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ワタクシ流☆絵解き館その162 あえて、近代絵画で味わう「奥の細道」幻想 ①
芭蕉の「奥の細道」を、江戸絵画ではなく、リアル感では勝る近代絵画の中から、俳文のイメージに合うものを選んできて、俳文とともに味わおうという趣向。イメージ喚起のきっかけと考えてほしい。
ゆえに、当然ながら「奥の細道」とは、場所も時代も状況も同じではない。
絵のタイトルは無視して、あくまで雰囲気を思い描いて見てほしい。引用部分は「奥の細道」の本文である。
弥生も末の七日、明ぼのの空 朧々として、月は有明にて 光おさまれるものから、富士の峰 かすかに見えて、上野・谷中の花の梢、またいつかはと心細し。
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むつまじき限りは 宵よりつどいて、舟に乗りて送る。 千住と云う所にて 船を上がれば、前途三千里の思い 胸にふさがりて、幻の巷に 離別の泪をそそぐ。
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ゆく春や 鳥啼き 魚の目は泪
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是を矢立の初めとして、行く道なお進まず。 人々はみちなかに立ち並び、後ろ影の見ゆる迄はと、見送るなるべし
■ 山路を行き
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■ 橋を渡り
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今年元禄ふたとせにや、奥羽長途の行脚 ただかりそめに思い立ちて、呉天に白髪の恨みを重ぬといえども、耳に触れて いまだ目に見ぬ境、もし生きて帰らばと 定めなき頼みの末をかけ、その日 ようよう草加と云う宿にたどり着きにけり。
■ 松並木で有名な草加へ至る
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令和4年7月 瀬戸風 凪