安物買いが失うものは多分銭だけじゃない
新生活が始まったのですが、コップはちょっとこだわりたくて気に入ったものが見つかるまでは100円均一の適当な物を使っているんですね。
それで今日その百均のうっすいうっすい飴細工みたいなガラスのコップを洗ってたんですよ。
そいつは百均の分際で流行りを取り入れているものですから、飲み口がつぼんでいて手をギュッと押し込まないと底が洗えません。
僕は思いっきり手を押し込んでスポンジでゴシゴシと擦りました。
その瞬間です。
バキッという音と共にコップの飲み口は砕け散り、その割れ口が僕の右手をガリガリと引っ掻きました。
こういう時、人間は多分みんな独り言を言うと思うんです。
僕も例に漏れず「あかんてあかんて!コップ薄いて!!」
気付いたらそう叫んでいました。
幸い思ったより傷が浅かったようで血が床に滴る程ではなかったものの、中々血が止まらず絆創膏を貼っても直ぐに血が溢れ出すのでキリがない。
そうやって1分くらい慌てていると、チャイムが鳴った。
そうだった…今日は洗濯機の設置に業者さんが来てくれる日だ…!!
こういう時、意外と人は独り言を言わないようで「どんなタイミングやねん!」とは言わず、僕は静かにインターホンを受けた。
しかし困った事に全然血が止まらない。
玄関を開けた瞬間、右手が血だらけのやつが現れたら絶対に怖い。
洗濯機の業者さんにトラウマを植え付けるのだけは避けなければ。
「ありがとうございます。ご苦労様です〜!」
そう言いながら僕はずっと水道で傷口から溢れる血を流し続けていたが、明らかに誤魔化せていなかったし、業者さんは明らかに何かに気が付いたような顔をしていた。
これね〜リスカじゃないんですよ??
とでも言えば良かったのだろうか…。
今貼ってる絆創膏が百均のやつで貼ってる意味がないくらい血が滲んでいて逆にグロいので、今から薬局でちゃんとした良い絆創膏を買ってきます。
安物買いは銭だけでなく、血も失うという話でした。
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