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納期を伝えるのって難しい
言葉を選ぶことは簡単だが難しい。
その言葉を放った本人からしたら何気ない一言なのだが、受け取る側の人間にとってはそれが全てだと感じることがよくある。
例えば私は現在、販売の仕事をしていており、商品を売ると言うよりも商品を買った後の事を売っていると実感することが多々あるのだが、その中で一つ「納期」つまり契約をして商品がいつお客様の手元に届くのか、と言う説明をする際、私はかなり慎重になる。
単純な話「買った商品はいつ届くのか」という半分疑問、半分怒りのクレームなんかは良く耳にするし、納期が明確でなければ不安になるのは当然の話だ。
しかし私が扱っている商品は在庫を抱えてるものではなく、いわゆるオーダーメイドの商品であり、さらには完成までに様々な人が関わるので非常に納期の目安が把握しづらい。
さらに言うと私はその完成までの工程の中には含まれておらず、私は結果を伝えるだけの仕事をしている。
はっきり言う、私は納期がわかっていない。納期が遅れる事や早くなることもあるが、その原因も何もわかっていない、知らされもしない。
結果しか知り得ないと言った点ではお客様と同じ立場にいる。
様々な販売の経験をしてきたがどこも販売員なんて所詮そんな感じであった。
只、お客様にとって購入した商品の疑問や感想を向ける窓口は私しかいないのである。
故に私は「納期」を伝える時、小さな期待を与えてしまうような曖昧な想像や、たかだか数年の経験則による回答を避けている。
表面だけ見れば私は、お客様にあまり期待を持たせない、ある種小さな裏切りをしているのかもしれない。
ソースのない希望を持たせて今喜ばせるより、都合が悪くても真実を伝え、裏切らないことの方が売り買いをする人間関係の構築には大切なことだと思う。