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ちゃんとビターな血、獅子、馬鹿 「クレイヴン・ザ・ハンター」


#ネタバレ


予想に反してこれは、けっこう楽しめました!いや〜過去のSSU作品もこのくらいのクオリティで作ってくれてたら、打ち切られずに本筋と派手な合流も叶ったかもしれないのに…



スパイダーマンのヴィランを主役に据えたスピンオフシリーズ、ヴェノムもモービウスもマダム・ウェブも基本的にはそんなに面白くない作品だったと感じていまして

特にモービウスね…公開前にちょっと過剰なレベルで劇場が推していて、あぁこれはクオリティ的にロングランが見込めなくて初週の興収だけでもなんとか担保しようとしているんだなと、そういう気配を感じながら鑑賞したら案の定…という苦い経験があり

しかしその後の公開作品も、アメコミ映画ファンとしてもはや義務という気持ちで、誰に頼まれるでもなく自らの血反吐をゴクゴク飲みながら、公開のたびに劇場へ駆けつけていました

なので今回ももちろん期待はしていなかったのだけど、予告の雰囲気からして、これまでよりはちゃんとしたヴィラン映画になれているのでは?と思ったりはしていた



そういった経緯があるので今回は、いわゆる70点満点で90点!みたいな方向での満足感がしっかりあった、という感じです


まず中身どうこうの前に、すっかり肉体派としておなじみになってきたアーロン・テイラー・ジョンソンの説得力あるたたずまいという時点でもう、一定のラインを余裕で超えてきてるというのはかなりあると思う

日本で言うと鈴木亮平みたいな、肉体そのものがストーリーを語ってる感じの主役像がばっちりだったと思う

作中のクレイヴンは単に粗野でマッチョというだけではない、品性や優しさも垣間見える複雑なキャラクターとして描かれているので、そういうニュアンスまで全てドスンと表現しきっているのは見事だと思いました
弟や父親、あとライノ役も含めて、基本的にキャスティングのハマり具合はばっちりだったんじゃないだろうか



あとストーリーもね!全体的にちゃんとビターであり、強くあろう・正しくあろうとしたがゆえの闇堕ちという展開が複数用意されていたりで、飽きずに最後まで楽しく観れました

細かいところまでよくできてるかと言えば別にね、カリプソを見つけられた理由が「ハンターだから」だけだったり、よく分からん高速カウントダウン暗殺者の介入だったりと、整理されてないどころか普通にノイズになるような展開もしっかりあることはあるけどね…まぁご愛嬌の範囲だったように思います個人的には


黒スーツの5人組?がカリプソを追ってくる場面ではさすがに、電話→下の階を見る→ちょうど怪しい男たち(別に怪しくない見た目)が歩いている→すぐ逃げる というバカすぎる展開は味わい深かったな〜、こういうのはむしろ嫌いじゃない

恐ろしくダサい能力覚醒シーンもまぁ、もっと頑張ってほしくはあるけどまぁこれはこれで



反面、アクションシークエンスはけっこう迫力あって驚いた!!特に弟を追いかけるシーンと終盤のライノ戦、どちらもダイナミックでありながら整理されてもいて、こういうフレッシュさが大事だよねやっぱり

ライノは変身前のミニミニリュックも相まって、しっかりキモいヴィランになってたのでそこも好きでした
アクション的な見せ場を終えてからの結末も、苦味の強い余韻を味わうことができる作りになってて良かったな〜

なんにしても、ヴェノムから始まったこのシリーズで唯一、また観たいなと思える作品だったと思います



必死で追いかけてきたSSUがあっさり幕を閉じることとなった今回、広げた大風呂敷をこそこそ畳むようなことすらしない作りになっていたわけだけど

でもまぁ映画って本来は単独で完結しているべきだし、これまでの経緯を踏まえない方がさらに楽しめる作品だったと思う
その意味ではSSUに殺された作品とも言えるし、あるいは幕引きとして往生際の悪さを感じさせないスッキリとした作品だったとも言える、なんにせよそれなりに面白く観れてよかった


次こそは、今度こそは!!と期待してしまうのがアメコミ映画ファンの悲しい習性だと知りつつ、ひとまず来年のキャプテンアメリカとサンダーボルツを震えながら待ちたいと思います


#映画 #感想 #クレイヴンザハンター #マーベル #映画感想文

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