに20分程度で終わるんなら問題無かったが、このゲームみたいにセットアップも含めると1時間かかるゲームだと話は別。
 場の都市カードの一新や相手が欲しそうな都市カードを取る位しか他プレイヤーとの絡みが無いので、ほぼ完全に「自分の郵便網を如何に素早く、効率的に構築するか」と言うゲームになる。
悪くは無いが、同系ゲームなら
・初心者向けのチケットトゥライド(or蝶初心者向けのトランスアメリカ)
・それなりに重い陣取りが楽しめるハチエンダ
・ヘビーゲーマー向けのチケットトゥライドメルクリン(2~3人プレイ)
と選択肢が大量にあるので、わざわざこれをする必要があるのか、と思う。
が、逆に言えば邪魔されずに自分の郵便網の構築に没頭出来る(袋叩きされない)ので、某君等とやるにはこれが丁度良いかもしれん。
 後はチケットトゥライドやハチエンダに比べて後片付けがし易い、とかか。
2人でしかやってないが、2人でも3人でも4人でもプレイ感が変わらない筈なので、そこは良い点かもしれん。
 まぁ全体的にはバルトマイスター程では無いが、拍子抜け、と言った感じ。「ザイファルトのゲーム」をするなら、ボードゲームならマンハッタン、カードゲームならサンファンで良いだろう。


 ・妖精奇譚・・・プレイ人数2~5人
 100枚(上級ルール。初級(或いは基本)ルールなら80枚だった筈。)のカードを適当にシャフって各プレイヤーに5枚づつ配る。

 ドラフト。

 全カードをドラフトし終えたら5枚の内3枚を公開。残り2枚はリムーブ
 これを4回繰り返して、3×4枚のカードの合計点が最も高いプレイヤーの勝利。

 ほぅら簡単………って痛い痛い痛い。石を投げないで下さい。
 MtGのブースタードラフトやカサソラ メルクル, マルセル=アンドレのフェレータ、フェドゥッティの操り人形、或いはフェルドのノートルダムと言った、所謂ドラフトのシステム(無論これらはMtGのブースタードラフトが元になっている。又、一概にドラフトと言っても、ソロモンドラフト(このシステムを搭載したゲームとしては、サンマルコがある)やロチェスタードラフト等、様々な種類があるが、ここではブースタードラフトのみを扱う)を搭載しているゲームはいくつかあるが、他のゲームは「ゲームシステムの中にドラフトを組み込んだ」のに対して、これは「ゲームシステムそのものがドラフト」と言う点が(一応ラミー系のシステムを足し合わせたと言えなくは無いが)異なる。
 そして、このゲームの長所も短所も結局はここに帰結する。
 長所はドラフトがたったの10~15分で出来る、と言う点。某君達とやったから30分近くかかったが、並のゲーマーとやれば確実に20分以下で出来る。大して考えるゲームじゃないし。
 これは割と大きい。(同じドラフトをシステムに積んでいる)ノートルダムは慣れたプレイヤーがやっても30分位はかかってしまうし、セッティングや片付けに手間取るのでやはり40~45分は見ておく必要がある。フェレータは45~1時間はかかるし、操り人形は1時間超級。本家マジックのブースタードラフトだと正式な(8人)ルールでやれば(各マッチの長さによるが)2~3時間はかかるだろう。
 それらに比べると、やはり「1時間で2回プレイ出来る」のは大きい。

 で、短所。
 これは、簡単に言ってしまうなら「ドラフトの良さが薄い」点。更に言えば、「手段が目的化した事による弊害」と言った所だろうか。
 どう言う事か。
 例えば、マジックのブースタードラフトなら自分のパックから2枚引く事になる。
 これは妖精奇譚も同じ(4人プレイの場合)だが、状況が異なる。
 ブースタードラフトだと2枚目を引く時は「後7枚」残っている。
 妖精奇譚の場合、「後1枚」しか残らない。
 この差は大きい。しかも、妖精奇譚の場合、単発では使えないどころか(実質的に)足を引っ張るカード(クローズ)が存在しているので、3/5と言っても、実際は3/4、下手をすれば3/3、と言う事もあり得る。
 となると、どうなるか。
 カットが出来なくなるのである。これが痛い。
 つまり、相手の邪魔をする暇が無く、各プレイヤーが自分の欲しいカードを取り合う(無論「バッティング」は存在し得るが、それは単に「早い者勝ち」と言うだけである)だけになり安い。
 これは、(フェレータを除く)他のドラフトシステムを積んでいるゲームにも言える事だが、基本的にドラフトをする事で得られるカードが全て+の作用を及ぼす場合、カットする事が可能になる(正確にはカットし易くなる、だが)。
 が、このゲームの様に(相対的にであっても)単体で自らの勝利に対して-の作用を及ぼすカードが存在し、それが占める割合がそれなり以上に大きい場合、カットは先ず出来ない。
 他のプレイヤーに対する影響力を(恣意的に)行使出来ない、と言う訳だ。
 又、他のゲームにおける「ドラフト」と言うのは、つまる所「カードの再分配の手段」でしか無い。少なくともシステム的には。ドラフトによって各人にカードが(各人の規準でそれなりに平均的に)行き渡ってから、改めてそれを利用したゲームが始まる、と言っても良い。
 が、このゲームにおける「ドラフト」は、それがゲームそのものになってしまっている。ドラフトしたカードを元にMtGの様にデッキを作ったり、ノートルダムの様に街を開発・発展させたり、フェレータの様に薔薇戦争をしたりすり訳では無い。
 ので、「読み合い」或いは「ゲーム(ドラフト)プラン」が非常に弱くなってしまっている。これでは、ドラフトの面白さを引き出しているとは言い難い。やはり(MtGのドラフトの様に)もっとカードの枚数そのものを増やすなり(ドイツゲームの様に)他のゲームシステムと平行して使えばもっと面白かったんではないか、と思う。

 総合的に見れば割と批判的な事を書いているが、決して悪いゲームでは無い。日本人がデザインしたゲーム、と言うだけで取り敢えずOKな位(日本人がデザインした商品化されたボードゲーム、と言うのは驚く程少ない。無論人生ゲーム等は含めずに言えば、だが。)だし。
 ただ、基本的にシステムがドラフトしか無いので、やはり他の「ドラフト+α」のゲームと比べてしまうと多少見劣りはする。
 が、軽いしゲーム的にも単純なので、ドラフトを知らない、或いはMtG(のブースタードラフト)しか知らない人にやらせるゲームとしては丁度良い。
 2個買って一度のドラフト枚数を10枚、場に出すカードを5~6枚にするだけで割と印象が変わると思うんだが、どうだろう。


 ・ラッツィア!
 クニッツィアの傑作競りゲー、「ラー(ラベンスバーガー社のアレアブランド第一弾として発売された記念すべき作品。その後リオグランデゲームズからも発売された筈。アーバープレイ社から復刻版が出たが、現在ではこちらも入手困難。1999年のボードゲーム賞2位)」のリメイク。
 ラーは舞台が古代エジプトだったが、ラッツィア!はマフィア。ちなみにステファン=ドーラがほぼ同じタイトル(ラッツィア)で違うボードゲームをデザインしているので注意。
 初めにお金チップを3~4枚(公開)持ち、3ラウンドを行い、最終得点が高いプレイヤーの勝利。
 ルールは単純。自分のターンに出来るのは以下の3択。
・カードを引いて、場に出す・・・ラッツィア(警官カード)は場に出ているお金チップの上に、それ以外(基本的に全部得点になるカード)は下に出す。ラッツィアが出たら競り。
 尚、下に置かれたカードが7枚になっても競りが開始される。
 ラッツィアが7枚になったらそのラウンドは終了(強制)。
・競りを開始する・・・カードを引く代わりに競りを開始する。
・泥棒カードを使う・・・カードを引く代わりにそのラウンドに競り落とした泥棒カードを使う事が出来る。泥棒カードを使うと、場に出ているカードを1枚取る事が出来る。使った泥棒カードはゲームからリムーブ。
 基本はこれだけ。
 競りのルールも単純。
 競りを開始したプレイヤー(ラッツィアを引いたプレイヤーor自発的に競りを開始したプレイヤーor(引いて)場に出したカードが7枚になったプレイヤー)の左隣のプレイヤーから、お金チップを1枚かけるかパスかを選ぶ。その次のプレイヤーはその前のプレイヤーが出したお金チップより大きい(全てのお金チップの値段は違うので、同額にはならない)お金チップを一枚かけるかパスするかを選ぶ。
 これを一周(競りを開始したプレイヤー)迄行い、最大のお金チップをかけたプレイヤーが場に出ているカードと、場に出ているお金チップ(取ったお金チップは裏向けにしておく。これは次のラウンドで使うお金になる)を取る。その際に使ったお金チップは場に出しておく。これが次の競りで得られるお金チップになる。
 尚、全員がパスした場合の処理が競りの始め方によって異なる。
 ラッツィアを引いた場合はカードはそのまま。
 自発的に競りを開始した場合は、自発的に競りを開始したプレイヤーがお金チップを出さなければならない(強制)。
 場に出したカードが7枚になった場合は、そのカードをゲームからリムーブする。
 で、ラウンドが終わったら点数計算。
 カードは種類によって点数計算の方法が違い、
 ・一番多く持っているプレイヤーが+5点、一番少ないプレイヤーが-2点
 ・全く持っていないと-5点、1~2種類持ってたら0点、3種類で5点、4種類で10点、5種類で15点
 ・3ラウンド(最終ラウンド)目の得点計算時にしか効果の無いカード
 等がある。×印がついているカードはそのラウンドが終わったら破棄する。場に残っているラッツィアも含めた全てのカードも破棄する。
 これを3回繰り返し、得点がトップのプレイヤーが勝利。


 ・ラムと名誉
 前回はルールの読み違えがあった(各プレイヤーが3種のアクションから一つを選んで行く。)ので、今回はルール通りにプレイ。
 ダイスゲーではあるが、あくまで乱闘等各種処理をダイスでやる、と言うだけなので、ダイスの強弱がゲームに決定的な影響を及ぼす訳では無い。
 確かに寝床は点数高いが、取らないと勝てない、と言う訳では無い。寧ろ毎ラウンドに最後になるのが最重要。最後になれば追加のコイン無しで移動し放題なので、かなりご無体なプレイが可能に。酒場→海賊→コイン→海賊とか。わざわざパスするのに1コインかかる理由が良く分かる。
宝箱や見張り、海賊の道具や(酒場で)ダバダ、ランデブー辺りは寝床より少し低い~ほぼ同じ得点だし、地図は2枚必要だが高確率で寝床以上の得点になる。
 と言う事は、結局一番多く動いたプレイヤーの勝ち、と言う事。
 その為には最後になる事だが、これには先ず金が要る。
 と言う思考でダバダを主軸に動いてみた(複数枚のコインをゲット出来る可能性があるのはダバダのみ。この辺はちょっと微妙なのでチェックし直す必要があるが)。結果的にはこれが大正解だった。
 このゲームで金を得る手段は
・コイン
・小さい見張り
・ダバダ
しか無いので、これの有効利用が勝利への近道ぽ。
 状況にもよるが、最も得点効率が良いのはダバダと宝箱。ダバダは複数枚のコインが手に入る可能性があるし、1枚+得点でも十分。小さい見張りと比べると良く分かる。無論他のプレイヤーにも得点チャンスがあるから小さい見張りの完全上位互換、と言う訳では無いが、うまくいけばコイン2枚+7点、とか貰える。
 宝箱は他のプレイヤーにマイナスを押し付けられるのが重要ポイント。自分が蠍を取らなければ、だが。
 寝床は1位狙いで海賊を大量に突っ込むのはあんまり点数効率が良く無い。余りを何個か突っ込んであわよくば、位で丁度良い気がする。
 とまぁこんな感じ。カタンと同様にダイスゲーだが、そのプレイ感の違いは中々面白い。


 ・リシュリュー・・・プレイ人数2人
 「2人用王と枢機卿」と言われると、正直「?」と言う感じ。レビュー等で見ていた王と枢機卿のイメージよりももっとパズル感が強い感じだった。
 4×12枚のカードを取り合って(この時「各列(4列)の一番外側」からしか取れない。又、同色の紋章を3枚以上集めていれば2回行動可)、最後に各色の紋章の多寡、色と関係無く書かれている3つのマークの多寡によって勝利点を算出し、多い方が勝ち。端折りまくったが、大体こんな感じ。
 一応完全アブストラクトでは無い(チップがある)が、かなりアブストラクト感が強いゲーム。案の定朋友は好きじゃなさそうだったが。
 まぁでも基本的には読むのは2手先迄で良いので、考え方としては寧ろローゼンケーニッヒに近い。全体でMAX8通り(×8通り)しか無い、と言う選択肢の少なさもローゼンケーニッヒ的と言える。
 俺は割と好きだが、これは好き嫌いがはっきり出そうなゲーム。
 アブストラクト系が好きな人なら、って感じか。
 でも俺純正アブストラクト系は嫌いな筈なんだがなぁ。まぁ「アブストラクト感が強い」って位のゲームが好きって事で。
 難点としては、小さいカード(カタンのカード並)だが横に12枚並べるので、結構スペースを取る点だろうか。
 全体にその色が何枚あるかはカードに書いてあるのでカウンティングは楽だし、アブストラクト系の入門用としては………ローゼンケーニッヒの方が良いか。雰囲気あるし。


 ・ルイ14世・・・プレイ人数2~4人
 ルイ14世の取り巻きに近付いて褒美を貰って、それを使命カードに変換してゲームを有利に進める、と言うゲーム。使命カード(と紋章)が勝利点になる。
 基本は斜め移動のドーン歩きな陣取り。影響カードを1枚出して、書かれている取り巻きの所から最大3個コマを置いてドーン歩き。
 褒美を貰う方法が三種類(1位のみ、1位は無料で2位以下なら賄賂を支払えば、規定の数のコマを置けば)ある。
 影響カードは捨てる事でコマを補充する事が出来る。
 基本はこれだけだが、ルイボーナスに取り巻きの効果にタイルひっくり返したり陰謀カードにどれが全体ストックに関する処理でどれが個人ストックに関する処理で………
 等と、細かい処理が大変多いゲーム。慣れればどうと言う事は無いが、日本語化or説明書の人数分のコピーは絶対必要。

 陣取りとしてはかなり上質なゲーム。目新しいシステムは無いが、システム的には非常に完成されている。カードのドロー運が無くても戦略でひっくり返せる。素晴らしい。
 4ラウンドやるので、3人プレイだとラス番が有利。まぁでも何とかなるレベル。
 長時間かかる陣取りゲーの中でもエルグランデやハチエンダ、メルクリンと並んでトップクラスじゃなかろうか。「砂漠を越えて×2と同じ時間」とかは考えない方向で。

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