<ランニング>ウォーターローディングを生理学的に考察してみた
こんにちは!postBJです、今日も私のnoteを開いていただきありがとうございます^^¥
秋や冬のマラソンレースなどに向けて、真夏の炎天下でもランニングやワークアウトを継続されている皆さん、お疲れ様です!ナイスワーク =b
私は暑さに極端に弱いランナーなので真夏のランニングは苦手な意識が高いのですが、今年は月間走行距離を250→350kmくらいに増やしてみたところ、少しずつですが暑さに強くなってきた気がします。
電車に乗ると汗だくで汗の雫が顔からサーっと流れてきてしまうので、タオルは必須ですが^^;
暑さに強くなると、
①発汗量が増えることで体温上昇の程度が緩和される
②汗から奪われるナトリウムやカリウムなどの電解質が減る。汗がサラサラになる
③汗のにおいが緩和される
といったメリットがあります。
いろんな点でランニングは日々の生活を良くしてくれるのでいいですね!
さて、今日のテーマはウォーターローディングです。
直訳すれば、「水をため込む」。
ランナー界隈ではもはや共通認識でしょうか、しかもまあまあ昔から取り入れられているコンディショニング方法だと認識しています。
主に、フルマラソンなどの本番レースの直前1週間くらいの間に、普段よりもさらに水分を多く摂取して、レース中の脱水を防いでパフォーマンスが下がらないようにすることが目的です。
そこでテーマとしたいのは、「何を飲むのか?」。
トップランナーや有名なランニング系Youtuberの方々もウォーターローディングについて解説をしているのをみかけますが、ほとんどの方が飲んでいるのが、ただの水です。水を1日約1Lほど、普段よりも多く飲んでいらっしゃるようです。
ここで、一応医学の専門家の端くれたる自分が思うことですが、結論としては
「真水でウォーターローディングはやめたほうがよい。飲むべきは、電解質を含む飲み物」
です。その理由を以下に述べます。
なお、この内容は以前に旧Tweeterでも記載しました。
https://twitter.com/post_blackjack/status/1718177493147169193
皆さんが飲んだ水分は、通常は胃や小腸、大腸などの消化管で吸収されて、血管のなかに入ります。動脈から徐々に筋肉や皮膚、内臓、心臓の筋肉、脳の神経細胞へと届くことになります。一方、過剰な水分や電解質(ミネラル、いわゆる塩分と考えていただいても大丈夫です^^¥ )は、やがてそれらの臓器や細胞から再び細い静脈に入って、腎臓という臓器で非常に細かい調節プロセスを経て尿として排泄されます。
ここで重要なポイントは、「人間は尿を排泄する際には尿を濃くするor薄める能力に限界がある」ということです。ここは重要なポイント!
具体的には、尿の浸透圧は50-1200 mmH2Oで、人間のからだの70%を構成する水分の浸透圧は300 mmH2O。これは、医学部の基礎医学の授業や教科書でならう基本的なことです。
話をウォーターローディングに戻しましょう。
ローディングを行う時点で皆さんの身体の水分量が十分満たされている場合、そこに真水だけを飲むと何が起きるか?
水分だけが血管内に入ると、体内の浸透圧は低下します。すると、脳や副腎、腎臓などを介してホルモンが上手い具合に調節を開始し、最終的には浸透圧を元に戻すために余分な水分を排泄しようとします。
その際、前述のように尿をどれだけ薄めようとしても、完全に水分だけを排泄することはできませんので、余分な水分とともに電解質が一部失われてしまうことになるのです。
電解質は、それこそレースや練習中には極めて重要なものです。ワークアウト中には汗から失われていってしまうので、ドリンクやサプリメントなどで補充する必要があるものです。失われすぎると、パフォーマンスが低下するだけでなく、筋肉がけいれんしやすくなったり(脚がつる、とか)、心臓の活動リズムが乱れたり(不整脈)、意識がおかしくなったりと危険な状態になることさえあります。
ということで、ウォーターローディングをされる方には、真水で行うのではなく、あくまでスポーツドリンクなどの電解質入りドリンクを強くお勧めします^^¥
なお、本当にウォーターローディングに効果があるのかどうかは、自分としてはやや懐疑的ではありますが、、ただしレース直前の1時間前くらいに500ml程度のスポドリや電解質飲料(OS-1とか)を飲むのは効果がありそうな気がします。直前の水分は尿として排泄される前にレース中に活かされているような実感があります。
以上、医学の専門家の端くれでもあるランナーとして、ウォーターローディングについて述べさせていただきました。
レースや練習などでより良いパフォーマンスを目指される皆さんのお役に少しでも立つことができれば嬉しいです^o^/
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました!
Enjoy process =b
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