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雑誌『POSSE(ポッセ)』のWeb版マガジンPOSSE公式アカウントです。働くことや生活することの問題を中心に、若者の社会運動やカルチャーなどさまざまな記事を掲載しています。Web版ではこれまでPOSSEに掲載してきた記事の一部を無料公開し、リアルな情報を届ける連載も予定。

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最近の記事

【特別公開】連載「父の過労死」第7回 過労死事件を公表して闘うことの葛藤と意義、裁判を闘っていく中での意識の変化

 これまでの連載では、私自身の経験から、過労死遺族が裁判で闘うにあたって生じる様々なハードルについてみてきました。そもそも日々、過労死に関わる労災認定や裁判などの様々なニュースを目にしますが、私たちが知ることができる過労死事件は氷山の一角に過ぎません。たとえば、警視庁の統計によると、2022年に自死した2万1881人のうち、勤務問題が自死の理由の一つだったのは2968人でしたが、同じ年に精神障害で労災請求をした人は2683人(自死者以外も含む)、支給決定件数は710人、うち自

    • 【特別公開】連載「父の過労死」第6回 家事労働者過労死裁判の支援活動から見えてきた社会運動の可能性 

       父の裁判が終わった後、私は一時的な達成感を得ることができましたが、その後の数か月間は燃え尽き状態になっていました。段々と、「裁判だけで過労死をなくしていくことには限界があるのではないか」と考えるようになっていきました。そして、私は初めての過労死遺族支援に携わっていきます。裁判支援だけではなく、過労死をなくしていくための「社会運動」を実践していくことになります。  今回の連載では、最高裁まで闘って感じた裁判の限界、家事労働者過労死裁判の支援、社会運動が実際に国や社会を動かした

      • 【特別公開】家事労働過労死裁判に取り組む意義とその射程

        本記事は、2023年刊行の『POSSE vol.54』に掲載された論文です。2024年9月19日の家事労働者過労死訴訟の東京高等裁判所の判決を受けて、特別公開します。 はじめに  これは、私たちNPO法人POSSEや総合サポートユニオンが支援する家事労働者の過労死裁判の遺族が、裁判を闘う理由について問われた時に常々発している言葉だ。  2015年春、家事代行及び訪問介護をして働いていた高齢女性Aさん(当時68歳)は、住み込みで一日24時間労働を一週間続けた末に心臓疾患で亡く

        • 【西谷敏×奥貫妃文×今野晴貴】『規制が支える自己決定』から20年──いま労働運動の実践から「自己決定」を考える

           2024年は、労働法学者で大阪市立大学名誉教授の西谷敏先生の著作のなかで、労働運動に大きな影響を与えた『規制が支える自己決定』が、出版から20周年を迎えます。  本書の意義を振り返り、これからの労働運動における射程を改めて議論するため、このたび西谷先生をお招きして、昭和女子大学教授・全国一般東京ゼネラルユニオン(東ゼン労組)執行委員長の奥貫妃文さん、NPO法人POSSE代表の今野晴貴で座談会をおこないました。 座談会を企画した経緯について奥貫:20年前、私は法律文化社で働

          ¥500

        【特別公開】連載「父の過労死」第7回 過労死事件を公表して闘うことの葛藤と意義、裁判を闘っていく中での意識の変化

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          14本
        • 雑誌『POSSE』最新情報
          15本

        記事

          春闘とは何だったのか?──元 連合非正規労働センター長 龍井葉二

           急激な物価上昇のなか、今年の春闘の賃上げは、いっそう注目が高まっています。連日、大企業の回答結果が報じられている一方、今年は非正規雇用の賃上げや改善を求める「非正規春闘」も盛り上がっています。  そもそも「春闘」とはどのように始まり、どのような問題点や限界を抱えてきたのでしょうか。このように春闘が注目を集めているときだからこそ、意外と知らないその歴史と構造、問題点について掘り下げていきたいと思います。  連合の春闘の現場にも長年関わった経験を持つ、元非正規労働センター長

          春闘とは何だったのか?──元 連合非正規労働センター長 龍井葉二

          【期間限定ためしよみ】アマゾンの「当日配送」を支える人々を追って──岩本菜々

          いまや多くの人が利用するネット通販業界の頂点に君臨し、「当日配送」「送料無料」などのサービスを展開するAmazon。 佐川急便やヤマト運輸がAmazonの荷物の引き受けから撤退するなか、なぜここまでスピードを追い求めたサービスを実現できているのだろうか? POSSEメンバーで、労働者の組織化にも取り組んでいる岩本菜々が、現場で働く配達員のインタビューをもとに、過酷な現場の実態を描き出す。 公開期限:2月12日(月)まで 本文の公開は終了いたしました! 読みたい方は、ぜひ書

          【期間限定ためしよみ】アマゾンの「当日配送」を支える人々を追って──岩本菜々

          【雑誌POSSE連載第0回】オメラスから発つ道の途上でーこの壊れゆく世界を拒絶するということ|岩本菜々

           8月31日刊行の雑誌『POSSE』vol.54より、私の連載がスタートした。  とりわけこの3−4ヶ月、私はラジオや新聞、テレビ番組などあちこちで社会問題に対してコメントしたり、意見を述べる機会を多く頂くようになった。しかし実のところ、マスメディアでも、SNSでも、ほんとうに言いたいことや表現したいことと、求められているコメントが乖離している気がして、それに悩まされてもいた。  メディアで語るときには、わかりやすいエピソードや数値で語ることが求められる。しかし、「ストラ

          【雑誌POSSE連載第0回】オメラスから発つ道の途上でーこの壊れゆく世界を拒絶するということ|岩本菜々

          『POSSE』定期購読キャンペーンを開催します!

          いつも雑誌『POSSE』をご愛読いただきまして、ありがとうございます。 本誌を新規で定期購読をお申し込みいただいた方向けの特典をご紹介します。期間限定の特典もありますので、ぜひこの機会にお申し込みをご検討ください! 特典① 購読料20%OFFクレジットカード決済にてお申し込みの方には、購読料が20%OFFになります。 毎年自動更新になりますので、面倒な更新手続きも無しで定期機購読を続けることができます。 特典② 新規お申し込みの方にお好きなバックナンバー1冊プレゼント!

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          【無料公開】斎藤幸平×渡辺寛人『ジェネレーション・レフト』刊行記念対談(『POSSE』vol.49掲載)

          渡辺:『ジェネレーション・レフト』(堀之内出版、2021年)の監訳・解説を担当された斎藤幸平さんに内容についておうかがいしていきたいと思います。早速ですが、キア・ミルバーンはどんな人物なのでしょうか。 斎藤:彼はどちらかというと、いわゆる「学者」らしい人物というよりも、アクティビストなんですね。この数年間はイギリスのレスター大学で政治経済学や社会組織論を中心に教えていたのですが、現在はローザ・ルクセンブルク財団という、ドイツに拠点を置くシンクタンクのロンドン支部に所属してい

          【無料公開】斎藤幸平×渡辺寛人『ジェネレーション・レフト』刊行記念対談(『POSSE』vol.49掲載)

          【無料公開】Z世代座談会「社会を根本から変えるような運動がしたい」(vol.48掲載)

          ――みなさんは1996年から1999年に生まれた「Z世代」ですよね。この世代は、世界的には、社会主義を支持し資本主義にはっきりとNOを突きつける「ジェネレーション・レフト」として、いま世界の社会運動のなかで存在感を高めています。  POSSEでこの1年近く活動に関わっているZ世代のメンバーと今日、議論したいことは次の3点です。  それでは、はじめに、Z世代のみなさんが社会運動に出会うまで、この日本社会でどのような経験をしてきたのかを聞いていきたいと思います。 日本社会の閉

          【無料公開】Z世代座談会「社会を根本から変えるような運動がしたい」(vol.48掲載)

          【特別公開】「女性の更年期症状と労働問題ーーその実態と射程」(総合サポートユニオン共同代表・青木耕太郎)

          はじめに コロナ禍で女性非正規労働者の“雇用危機”が広がっている。女性労働者は男性労働者と比べて、女性非正規は女性正社員と比べて、より深刻な影響を受けている。『新型コロナウイルスと雇用・暮らしに関するNHK・JILPT共同調査』によれば、2020年4月以降、雇用に大きな影響(失業・離職・休業・労働時間急減)があった割合は、女性が男性の1.4倍(18.7%対26.3%)、女性非正規が女性正社員の1.8倍(18.4%対33.1%)にも及んでいる。  注目すべきは、こうした非正規

          【特別公開】「女性の更年期症状と労働問題ーーその実態と射程」(総合サポートユニオン共同代表・青木耕太郎)

          Z世代のための言論プラットフォーム「ジェネレーション・レフト」を立ち上げます!

          気候変動、労働問題、貧困問題など、様々な領域で社会を変えようと行動する若者が、映像や写真で実態を伝えたり、自分の調査や研究を共有したり、取り組みを発信したりできるWEBプラットフォームを作ります。立ち上げに伴い、私たちと共にこの新たな言論メディアの構築に携わってくれる技術者や、プラットフォームに寄稿してくれる若者を募集しています。 ■なぜ新しくプラットフォームを立ち上げるのか 私たちは日々多くの危機に直面しています。もはや取り返しのつかない地点にまで到達しつつある気候変動

          Z世代のための言論プラットフォーム「ジェネレーション・レフト」を立ち上げます!

          【特別公開】河野真太郎×西口想「『ドライブ・マイ・カー』から考えるケアと男性性」(「対談型映画批評 映画のなかに社会を読み解く」より

          ⚠️ネタバレを含みます⚠️ ケアと男性性――『ドライブ・マイ・カー』西口:最近、論壇では「ケア」に注目が集まっていますね。 河野:小川公代さんの『ケアの倫理とエンパワメント』(講談社、2021年)やケア・コレクティヴの『ケア宣言』(大月書店、2021年)など、ケア論を見直す流れが出てきています。前回『ファーザー』(2020年)についても述べましたが、人間はどれほど自立しているように見えても、根本的には他者のケアに依存する存在です。そこで、人々を分断・孤立させてきた新自由主

          【特別公開】河野真太郎×西口想「『ドライブ・マイ・カー』から考えるケアと男性性」(「対談型映画批評 映画のなかに社会を読み解く」より

          【特別公開】「中絶か帰国か」選択を迫られたスリランカ人技能実習生——産休・育休の権利行使を支える運動の先に私たちZ世代が目指すもの

          ▼最新号のご購入はこちら! ▼クレジットカード払いで20%OFFとなる定期購読はこちら! はじめに 埼玉県にある牛タンチェーン店の工場で働いていたスリランカ人技能実習生Aさんは、監理団体から「帰国か中絶か」を迫られた。私がボランティアとして活動するPOSSEと総合サポートユニオンが、この問題に取り組み、牛タンチェーン店を経営するX社と団体交渉を行っている。その中で、技能実習生を都合の良い労働力としてしか見ていない受け入れ企業(X社)とそれを下支えする監理団体や送り出し機関

          【特別公開】「中絶か帰国か」選択を迫られたスリランカ人技能実習生——産休・育休の権利行使を支える運動の先に私たちZ世代が目指すもの

          【特別公開】連載「父の過労死」第2回 社会を変えていく人たち

          ▼最新号のご購入はこちら! ▼クレジットカード払いで20%OFFとなる定期購読はこちら!  父の過労死が起きてから6年が経過した2017年、当時22歳の大学生だった私は過労死の責任を追及するため、父が働いていた会社に対して裁判を起こしました。長い間、「父の過労死の責任を働いていた会社に取らせたい」という目的だけで裁判をしたいと考えてきましたが、社会を変えようと立ち上がっている同世代や過労死遺族との出会いのなかで「社会全体から過労死をなくしていく」という目的に変化していきま

          【特別公開】連載「父の過労死」第2回 社会を変えていく人たち

          【特別公開】連載「父の過労死」第1回 過労死の責任から逃げた会社

          雑誌『POSSE』では、父親の過労死を経験した1995年生まれの高橋優希さん(仮名)が、会社に過労死の責任を認めさせるまでの10年間の記録を連載しています。「過労死等防止啓発月間」である11月に合わせ、これまでの連載記事を特別公開いたします。第1回は『POSSE』vol.48(特集:ジェネレーション・レフトの衝撃)に掲載された「過労死の責任から逃げた会社」です。 父の過労死が起きてからもうすぐ10 年が経ちます。父が亡くなった当時は15 歳だった私が、10 年後に過労死裁判

          【特別公開】連載「父の過労死」第1回 過労死の責任から逃げた会社