フィリピン料理の陰陽のバランスについて
伝統的な中国料理や日本料理、韓国料理の食べ方や調理方法は、献立全体で陰陽のバランスが取れた組み合わせになるように考えられていますよね。
陰陽のバランスが取れていると、身体に負担をかけにくく健康を保つことができると言われています。
私は、以前大阪の料理教室でマクロビオティックを学び、その中で陰陽について勉強する機会がありました。(2年ほど菜食生活をしていました。その話はまたの機会に。)
フィリピンで暮らし、私が家庭の暮らしに根付いたフィリピン料理の食べ方や材料を観察していて感じたことは、フィリピン料理にも陰陽のバランスの取れた食べ方が数多く存在するということ。
フィリピン料理はヘルシーではない、という声を聞くこともありますが、それは伝統的・家庭のフィリピン料理ではなく、商業化・量産化されたフィリピン料理や調味料が普及してしまったために印象づけられたものではないでしょうか。
フィリピン料理もヘルシーであることは可能です。日本食も同様だと思います。食材や調味料に何を使うか、どの組み合わせでメニューを作るか、その選択の違いです。
陰陽については、ここではかなりざっくり言ってしまいますが、甘みや酸味、生の野菜や果物は陰性。塩や動物性のタンパク質は陽性に分類されます。
ご飯などの穀物は中庸(陰でも陽でもないこと)。
数あるフィリピン料理の一例ですが、下のような料理にもしっかり陰陽のバランスが見受けられます。
⭐︎陰⇄陽の組み合わせ例
・アチャラ(甘/酸)⇄魚や肉の炭火焼(肉/魚)
・グリーンマンゴー(酸/冷)⇄バゴオン(塩/アミエビ)
・トルタンタロン
ナス(冷)⇄卵(動物性)
・チキンアドボ
酢(酸)⇄チキン(肉)
・シニガン
酸味の効いたスープ(酸)⇄豚肉や魚やエビ(動物性)+魚醤(塩)
・トクワアトバブイ
豆腐(冷)+甘酢(甘・酸)⇄豚肉(動物性)
カラマンシーと呼ばれるフィリピンレモンが頻繁に料理の味付けやソースに使われることや肉類をフィリピンでは良く食べることもバランスを考えていますよね。
基本的に熱帯地域なので、その土地で取れる野菜や果物は陰性が強い。(身体の熱をとってくれます。)ただ、そればかり食べると身体が陰性に傾いてしまうので、バランスをとるために肉類が多く食べられるようになったり、魚も野菜も火を通した食べ方をするようになったのかな、と推測しています。
もちろん、生を食べないというのは、暑さで食材が痛みやすく、食中毒を避けるための知恵でもあると思います。
時にはジャンキーなフィリピン料理も美味しいですが、その土地の素材を使って作られた昔から家庭で食べられているフィリピン料理は見た目も美しく、味も格別です。多くの人にその味を知って貰えると嬉しいです。
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