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強引にこの世界から連れ出してくれないかな

日記46日目。

アニメ「ブルーピリオド」第9話を見た。今回は心に刺さる台詞がいっぱい飛び出した回だった。
そのうちのいくつかについて語りたい。
この記事にはネタバレが含まれます。

ひとつめ、

「絵が得意でもずっとやっててもすごく好きでも戦うことが辛いならそれを選ばなくても良いんだよね。自分に無理のない選択するのって案外ムズいじゃん?」

アニメ「ブルーピリオド」第9話より

主人公八虎の予備校仲間である桑名の台詞。
桑名の友人は美大を目指していたがストレスで摂食障害に陥ってしまい、美大を諦めお絵かき教室でバイトすることを決めて前より元気になったと話しているときの台詞だ。
辛いのであれば逃げてしまえば良いはずなんだけど、今まで自分がそのひとつのことに懸けてきたのであれば、そこから抜け出すことはなかなか勇気のいることだ。それに、新しい選択をすることはかなりエネルギーを使う。その後のことを一から考えないといけないし、今までの自分は無駄だったのではとひどく落ち込むかもしれない。周りの環境も変わるだろうし、誰かを説得する必要があるかもしれない。何より新しいことへの不安と戦わなければいけないだろう。正直、どんなにしんどくても同じ道を歩み続けることって楽ではあるんだよね。でも、それがいつの間にか心や体力を消耗していることもある。もちろん何が正解かなんて、選んでも分からない。進撃の巨人のリヴァイ兵長の名言を思い出す。たくさんの経験を経た人類最強の男と呼ばれる兵士でさえも、今まで下してきた判断が正しかったかどうかずっと分からないままだという台詞だ。それを分かっているからこそ選びたくないときもあるけど、こういう成功したシーンを見ると選択してみようかなって勇気に繋がるよね。

ふたつめ、

「正しい場所からしか話せないなら私がお前に話すことは何もないね」

アニメ「ブルーピリオド」第9話より

主人公の八虎が同級生の龍二に言われた台詞である。龍二が芸大の試験を棄権したことを知り心配した八虎は龍二に電話をする。「今から会えないか」と言われ、「今からは無理だけど」と答えたときに返ってきた台詞だ。
「正しい場所」とは、八虎がいつも「正解」を選ぶ人間であるということ。いつも「正解」の答えしか出せない人間とは話したくないというわけだ。龍二はそんな八虎をこんな風にも表現している。

「溺れている人がいたら救命道具は持ってきても海に飛び込むことはしない」

アニメ「ブルーピリオド」第9話より


第7話でも八虎は似たようなことを言われ悩んでいた。それについてはこちらの記事にも書いている。

「真面目」「優等生」「正しい」という言葉は良く聞こえるのに、それが邪魔をするときもある。でも、そうじゃない選択の仕方が分からない。悩んだ八虎は予備校仲間の橋田に相談すると、次の言葉が返ってきた。それが今回みっつめの台詞である。

「溺れてるときの息苦しさとか海の暗さは溺れた人同士でしか共有できひんやろ?その人と話したかったら八虎も飛び込むしかないんやで」

アニメ「ブルーピリオド」第9話より

それを聞いた八虎は龍二に会いに行き、自分の行動を改める。
私は八虎ほど器用な人間ではないが、どちらかというと似た選択をするタイプの人間だと思っている。だからこのアニメは共感するポイントが他よりも多い。溺れた人を助ける話も思い当たる節があって、心が痛い。間違いではないのに、自分は冷たい人間で人の心に寄り添えていないと気づくのはなんかショックだ。社会人になってから「優しさ」ってなんだろうとすごく考えている時期があって結局よく分からなかったが、もしかしてこれがひとつの答えかもしれない。自分には「優しさ」が足りない気がしていたが、私は妙に冷静なのか。優しくないのは自分が守りに入っている弱い人間だからと卑下したりしたが、「優等生」という捉え方もあったのか。でも、無理にでも相手の懐に入っていくのが良いことなのかは、やっぱり私には疑問だな。優しさについてはまた次の機会に書こうかな。

タイトルは、思い悩む龍二の台詞。
この先どうなっていくのか続きが気になる。
それでは、今日はこのへんで。
おやすみなさい。

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