見出し画像

地元系タイムリープドラマ「ブラッシュアップライフ」

最近、ドラマ「ブラッシュアップライフ」にハマっている。

安藤サクラ演じる主人公・近藤麻美(33)が人生をゼロからやり直す物語。
公式サイトには、バカリズム脚本の「地元系タイムリープ・ヒューマンコメディ」と書かれているが、『地元系』とは上手くつけたものだと思った。
もちろん主人公の地元の人間関係を軸に描かれている部分もあるが、この作品の素朴さ身近さ生活感も上手く表現していると思う。
ドラマなのに、タイムリープものなのに、劇的ではない妙に親近感を感じる不思議な作品。
この空気感がやみつきになってしまう。

その中でも、私のやみつきポイントは、

  • アラサー女子必見の懐かしエピソード

  • バカリズムらしい細かすぎるあるあるネタ

  • 人生2度目でも上手くいくとは限らない

この3つのポイントだけ語らせてほしい。


1.アラサー女子必見の懐かしエピソード

主人公は0歳から人生をやり直すことになるので、ドラマの中では幼稚園児や小学生の頃のエピソードも描かれる。
私が最も懐かし悶えたのは、「シール交換」
小学校低学年の頃、放課後に友達と会うときは必ず持ち出していたシール手帳。
作品の中で、このシール交換の時こそが「交渉術」を学ぶ場だったと描かれている。人気のタイルシールやフェルトシールを貰うためには、自分の手持ちのシールでどう戦い交渉するかが鍵となる。やはり、小学生は小学生で大変なんだと改めて思う。
因みに、私は一番のお気に入りをシール手帳に貼らないタイプだった。2番手、3番手以降をシール手帳に貼り、1番手は誰にも譲りたくなかった。もし1番手を誰かに欲しいと言われたら、上手く断れないことを解っていたからだ。私は交渉から逃げていたタイプの小学生だったのかもしれない。そこは今と変わらない。
その他にもたまごっちやプロフィール帳、当時流行っていたドラマや音楽がたくさん登場してそれに気づくだけでも楽しい作品だ。
ここにこの作品の魅力のひとつである「身近さ」が隠れていると思う。


2.バカリズムらしい細かすぎるあるあるネタ


バカリズムのネタにもよく出てくる、めちゃくちゃ共感できるけどよくそんな瞬間覚えててネタにしようと思ったなあというエピソードがたくさん散りばめられている。
例えば、第一話で麻美と親友の3人で行ったカラオケで地元の同級生・ふくちゃんが働いているところに遭遇する場面。ふくちゃんはサービスでポテトを出してくれるのだが、食事を済ませたばかりの3人にとっては余計なお世話だった。
この優しさが空振るところもあるあるだが、3人の掛け合いがまた絶妙に共感する。最初は、お互い「食べてね?」「食べるよ」と交わしながら少しずつつまむのだが、しばらくして一人が「正直、入らなくない?」と言うと、他の二人も今まで黙っていた本音がこぼれ出て「サービスだから残しづらい」「ポテトくれるならドリンクをサービスしてほしかったよね」とまで言ってしまう。
私にも身に覚えがある。
繁忙期になるとお昼休憩が十分にとれない我が職場だが、上司が時々気を効かせてお昼ご飯を買ってきてくれる。しかし、いつもそれが某弁当屋の揚げ物盛り盛り弁当で、私たちはお礼を言いつつも陰でお弁当の譲り合いをしていた。私たちにこのコロッケと唐揚げと海老フライとハンバーグを食べる時間と元気は無かったのだ。おにぎりかパンかサンドイッチで良かったんだ。分かってくれ、上司。
ドラマの話に戻して、こういった細かい日常ネタがたくさん散りばめられており、多くの人が経験しているのではないかと思うこの絶妙なあるあるネタが笑いを誘う

3.人生2度目でも上手くいくとは限らない

ドラマの世界では、現世でいかに徳を積めるかによって来世が決まる。そのため、主人公はタイムリープをして徳を積む努力をする。もちろん前回の記憶を持ったままタイムリープするので、より良い人生を送る努力ができる。
しかし、人生とはそんなに簡単なものではないらしい
ここから先は大きくネタバレを含むので、読みたくない方はとばして頂きたい。


特に主人公と元彼とのエピソードでは、それが顕著に表れていた。
1回目の人生の大学時代の元彼はギャンブルに溺れ、お金を貸したまま返ってこなかった。そんな彼と付き合わなかった2回目の人生、彼は年商10億の男になっていた。3回目の人生でもう一度付き合うが、主人公がどんなに頑張っても結局ギャンブルに溺れてしまい別れることとなった。そして、大人になってしばらくすると、いつの間にか彼は年商9億の男になっていたことが判明した。これは、辛い。私も落ち込んだ。
3度目の人生でテレビ局に勤める主人公は、自分のタイムリープの経験をドラマ化する企画が通るのだが、監督や関係者からは「地味だ」「人生2度目ならノーベル賞とったり、世界救えるくらいなるでしょ」と言われてしまう。これもまた落ち込む。


しかし、このドラマはこの普通の人生を面白く描ききっている
この普通とか素朴さとか日常とかリアルを肯定してくれる感じが居心地が良くて見てしまうのかもしれない。
良いこともあって、嫌なこともあって、やっぱりみんなそういうもんだよねと安心する。
それと、実は私たちの過ごしている日常って面白いことが起きているのかもしれないと気づくことができる。
そして、なんだか元気が出る。
そして、明日からも頑張ろうってなる。
日曜の夜に放送していることが、府に落ちる。


こんなに日常に寄り添ったドラマは初めてだ。
クスッと笑えて元気が出るので、ぜひ見てほしい。
疲れたときに見ると、また明日からも頑張れるかもしれない。



この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?