#173 淡いブルーのカーディガン
こんにちは、ハルです。本格的な冬が始まり、街では早くもイルミネーションが夜を明るく照らしています。
だいぶ寒くなってきたので母が新しいカーディガンを私に買ってくれました。淡いブルーのカーディガンです。私はひと目見てそれを気に入りました。
早速、次の日制服に合わせて学校に来て行きました。
何人かの友達が「その色似合ってる〜」「かわいい」と褒めてくれました。私は自分の好きな色の服が自分に似合っていると言われたことがとても嬉しかったです。
その日の放課後いつものように私は部活に行きました。2時間半の練習を終えて、片付けをしていたときのことです。
後輩の1人が長机を運ぶのを手伝ってくれました。その瞬間、私たちの目線はお互いの服にありました。なぜなら彼女はお揃いのカーディガンを着ていたからです。
彼女はそれに気づくと何やら真剣な顔をしていました。私は少し恥ずかしい気持ちになりながらも、何も言わずに片付けを進めました。
帰る用意をしているとき、彼女が彼女の友達とコソコソと話しているのを見かけました。私はコソコソ話されるのが嫌いなので気になりましたが、何食わぬ顔で帰りました。
最寄駅に着くと離れたところに彼女とその友達がいるのを見つけました。
すると、彼女の「最悪なんだけどー」という大きな声がため息と一緒に私のところまで聞こえてきました。
"何が"最悪なのかは聞き取れませんでした。
でも、私は咄嗟に今着ている淡いブルーのカーディガンを上着で見えないようにしました。カーディガンが被ってしまったことを言われているのではないかと思ったからです。
彼女たちのヒソヒソ話と大きな声の「最悪」という言葉が私の頭から離れません。年度の途中で入った私は、いつも後輩に気を使ってきました。後輩にとって私は、学年は上だけど部歴は下。私は年が上だからと言って態度を大きくしないことと、先輩としての責任をいつも忘れないようにしてきました。後輩といい関係を気づきたくて積極的に話しかけたりしてきました。
それもただの自己満足にすぎないのかもしれません。これから私は先輩として部員の一人としてどうなっていけばいいのでしょうか。
彼女の言葉の理由について本当のところは分かりません。どうして”最悪”だったのか。私が気に入らないのか。その私と服がかお揃いになったことがいやだったのか。
私が少々気にし過ぎなのかもしれません。
なんだかモヤモヤが残る放課後となってしまいました。明日は淡いブルーのカーディガンはやめておこうかな。
いつもありがとうございます!