勤務308日目後のGW 10年無職の人間が10年間なにをしていたか
いつのまにか300日経ちました。
ふと過去を見つめ直し、よく10年も無職でいられたなと思い、その10年について軽く触れようと思いいたり。
記事を読んでくださる方の中にはきっと「こいつ10年も無職で日々をどうすごしてたんだ」とお思いになった方もいるはず。……いますか?
大半は、部屋でじっとなにもできず過ごしていました。
昔存在したトモダチという人の中には、無職期間が少し長引くと(一年未満)、独りで家にいる時間が恐ろしくなって働きだしてしまう方がいました。
家族にボロクソ言われて働く方もいると思いますし、陽キャ様方は無職期間を楽しむ過程で仕事を見つけたり、トモダチから紹介してもらって職に就いたりするものなのでしょう。
ぼくの家族は、ぼくが無職なことに対して稀にしか言ってこないタイプだったので、ひそひそと暮らすことが可能でした。
そうしてひそひそ生きつづけ、10年無職のひきこもりが完成しました。
10年を後悔しているかどうかと問われたら、一切、後悔はないです。
10年働いていたら、お金は貯まっていましたが、たぶんそれだけでした。
郵便屋になって1年が経ち、これがあと9年。
こっちのほうがなにもない人生だったはず。
家でじっとしていた以外は、よく独りで散歩にでかけておりました。
ウチは田舎なので、道を選べば一時間散歩しても2、3人としかすれ違いません。
青空の下、あるいは夕暮れの中、田園風景が広がる誰もいない小道を、ただのんびり歩く。すばらしい時間でした。
夜の散歩もよく行きました。というか夜の散歩のほうが多かったです。まず誰ともすれ違いませんから。
瞬く無数の星々の下、時間に縛られず人の目も気にせず、夜風を感じながら自由に歩くのは、最高に気持ちよかったです。
平和な田舎なので危険度は0。むしろぼくが不審者かと疑われて警察に所持品チェックを受けたことがあります。
時折ランニングもしていました。
孤独が恐ろしくなってネットを通じて彼女を作ったり(超遠距離だったので数年で破局)もしました。
毎週図書館に通った時期もありました。
実はそれまで一度も図書館という場所へ行ったことがなく、当初、図書館というのは小難しい本しかなくて、なんらかの専門家が行くとこだと想像していたのですが、万巻に上る蔵書の数に圧倒されました。
街の本屋さん潰す気ですか?
本は金を出さないと読めないものだと思っていたので、図書館との出会いは衝撃でした。
ぼくは活字を読むことが苦手で、それまではがんばっても年に1、2冊しか買って読まなかったのですが、図書館では好きなジャンルを好きなように手をつけました。
一週間に10冊前後。月に30冊以上の本を読みつづけました。
かといって、それでなにかがあったわけではないのですが。
あんなにもたくさん本を読んだ意味はあっただろうか。
読んだことは日常などで特に使えていないので、ガチャガチャを回すことと大差ない気がします。
マニアックな話ですが、格闘ゲームが好きだったので、それ系の配信を追っていた日々もありました。
ドラゴンクエストライバルズというカードゲームを毎日やりつづけた日々もありました。
システムがすごく好きだったのですが、演出がこりすぎてテンポがかなり悪かったのが残念です(それでも好きなので何時間でもやれました)。
丁寧な演出がウリだったとは思うのですが、テンポのよさをもっと大事にしていれば、まだ息があったのではないでしょうか。
郵便屋になってから時間がなくてまったくプレイできなくなり、そうしてサービス終了してしまいました。
十人十色。
人の数だけいろんな10年があると思います。
ぼくが10年無職で引きこもる間に、人生崩壊した人がいて、家族が亡くなった方がいて、犯罪に手を染めるようになった人がいて、辛い生き方をやめられた人がいて、結婚した人がいて、息子が生まれて小学四年生になった人がいて、中学生の娘は大学を卒業して社会人になっていて、失業して路頭に迷う人もいて、有名人は何人か亡くなって、大病をわずらい今なお苦しむ人がいて、なにかで成功して有名になったけどブームが終わった人がいて。
ぼくの寿命はまだ先なので、事故がなければ次の10年を生きられるとは思います。
可能なら郵便屋を退職し、もっと自分らしく生きられる場に存在していたいものです。