勤務601日目 なぜ誤配は起きるか。99%誤配をなくす方法とは?
ぼくは班で一番重い区をやっています。
走行距離約70キロに加え、平均歩数2万歩。
他にもやれる区はあるのですが、固定区化してしまい、半年近くその区しか入っていません。
で、そこしかやらなければ、重くてもやはり早くなります。ルーティーン化して特に考えずとも配達ができる。
「もしかしたらこの区って他より楽なのでは……」なんて思うようになります。
しかしそうやって慣れてしまうと、誤配が起きやすくなるのです。
というか誤配が増えたんですよ。
ぼくはきちんと確認しているはずなんです。
にもかかわらず、絶妙に間違って配達している。
いったいどうやって、きちんと確認したものが間違って配達されるのか。
トランプの手品でこういうものがあります。
事前に6のハートと7のダイヤを裏返しにしてデッキに入れ、相手には6のダイヤと7のハートを見せるんです。それを普通にデッキに入れてもらう。
適当なおまじないをかけ、デッキを見せると、当然、裏返った6のハートと7のダイヤが現れるのですが、
たいがいの人は騙されて驚きます。
実は自身がカードを確認できていなかったなんて思うことができず、いつのまに裏返ったのかということしか考えられない。
誤配するときって、こんな感じのことが起きているんですよ。
67番地と76番地を同じ番地として確信してしまっていたり、
斉藤と斉川を同じ名字として確信してしまっていたり。
きちんとその目で見て確信しているんです。
だから「誤配だった」と判明すると、信じられない。
慣れていると余計にそういうことが起きる。
あるいは、疲労とか、暑さとかでも、そういう間違いを起こしやすくなる。
この仕事では、「誤配なんて仕方ない」「誰もが起こす」そう言われます。毎日大量の郵便を配っているのですから。
そのすべてを間違えず、完璧に配るなんて、難しいはず。
でもやっている人はいる。
全然間違えない人は、確かにいる。
その人はどう間違えないのかというと、やはり確認しているんです。
たとえば、ぼくは追跡の郵便(大概はアマゾンなどでお客さんが買ったもの)を間違えたことは数えるほどしかありません。
人が求めて買ったものなので間違えたくないと思い、毎回かなり気をつけているからです。
ぼくはこの仕事をはじめて、まだ一度も交通事故はありません。
それも、毎回しっかり道路状況を確認してかなり気をつけているからです。
どんなに疲れている状態でも、その「かなり気をつける」を怠ったことはありません。
クレームも事故もおそろしいからです。
しかし。細かい郵便物については、そこまで神経を使えていない。
そこまでやってたらものすごく疲れてしまう。
で、なにかもっと簡単に、毎回ルーティンみたいに、確認する方法はないかと考えたのです。言ってみれば、「お手軽基本動作」みたいな感じ。
で、やっと本題なのですが、99%誤配をなくす方法をあみ出しました。
その方法は、「一度だけ、字名と番地と名字を声に出して読んでから、投函する」と、いうもの。
…………はい。
そうですねそんな当たり前のことやっている人は大勢いますよ。
ぼくはいままで黙読しかしていなかったんです。
丁寧に声に出すことにより、ほぼ間違いはなくなります。
それは一度だけでいい。同じ場所に郵便が何通あっても、一回だけ。何度も読むのは面倒じゃないですか。
ただ入力物に関しては、もう一回改めて声に出して読みます。
間違えるとクレームになるからです。
必ず読んだあとでしか投函してはいけない、というルールも大事に守ります。
声に出して読むと、読んだ時点で確認になっているのですが、自分の声は耳に入るので、そこでまた確認になっているのです。
自分の声が頭に残り、そのとき間違いに気づける、というケースもありました。
なので大事なのは、「一度だけ、丁寧に、間違えず文字(字名と番地と名字)を声に出して読む」
それだけの簡単なお仕事です。
99%誤配を防げるはさすがに言い過ぎですが、これをはじめてからまだ誤配はないので、効果はある……と思いたい。