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松下洸平ツアーP2P振り返り

松下洸平さんのツアーPOINTO TO POINTに参加してきました。彼のツアーに参加するようになって3年目。どんどん進化しているツアーを私なりに振り返りたくて、今回文章にしてみる事にしました。(記憶の話なので、実際間違っている事もあるかもしれませんが)

1.リズム
 1曲目からダンサブルな曲で開始。私的にはこの1曲目がかなりの驚きだった。ツアーを行うようになって3回目。1回目は『恋の病』2回目は『FLY&FLOW』で、2曲とも自作曲で、彼の中で「こんにちは、松下洸平はこういう曲を作ります」という名刺代わりの1曲目だったと思っていた。
それが今回は、作詞作曲共に自作曲ではなく、提供曲だったのだ。
 今回のツアーがいつもと違うのは遂にアルバムを引っ提げての所謂”レコ発”のツアーとなっている所だ。そんなことからも、今回この曲を1曲目に持ってきたのは、彼のこのアルバムにかける思いと、自信が込められていると思った。

2.Color Of Love
 2曲目も思わず踊りだしたくなる曲。私はアルバムのこの曲の冒頭の「バキューン」と撃ち抜かれる音が大好きで、それを聴くだけでワクワクしてしまう曲なのだ。内容はもどかしい片思いの曲ではあるものの、メロディーは恋をする楽しさ、うれしさを爆発させるメロディーで、ライブでも彼は跳ね回り、楽しそうに私たちに向けて歌っていた。
 今回のツアーで大きく変わっているのが、いつものバンドメンバーに加えてSaxのKen-Tが加わっている事で、このSaxの音色がまた素晴らしいライブにしてくれていた。この曲でもSaxが冒頭からボーカルと同じメロディを鳴らして会場を盛り上げていた。個人的に、サビ部分のSaxの刻みがものすごく好み。

3.エンドレス
 再デビュー前からある曲で、この曲はツアーのたびに変貌を遂げてきている。今回のアルバムではラップ部分も入り、エモーショナルが強くなっている曲となっている。
 彼の素晴らしい所は、歌詞の世界観を瞬時にこちらに届ける力がある所で、前2曲では有無を言わさず踊らされていた私たちが、この曲になってあっという間に切ない別れのシチュエーションを思い起こさせるのだ。私自身、ツアーの中でも何回もこの曲で感情がこみあげてきて泣きそうになった。

4.つよがり
 彼の大切な再デビュー曲。この曲もツアーの度にと言うか演奏する度に変化を遂げていると思っている。正直な所、自作曲ではないこの曲を私の中で消化するのにかなり時間が掛かっていたのだが、今回のツアーでバンドの音色と共に歌い上げる姿に、松下洸平とバンドの曲になったのだと実感して、うれしくなった。個人的にはサビ部分でベースとSaxが同じメロディーを鳴らしているのだが、それがSaxとベースがメロディーになり、ボーカルがパーカッションの様になっていて、このバンドの成熟さを表しているとニヤリとしてしまった。

5.体温
 アルバム発売の前に同タイトルの写真集が出され、その世界観を表した曲となっている。作曲は彼のバンドメンバーである平野晋介さんとの共作であり、印象的なピアノから始まる。私はこの曲の世界観がたまらなく好きで、妄想もかなり掻き立てられて、お話を3つも作ってしまったくらいだ。
 先にも述べているが、彼の素晴らしい所は世界観をこちらに届けてくれるところであり、しかもそこには隙間が存在する。その隙間を想像する楽しみをこちらに与えてくれるのだ。ライブでも曲をうっとり聞きながら私は自分が考えたお話のキャラクターの事を考えて妄想が広がっていた。

6.あなた
 ここからは彼のツアーのお馴染みとなっている、盟友カンノケンタロウさんとのアコースティックコーナーになる。
 あなたを演奏する二人は、池袋で路上ライブを行う二人に見えた瞬間があった。それは、椅子に並んで座る二人のMCで、東京2日目では専門学校時代のカンちゃんの話をしたからで、前回のツアーでも、ギターを始めたきっかけの話をして、その時もギターを始めた中学生のカンちゃんが見えた。それだけ、この二人には歴史と強い絆があるんだと思わせた曲だった。
 あなたも自作曲ではなく、しかもかなり難しいメロディで、歌い上げるのが大変そうな曲で、前回のツアーでは「歌えますように」と祈りながら見つめていたのだが、今回は、カンちゃんという味方を横に携えたからか、ものすごくリラックスした曲となり、松下洸平の曲として歌い上げることが出来ていた。

7.One
 この曲もアコースティックバージョンで演奏された。
二人の息の合った演奏に、東京2日目には私はウルウル涙がこみあげてくるのが止められなかった。正直良い曲だなとは思うが、個人的にこの曲に対しての思い入れはあまりなかったので、まさかこの曲で泣きそうになるとは!と自分に対して驚いた曲だった。

8.Only You
 個人的にものすごく大好きな曲で、アルバムに入らなかったのがとても残念だったが、ツアーの曲に組み込んでもらって本当にうれしかった。
 「大好き」と言う気持ちを日常に組み込んだ、真っすぐなラブソングでこの曲でも私はお話を一つ作っている。熟年の夫婦の看取りをテーマにお話だったのだが、それだけこの曲は壮大なラブソングだと思っている。
 ライブでは軽快に踊る曲となっており、この後に続く怒涛のダンスパートの始まりにふさわしい曲となっていた。
 Saxの話ばかりで申し訳ないが(私自身管楽器を吹くので、どうしても耳がSaxに行ってしまうという、管楽器あるある)、サビ部分の対旋律を吹くSaxが本当に素晴らしい。

9.ハロー
 今回のアルバムの中で私が一番好きな曲。冒頭のメロディーは優しいのに、間奏部分になると急にゴリッゴリになるのだが、その「ゴリッゴリ」部分がライブでは進化を遂げて、これでもか、と言うくらい「ゴリゴリのゴリ」になって私たちに挑戦状の様に叩きつけてきた。まさか、松下洸平さんのライブでヘッドバンキングをする羽目になるとは思わなかったが、私の動く体を止める事は出来ず、この曲に関しては、彼の姿を確認する事もままならないくらい、頭を振ってどちらかと言うと椅子を見ていた。
 なので、スクリーンではかなり印象的な映像が流れていたのだが、私は配信を見るまでその映像をしっかり見れていなかったことを知ったくらい、踊り狂っていた。
 私の中で、今回のツアーでこのアレンジのハローを持ってきたことが、とても大きな出来事だと思っている。私のようなロックおばさんはファンの中では少数派で、どちらかと言うと、「ライブに行くのが初めてです」というファンも少なくなかった。
なので、今までのツアーの曲も、踊れる曲は数多くあってもそれはポップなもので、ここまでゴリゴリのロックに寄せた曲は無かった。それをここで持ってきたのは「こんな曲をやりたかった」という彼の願いであり、そんなゴリゴリな曲を演奏しても大丈夫だというファンに対しての信頼がかみ合った曲だと思っている。実際、ファンの間でもこの曲が大好きだと言う人は沢山いて、彼の思いがきちんと届いているんだと思ってうれしかった。
 この曲に対して書きたいことは山ほどあるのだが、書き出すと文字数が恐ろしいことになるので、この位にとどめておく。それくらい、大好きな1曲。

10.Way You Are
 ハローの興奮そのままにポップな曲になだれ込む。サビ部分がどうやっても体を飛び跳ねさせたくなる曲で、軽快なバンド演奏もあってニッコニコで体を揺らしていた。この曲の大サビ部分で銀テープが飛び出して客席を盛り上げてくれるのだが、銀テープが降り注ぐ会場全体が、幸せが降りてきているような雰囲気だった。

11.KISS
休む間もなくスーパーダンスチューンのKISSに突入。この曲は再デビュー前に作られたものであり、カンちゃんの手によってダンスチューンに変貌を遂げた曲となっている。この曲でも私は踊る体を止められず、汗をかきながら決して軽くはない身体で踊っていた。
 サビに行く前のブレイクのような3拍のメロディーがあるのだが、それがとても大好きで「サビに行くんだ」という気持ちに否応なしに連れていかれる3拍だった。

12.FLY&FLOW
 今回のツアーの中で唯一「え?この曲なんの曲?」と思わせる編曲の曲。曲に入る前の冒頭のSaxソロが素晴らしすぎて、前奏に入る前に高音を伸ばすのだが、それがフラフロの世界観を表している音で、会場全体のボルテージも一気に上がっていった。
 この曲自身、とても大好きな曲であり、我が家の次男は「俺のテーマ曲だ」と言って、よく聞いていて、自分の応援ソングにしている。だからこの曲を聴くと元気が出てくるのだが、ライブのアレンジではそこにロック色が強く加わり、メッセージ性がもっと強くなっていた。

13.旅路
 この曲は私の中でとても大切な曲で、色々あったこの2年この曲に何回も救われていて、ライブでもいつも思わず泣いてしまう曲だった。今回も私は握りこぶしを腰の下で作りながら、この曲を嚙み締めていた。ラストのギターとSaxの掛け合いがこの曲の世界観そのものだった。
 このツアーで強く思ったのは『バンド力』だ。このツアーは松下洸平のツアーであり、バンドメンバーはあくまでもサポートメンバーではあるが、1回目からほぼ変わらないメンバーで編成されている事もあり、既に一つのバンドとしての雰囲気が備わっていて、もうバンド作っちゃいなよ!と言ってしまいたくなる程だった。それを体現したのがこの『旅路』だったと思っている。

14.みんなが見てる空
 アンコール1曲目はツアー1回目から彼の弾き語りとなっており、今回のこの『みんなが見てる空』だった。コロナ過に作られた曲ではあるが、彼は「大切な人を思い出す曲になってほしい」といつも言っている。しつこいほど言ってるが、彼の曲は歌詞の世界観が容易に想像できる。この曲も会場全体一人一人がそれぞれ大切に思う人、モノを思い浮かべているのがありありとわかる、幸せで、でも切ない空気に包まれていた。
 私はこの曲で思い浮かぶのは長男と共にお腹の中では双子でいてくれた「朋」と名付けた、この世に生まれてくることがなかった我が子のことだ。会場に空は無いけれども、いつも天井を見上げ、朋の事を思い馳せていた。
 朋よ、お母さんはこの年になって推しに出会い、いろんな人に出会って幸せに楽しくやっているよ。いつも、そう報告している。

15.BET
 今回のアルバムの中でもR&B色がひと際目立っている1曲になっている。個人的には実はハローよりも体が動くのが止められない曲で、DNAレベルで体が動いていて、バックで流れるバンドの音に身をゆだねて自然と体を揺らしていた。

16.MUSIC WONDER
 彼が音楽をやりたい!そう思ったきっかけは「天使にラブソングを」を見た事であるのはファンの間では有名な話なのだが、その衝動が曲となって表れて私たちに提供してくれたのが、この曲だと思っている。最初から最後まで多幸感しかない曲で、自然と笑顔になってしまう。
 ライブ中も最後の曲なのに、私たちは笑顔たっぷりで踊って楽しんで手を振った。ありがとう、ありがとう、楽しいよ。それを全身で彼に伝えたくて手を振った。私たちと彼と、バンドとで作り上げる多幸感。今回のライブのテーマに相応しい、POINTOが交差し合う最後の曲となっていた。

 今回のツアーは全16曲、初めてコピーも無く全て自分の曲で編成されたツアーだったので、彼にとってはかなり思い入れの強いツアーだったと思う。
それなのに、今回のツアーは彼にとっては苦難の連続だった。初日は喉の調子が悪く思うように声が出ず、子供の様に悔しがって涙を流した。ツアー途中では延期を余儀なくされた3公演があった。でも、だからこそ、それを乗り越えたからこそ彼のパフォーマンスは数段レベルアップしたと思っている。
 私は昔からバンド人間であり、自分でも演奏をする立場でもある。だからこそ、お客さんに曲が届いていると実感できるときと出来ない時があるのも、演奏しない人よりは理解している。
 彼の素晴らしさは、そのお届け力が並大抵のものではないと言うところにあると私は思っている。舞台を行う時、彼は「お客様一人一人に言葉を届ける。でも、届き過ぎないようにもしている」と言っている。
それが彼の歌にも表れていて、たとえ最後列にいても、ふわっと包まれて最前列に連れてきてくれるのだ。
 楽しいライブは沢山ある。でも彼のライブは楽しいだけじゃなく、幸せなのだ。
まさに、MUSIC WONDER!

結局長々と書いてしまったが、彼の幸せの船は旅に出たばかり。私も一緒にまだ知らない景色を見ていきたい、進んでいきたいと思っている。


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