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勤務985日目 郵便配達の仕事に就く貴殿に伝えたい心構え

早いもので。
ぼくがこのバイトを始めてからもうすぐ1000日(勤務日数)になります。

思えば、なんの学歴も資格も能力もない無能にとって、このバイトは良いバイトだったのだと感じます。介護か郵便配達かでこちらを選んで、いまは正解だったと思っております。

夜勤はあるけど深夜勤ではありませんし、バイトの介護職より時給はずっと良い(最高時給で今月の手取り29万)。一応ホワイト企業の皮を被っているのでちゃんと休める。
猛暑や極寒や土砂降りや2万歩近く歩くことや一日60キロ走行することや雪なんかは、慣れればなんとかなります。毎日疲れるのは変わらないですけど。

985日勤務して350万貯まりました。
無職で長期引きこもり。貯金ほぼ0円だったぼくが、です。

もしかするとぼくの記事を参考にして「わしも郵便配達やる!」と本気で検討する方がいるかもしれないので、この仕事をするにあたり、最初に知っておけば有利を取れる心構えを書いておきたいと思います。


・まず交通事故だけはしない

すべてにおいて最優先事項。
985日間やってきて、ぼくはまだ事故を起こしていません。その間に、局内では10件近く事故がありました。

事故を起こすと面倒になります。こちらに過失があればかなり肩身が狭くなる。班にも迷惑がかかる。
ぼくはこちらが過失の事故を起こしたら、この仕事を辞めようと常日頃気をつけて運転しています。

だからといってダラダラ運転はしていません。スピードを出すところではしっかりアクセルを入れ、確認しなければならないところは必ずアクセルオフか停止して確認を入れます。
メリハリを大事にしてキビキビと安全運転をしています。

それが正解なんていうつもりはありません。そんな運転は危険と思うなら、自身の思い描く理想の安全運転をしてほしい。

とにかく、「安全はすべてにおいて最優先」です。
これはこの会社も口を酸っぱくして言っています。

まず事故を起こさない。
そのためにゆっくり時間をかけて運転をするのも正しい。事故を起こさなければ、それだけで周りは評価してくれます。
あなたも五体満足で仕事を続けられる。

・誤配しないよう丁寧に確認する

この仕事において誤配なんてものは当たり前に起きることで、ベテランの班長ですらやります。

だからといって「誤配しても良い」わけではない。当然です。
絶対に誤配しないという気持ちで配達に臨むことが好ましいですし、誤配しなければ、面倒なことが起きず、ちょっと配達が遅くとも変に言われない。

局内で平和にやっていけます。

事故も誤配も一切ない。これが理想です。
事故も誤配も起こさぬよう、確認するそのときはしっかり時間を使いましょう。

まず不可能ですが、もしあなたが事故も誤配も全くなくやっていたら、それだけで「あいつはできる」と思われます。配達が遅くとも、一目置かれることでしょう。

・64にする

任天堂ではありません。
たまに自分と相手の物量をわけるシーンがあります。欠区とか応援に入るとか特殊なパターンで配達をするとか。

残念ながらこの会社、心の幼い人が多いんです。
で、物量を分ける際に5:5でわけてしまうと、かなり不満を言う人がいます。
なので率先して相手より多く持ちましょう。6:4です。
相手に「これ俺のほうが少ないんじゃ……」と思わせる。しかし自分は「ぼくは全然いいですよ」と平気な顔で言う。

こうすることで平和に仕事ができます。
さらにこれで超勤になれば、余分に金を稼げる。遅くなっても誰も文句言いません。

相手にもプライドがあるので、こちらがかなり大変なときはちゃんと助けてくれます。よほどクズじゃなければ。

・休憩を必ず1時間取る

この会社は「時間前に郵便触るな!」「休憩時間守れ!」ときつく言ってくれます。ありがたい。

にも関わらず、休憩時間を守らない人がいます。
どうしてですか。なぜそこまでこんな組織の腐った会社に貢献しようとするのか。

休憩時間を削って配達なんて、自爆営業と変わりません。きつめに言いますが、迷惑です。
休憩時間を削って配達すると、「物量が多くて普通できない」を「できてしまう」に変えてしまう。
そうすればこの会社は「じゃあ人員減らしてもいけるか」なんて判断してしまいます。周りの首をしめることにもなる。

時間は有限です。
限られた時間で仕事をすることが大事です。
いつまでも時間があれば、人は甘え、目一杯時間を使ってしまう。
これでは必要ないものを削ることができません。

限られた時間で綺麗にまとめる。
郵便配達に限った話ではありません。あらゆるプロの仕事は、限られた中で完成させるから、無駄がなくて美しいのです。

限られた時間で仕事をすれば、「省く必要のある無駄」が見えてくるはず。
結果的に仕事が早くなっていく。

周りにどう思われようとも、絶対に休憩時間を守りましょう。
キリが悪い、と思っても、時間を見て必ず仕事を切り上げましょう。
その方が上司も評価してくれます。

できないなら超勤してやればよいだけなのです。
金も稼げます。

・仕事ができなくて落ち込む必要はまったくない

最初の頃は、あれができないとかこれができないとかで、自分が無能に感じるかもしれません。そして不安になる。本当にこの仕事ができるようになるのか、と。

ぼくはこれまで書いた記事の中で、何度も述べています。

この仕事は、誰でも、できる。

断言できます。そりゃ障害の人には難しいですが、健常者なら絶対できるようになります。
ぼくはいろんな人を見てきました。いろんなタイプの人間がいる会社なので、人間性能ピンからキリまでの人たちがいます。

誰がみても「この人は仕事できなさすぎ」と思えるような人でも、任された区をきちんとやっています。時間はかかりますが。
こういう人は混合夜勤ができなくて、その担当区のみの専門家になってしまいますが。

とにかく、任された区の配達だけなら、必ずできるようになります。
ちゃんと出勤さえすれば。

やることは毎日同じです。ずっと繰り返すだけ。
最初は無理でも、必ずできるようになる日がくるんです。誰でも。

なので、毎日続けられるよう、無理をしないことが大事。マラソンと同じです。初っぱなから頑張って短距離走みたく全力ダッシュをしてはいけない。
できるようになるまで時間はかかります。体が慣れないうちは疲労感がとてもつらい。
しかしそれも年月が経てばだいぶマシになります。

中には、頑張ることが大好きで毎日全力ダッシュをしたい人もいるとは思います。
それが個人の満足で完結してモチベーションアップになるなら毎日全力で全然いいし大変素晴らしいのですが、他人を見下す理由にする人もいるし、頑張ることが心労につながって自滅する人もいます。

自分のペースを作ることが大事です。

・終わりに

ぼくはこの仕事、引きこもりと相性がいいと思うんです。

基本は一人で黙々とやる仕事です。
毎日強制的に空の下を長時間歩いて健康になります。
お客さんと接することはありますが、これも続けていれば慣れます。特に、対面配達ならお客さんが必要なものを配るので、話しかけやすい。向こうも大体は心を開いてくれていますし。

中には、非常に態度が悪い人もいます。この仕事はすべての家に配達があるので、なにかしらバイアスがかかることがない。頭のイカれた人と顔を会わせる日もきます。
そんな人は担当区に一人か二人いるくらいです。
良い人のほうが圧倒的に多い。

フリでよいので、こちらは礼儀正しくいましょう。
食べ物をくれたり、飲み物をくれたり、温かい言葉をくれたり。お客さんの善意に感謝する瞬間が多々あることでしょう。

特にあなたが引きこもりなら、そんな「人の良さ」に素直なうれしさがこみあげるはず。
素直に喜ぶ姿を見たら、お客さんだってそれだけでうれしいはずです。

もし悩んでいるなら、ぼくが背中を押しましょう。

引きこもりのあなたへ。
悩んだままでよいので、募集チラシをポストに入れてきてください。

あとは自動ではじまります。

で、2ヶ月(試用期間)やって無理そうなら、必ずあっさり辞めましょう。正しい選択です。部長もその選択を止めません。無理して続けるということは放棄隠匿のおそれもありますし。

「引きこもりの自分が2ヶ月間郵便配達をやった」という良い記念にしましょう。

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