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真面目さに価値があるのは義務教育までよ

日記40日目。

アニメ「ブルーピリオド」第7話を見た。
今の自分に刺さる台詞がいっぱい出てきて、泣いてしまった。
今日の日記は、私のコンプレックスと最近の悩みが主人公の八虎と似ていたので、エピソードを通して何か解決策が無いか少し考えてみた。

「真面目」という短所

東京芸大1次試験の直前、主人公の八虎は予備校の先生に「対応力」が足りないと言われる。八虎の受験課題に対する出題者の意図を考えたり苦手を克服すしようとする姿勢が「真面目だ」と先生は言うのだ。そして、次の先生の言葉が私だけじゃなく多くの大学生や社会人に刺さる言葉では無いかと思う。

「真面目さに価値があるのは義務教育までよ」

辛い。
そして、更に追い討ちをかけるような辛辣な台詞。「良い子でいることを評価してくれるのは、そうだと楽な先生と親だけでしょ」
ついこないだ私も上司に「真面目過ぎる」と言われたところだった。私が大学生の頃からぶち当たり続けている壁だ。「真面目問題」は根深い。もはやこの問題と向き合い続けていることこそが「真面目」過ぎるのかもしれないが…。

「真面目」と言っても定義付けが難しい。決して、真剣に向き合ったり努力することが悪い訳ではない。ここでの「真面目」とはどんなことだろう。先生は八虎について「空気が読めることは悪い癖」とも言っている。「空気が読める」ということは、他人が求めるものを理解して提供すること。それが八虎の真面目さなのだ。先生は「対応力」を「自分勝手力」や「楽しんじゃう力」と言い換えるが、それでは対応力と矛盾すると八虎は混乱する。
私も混乱した。この抽象的な課題に立ち向かうのはなかなか苦労することではないだろうか。noteにも書いているが、最近仕事がしんどくて仕事中にも泣く事態が発生している。それを見兼ねた上司が、先日仕事終わりに私と面談する機会を設けてくれた。本当にこの年で泣くなんて恥ずかしい話だけれど。その時に上司に言われたのは、私は真面目過ぎるので、あるべき姿に固執し過ぎて自分を苦しめていたり、他人から言われたことを全て受け止めようとしていっぱいいっぱいになっているのではないかと。確かに周りから求められることに答えようとするんだけど、結局上手くできないし、それでまた上手くできない自分が情けなくて落ち込んでしまうところはある。しかし、「真面目じゃない」状態って分からない。「真面目じゃない」ことに引っ張られ過ぎて空回ってしまうこともある。

「真面目」をやめてみる

八虎は、その後の予備校の課題で「自分勝手な」絵を描いて、先生に「これはただテーマを無視しているだけだ」と言われる場面がある。
そうなんだよ。「真面目」から抜け出そうとするとそうなってしまう。私も大学生の時に真面目な自分が嫌になって、あらゆるところで手を抜いたり、大袈裟に自我を通そうとしてみたりしたが、他の人のようにはなれなかった。むしろ余計に劣等感を感じるようになってしまった。きっとそういうことでは無いのだろう。

親友恋ちゃんの言葉

悩んでいた八虎は、予備校帰りに会った高校の友人の恋ちゃんと二人でラーメン屋に行くことになる。ラーメンを食べながら二人で本音を語り合うこのシーンがめちゃくちゃ良い。恋ちゃんの泣きの演技が良いのでぜひ見てほしい。低い声も良い。
超強面の恋ちゃんだが、卒業後はパティシエ専門学校に入学することを初めて八虎に打ち明ける。一度は諦めた夢だったが、美大を目指し始めた八虎に影響されて決断した。それを聞いた八虎は今の自分を情けなく感じ、愚痴を溢しそうになるが空気が悪くなるのを避けて笑って誤魔化す。そんな八虎に恋ちゃんは言う。

「笑うなよ。その笑い方されると、これ以上入ってくんなって言われてるみてぇでむなしくなんだよ」

八虎はまた空気を読もうとしていたのだ。
そして、八虎は正直に今の悩みを打ち明ける。

「楽しむってすごい本気な気持ちじゃん。楽しんで作ってそれを否定されたら立てなくなりそうでこわいんだよ」

確かに本気になることって傷ついたときのことを考えると物凄くこわい。逃げたくなる。だから、八虎はいつも自分を押し殺して空気を読んで周りに合わせようと無難な行動をとってしまっていたのだろう。そんな八虎に恋ちゃんは言う。

「愚痴でもなんでも、俺たちはみんなお前の話を聞くのが好きなんだぜ」

八虎の目から涙が溢れる。こう言ってくれる存在がいることはとても大切だと思う。実は、自分が追い求めていた「求められる姿」というものは、自分の想像でしかないのかもしれない。
八虎が泣きながら「それでもこわいと思っちゃったら?」と聞くと、恋ちゃんはこう答える。

「話術で本音を隠すんじゃなくて、本音を技術で武装したら良いんじゃないか」

八虎は努力ができない人間じゃない。実際、高校2年生から始めた美術もたった1年で予備校の他の学生と肩を並べられるくらいに上達している。夜遊びをしても次の日はちゃんと登校して成績優秀をずっと貫いてきた。きっと良好な人間関係を築くコミュニケーション能力も努力で身に付けてきた人間だ。恋ちゃんは、そんな八虎のコミュニケーション力を本音を隠すために使うんじゃなくて本音を上手に表現するために使えと言ったのだ。それはきっと絵を描くときにも役に立つ。求められることを考えるのではなく、自分が描きたい絵を楽しんで表現する。そのために技術を使うべきだったのだ。
実は冒頭で先生は八虎の足りない力について「生き方まで変える力」と表現していた。しっかりここの伏線回収を恋ちゃんとの会話で回収してくれるところも良い。

この恋ちゃんの言葉にハッとした八虎はすっきりした表情を見せる。「もう大丈夫」と言い、恋ちゃんと別れる。
第7話は、芸大の1次試験が開始したところで終わってしまう。八虎は、恋ちゃんの言葉を聞いて、試験でどんな絵を描くのか楽しみだ。

真面目に落ち込むのをやめてみよう

私の真面目さも、求められる姿になろうと頑張りすぎてしまうところ。そして、その姿になれなくて自分が嫌になる。でも、その「求められる姿」は単に自分が作り上げたものに過ぎないかもしれない。過度に自分に期待している可能性だってある。本当にそこまで落ち込む必要があるのかと時々立ち止まって考えてみると良いかもしれない。
明日からまた一週間が始まる。まずこれから始めてみよう。

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