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なぜ横行してしまうのか!?疑似科学について語る!!


こんにちは、海外で現役ポスドク(生命科学系)をしておりますポス山毒太郎と申します。このnoteはあくまで毒太郎の体験を元に、偏見に基づいた感想を語っていく場です。ですのでほとんど統計値などは出てきませんので悪しからず。


今回は疑似科学や陰謀論について語っていきたいと思います。

注意!!:本記事では、疑似科学や陰謀論、それに伴う商品をひっくるめて語っていますので、分かりにくいかもしれません。また特定の商品や団体を批判する目的ではありません。

各項目について議論する気はありませんので、そういったコメントはお控えください。何度も言ってますが、ここで述べているのは筆者の偏見によるいち感想に過ぎません。いろんな意見があると言うことを理解して頂ければ幸いです。

また書いてるうちにまた悪癖で疑似科学、陰謀論全部載せになってしまい、長くなっちゃいました(テヘッ)。太字だけでも追っていただければと思います。



疑似科学とは?

まず疑似科学とはなんぞや、Wikiで定義を簡単に見ておきましょう。

ここの序文には

科学的で事実に基づいたものであると主張されているにもかかわらず、科学的方法とは相容れない言明・信念・行為のことである。

となっています。要は「科学的とされているけど、その実全然科学的じゃないものたち」ということです。

世の中にはいろんな疑似科学、似非科学が蔓延しています。そんなこと科学者が否定すればいいじゃないかと思うかもしれません。でも現実はそんな簡単ではありません。

ではまず、なぜ疑似科学が横行してしまうのか筆者なりに語りたいと思います。

あくまで筆者なりです!!感想です!!


なぜ疑似科学が横行してしまうのか? 

テレビ等のエセ研究者の存在

疑似科学が横行する理由の一つに、テレビやYoutubeにエセ科学者、エセ評論家が蔓延していることが挙げられます。彼ら彼女らは肩書きに「ー学者、ー評論家」とかありますが、その多くは胡散臭いです。

「そもそも学者の定義はなんぞや?数年以上実地で勉強したら評論家くらいは名乗ってええんとちゃうか?」と言われたら、正直言って答えには窮しますが、、、ここでは一応「その分野について博士号くらい取ってから語ってちょ!!」という事にします。

筆者も大学生くらいの頃には、テレビに出ているという理由で彼ら彼女らを「すげー」と思っていました。ですが大学の世界を知るほどに、よくわからん連中がいかにテレビでのさばっているか分かりました。

彼ら彼女らは自分の専門でもないことを簡単に断言します。テレビ受けを狙ってるのかわかりませんが、恐ろしいなぁと感じます。

また仮に肩書きがすごかったとしても、彼ら彼女らが専門外について意見を言っている時は基本的に”感想”であることを忘れないでください。

テレビ等のエセ学者に国民の皆様が慣れてしまっているので、疑似科学が蔓延していることもあるかもしれません。

以前に研究者の戦闘力(h-index)の調べ方は以下に紹介しましたのでご一読いただければと思います。

ただしh-indexも研究者の価値の一側面に過ぎないので扱いには気をつけましょう。

またテレビでは水素水とか現状疑似科学由来の商品がポップに、無責任に宣伝されすぎですね。

テレビは罪深い、、、テレビに期待しすぎですか?


東洋医学の影響?

次に東洋医学の存在が影響していると思います。ただし決して東洋医学を馬鹿にしているわけではありません!!

筆者は学部生の頃、生薬や漢方の作用機序(どうやって効いているか)に興味があって、生薬学研究室の門を叩きましたが「生薬、漢方の作用機序はいろんな化学物質の複合反応、相互作用だから解明は無理!!」と先生に一蹴されて諦めたくらいには東洋医学にリスペクトはあります。

それぞれの生薬の主成分は分かってはいますが、それらを組み合わせた漢方は作用機序はよく分かっていないまま使われている事も多いです。

ですので怪しい薬や民間療法、治療法も漢方と一緒くたにされて、ある程度許される土壌があるのだと思います。

それに比べれば、西洋医学の薬はロキソプロフェンやアスピリンなど、基本的に作用機序がわかっているひとつの有効成分のみなので、単純明快です。

繰り返しですが、東洋医学の経験知は尊重されるべきで、東洋医学の方が西洋医学より先を行っているとも言えるでしょう。

「今の疑似科学っぽい怪しい民間療法等も生き残ったやつは正式な科学になるんだ!」と言われると、、、、否定はできない。


我々大学関係の科学者にも大いに問題あり!!

筆者を含めてですが、金稼ぎに無頓着な研究者が多すぎるのも問題かと思います。別な言い方をすれば実用的な研究に無頓着ともいえます。

以前に基礎研究と、応用研究について語りました。

筆者は基礎研究者なので、基礎研究を大学院を目指す方には勧めています。しかし基礎研究は、考えようによってはゆるい研究をしているとも言えます。

筆者周りだけかもですが、米国では基礎研究をいかに金に変えるか常に考えられています。これは治療薬に限った話ではありません。あなたが新しいメソッドやテクノロジーを開発したら、それの外注先になる会社や、キットを売る会社を作ることも可能です。まずは特許ですがね。

このメリットとして、お金稼ぎはもちろんのこと、研究捏造も防ぐことが出来ると思います。

金にならないことをいい事にメカニズム研究なんてどれだけ捏造が蔓延っていることか、、、実情は知りませんが。

金にならないということは責任がないとも言えます。商品に直結する研究はそれだけ責任があります。

また我々大学関係の研究者がもっと経済活動をする事でエセ研究者による怪しい治療法等を少しは駆逐できるかもしれません。基礎研究者といえど、もう少し緊張感を持って、こういった社会貢献を頭の片隅には置いておいた方が良いように思います。

まあ商売のセンス無さそうだし、なにより低給の大学研究者にそこまで求めるのは酷とは思いますが、、、、。

大学研究員の給料はこちら!!

では次に研究者がなぜこれら疑似科学や陰謀論を許してしまうのか、もしくは強く否定しないのかを語っていきたいと思います。


なぜ研究者は疑似科学を否定しないか?

これは筆者による言い訳かもしれませんが、現在の研究者の研究分野は細分化されすぎていて、自分の専門から外れるとあまり強く言えないことが原因だと考えます。

また研究者だったら分かっていただけるかもしれませんが、「物事を断定すること」は研究者として優秀であれば優秀であるほど出来ません。

研究者は基本的に物事の常識を懐疑的にみるクリティシズムに則って行動しているからです。

例えばよく疑似科学として出てくるE◯菌は極論、筆者が自分でE◯菌を使って実験してその効果を否定しない限り、筆者は強く否定できないのです。

疑似科学と言われていますが、ワンチャンE◯菌はめっちゃ効果がある可能性があり得てしまうのです。

ただ当該サイトを見る限りはめちゃくちゃ馬鹿らしいです。畑にかけたら、作物の「育ちが良くなった」はまだ理解はできます(納得はしていない)が、「おいしくなった」は意味わかりません。糖度とか測ったんでしょうか?

ですが少なくとも筆者の立場からはE◯菌の効果は否定しきれません。

また下手なことを言って、疑似科学で儲けてる連中に絡まれたり、訴えられたら嫌だということもあると思います。

情けなくてすみません。。。


そもそも研究者、学者なんて大したことないし謙虚であるべき

近年いちばん世論を騒がせたものに、コロナワクチンの副作用やその効能の陰謀論があります。この陰謀論も上の理由から専門家以外は簡単には否定できません。

陰謀論でありがちな「RNAワクチンは強烈な副作用がある」、これもワンチャンあるわけです(かなりワンチャンね)。さすがにマイクロチップとシェディングはないと思いますが、、、。

これを簡単に「あり得ない」と言えないのが研究者の慎重さでいいところですが、弱い面でもあります。少なくとも「100%安全です」とは筆者の立場からは言い切れません。

もちろん専門家からしたら一笑に付されると思いますが、別分野だったらこんなもんじゃないですか?

ここら辺の清濁を飲み込んで、判断できるのは学者ではなく、政治家だと思っています。ですのでその判断が間違っていたとしても、判断をした政治家には最低限のリスペクトは持った上で批評すべきと感じます。

最近は「やれエビデンスベースド」とか言われますが、我々研究者は基本的に起こったことの事後評価しか出来ません。ええ、普段偉そうなこと言ってますが、緊急時にはあんまり役にも立ちません。皆さん、コロナの時を思い出してみてください。

以前の流行病の時に必要以上に恐怖を煽りまくって政府からたんまりお金(原資は税金)を引き出したはずなのに、いざコロナが起きたら何も出来ずにアメリカ様のワクチンに助けてもらってましたよね笑。

あっ、何の事か分からない方もいると思いますが、これは界隈では有名な陰謀論ですよ汗。あくまで噂です。

今回もコロナが落ち着いてきた今更になって大金貰って界隈はバブリーだそうですが、次も同じことの繰り返しにならないように頑張って欲しいっすね。いい加減新しい薬、治療法のひとつでも開発して欲しいっすね。あっ、現場主義の熱帯研は尊敬していますよ、P4稼働頑張れ!!

研究者が「人が死ぬぞー、このままだと大量に人が死ぬぞー」と恐怖を煽りまくってる時は、本当の場合と、政府から研究費が欲しい場合の両方があるので皆さん両論に耳を傾けて冷静に判断しましょう。難しいですが、大事なのは必要な分だけ恐怖する事です。今回のコロナみたいなケースは本当に難しいですけどね。

筆者も含めてですが、研究者は自分の研究の重要性を際立たせるために、病気の怖さを最大限に言う(時によっては盛る)癖があるので気をつけて下さい。これは半分無意識で、もはや研究者の習性と言っても良いでしょう。特にデータの少ない急性感染症は盛り放題です。

おっと誰かが来たようだ。
ちょっと見てきますね、、、。






陰謀論の記事を書くと筆者も陰謀論に取り込まれそうになりますね笑。気をつけます、上の話は全て与太話ですよ、日本の高潔な研究者達がそんなことするわけないじゃないですか!!

話を戻します。

一方で政治家は、緊急時には科学やエビデンスを超えて判断せざるを得ない職業なので、ちゃんと考えて、研究者の意見も聞いて判断してほしいと思う反面、その判断には民意が載ってるので最大限リスペクトすべきと感じます。

ただ事後にその判断が間違ったことが分かったならもうちょっと責任はとってほしいですけどね、、、。政治家に期待しすぎですか?

逆にいうと、もちろん自分の信念を貫くことは立派ですが、学者、研究者はもっと謙虚になるべきだと思います。謙虚ライオンです(ただし金はくれ!!)

筆者自身はワクチンに関しては、タダだし、効かなくても、死ぬような副作用はないだろうと思って打っていました。当時米国にいましたがが、米国では打たないと博物館や病院施設に入れない等の縛りがあったので、効果云々ではなくそういったメリットから打っていました。

全然科学的じゃないですよね笑。専門じゃなければそんなもんです。

なので別に反ワクではないですよ、子供にもワクチンは打たせています。逆にこれは反ワクに叩かれるかもしれない。。。。


巷で話題のエクソソームは効くのか?

ただし多少の知識があれば、ある程度のことは推測で否定できます。例えば、筆者自身はエクソソームの単離やエクソソームの実験はしたことがありませんが、エクソソームの論文は読んだことがあるし、実験をしている同僚がいたので多少の理解はあります。

その観点から言わせて貰えば、エクソソームを使った美容液やクリーム、ゲルに、効果はないと“思います”。上にも述べた理由からあくまで”思います”の表現に留めておきます。

ざっくりですがエクソソームは細胞より小さい粒々で、その中にタンパク質や、RNAなどが入っています。エクソソームは細胞から細胞に移る事で、近接する細胞に一定の影響を与えます。一般的にはがん分野において研究が進んでいると思います。

そしてよく言われるのが若い人のエクソソームを摂取する事で例えば皮膚や臓器の機能が若返るというものです。

まず、クリームやジェルの場合、どんな基材(液体もしくはジェル)を使っているか分かりませんが、下手な基材にエクソソームを入れただけで、エクソソーム粒子は壊れると推測できます。それを室温で置いておくのはもっての外です。肉を外に放置してたら腐るの一緒です。


さらにはエクソソームに入っているタンパク質やRNAのなんの成分が聞いているのかわからない状態で使っているというのが信じられません。当然エクソソームを採取した場所、組織によってもエクソソームの中身は変わってくるでしょう。

とういうかドナーががんとか変なウイルス持ってたらどうするんですか?ちゃんと検査してますか?

そこら辺を検査した上のエクソソームだとすると、かなりお金がかかると思うので、そこから取るエクソソームも高額になると思います。

そこで問題になってくるのは量です。

万が一、エクソソームの超高濃度液を塗ったら何かしらの効果はあるかもしれません。下手したら悪い作用ですが笑

がこういった商売では、高額な有効成分をかなり薄めるのはあるあるです。

カルピスの原液は甘いですよね(効果を感じている)?

でもそれを一滴、水に薄めたら味を感じませんよね(効果なし)。

それと同じです。

てか薬事法舐めんな!!そもそも効果は謳えないはずだぞ!!


クリームにエクソソームを入れて塗るくらいでしたら、ただ効果がないだけだと思いますが、他人のエクソソームを点滴で自分の体の中に入れるなんて本当に怖いです。

逆にエクソソームが全て失活していることを祈ります。ただし何度も言いますが、筆者の感想では「あり得ない」ですが、自分で実験していない限り、強く否定できないのが科学者の弱いところなわけです。

エクソソームそのものはガチの科学ですが、これを美容に利用するのは現状似非科学と言っていいでしょう。

ちなみにちょっとXで「エクソソーム」を調べたらめちゃくちゃ商品が出回っててビビります。日本の倫理は何処へ。。。

ちなみにちなみにXで「エクソソームがシェディングで他の人に移って血栓症で死ぬ」って書いてあって、不謹慎ですがちょっと笑いました。

エイリアンvsプレデターなのよ笑。

陰謀論欲張りセットなのよ笑。

研究者は常識を疑うところから始めないといけないので、筆者もこの言説を信じられないようではまだまだ修行不足ですね。失礼しました。


悲しい、悲しいなぁ。。。

こういった会社の偉い人を見てみると、国立大の医学部を出てたり、海外留学をしていたりまあまあ華麗な経歴を持っていることもあります。また上で紹介したScopusで業績を見てみても、そこそこ出している方もいます。

ですのでとても残念です。何を考えてこういうビジネスをしているのでしょうか?本人たちは本当に効くと信じているのでしょうか?

少なくとも医者として普通に働いていたら平均収入より上で普通に暮らせるはずなのですが、モチベーションがわかりません。本人が本当に効果を信じていたとしたら筆者からそれ以上言うことはありません。

あとこれは嫉妬でもなんでもないですが、医師のほとんどは科学のことはわかってません。大学に残って研究されている医師研究者は全く別ですが、研修してすぐ開業したような医師は正直言って科学を語る資格はないでしょう。医師の場合は博士号持ってても怪しいんだよなぁ。医者のPh.D.(博士号)は結構闇もありますからね。。。。

博士号の闇はこちら!!

ですのでこういう疑似科学が横行しているのは、筆者はとても悲しいですが、これを検証するために実験をする金もなければ、時間もない、なんなら興味もないので研究者からしたら「なんも言えねー」と言うことです。

よっぽど正義感がない限りは触らぬ神に祟りなしです。

情けなくてすみません。

こんな科学を冒涜している疑似科学が横行しているのに何もできない研究者の無力さを噛み締めるポス山毒太郎でした。

おっと誰かが来たようです。
今日は来客が多いですね。
ちょっと見て来ますね、、、、、。






今まで筆者が陰謀論と吐き捨てたことは
すべて本当の事でした。
ぐうはつ的に筆者も間違うことはあります。
いい歳して、
いんぎんぶれいな態度ですみませんでした。
ねる間も惜しんで、
しっぴつしたのが仇になりました。
ろ骨に各所否定しすぎたことを謝罪します。

皆様の賢明なご判断を期待します。


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