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4) 卒業生が語るリアルな感想 グロービス英語MBAへの挑戦 (Part-time, Online)
前回の続きです↓
卒業前の目的と卒業後の感想を比較
動機と目的について説明しましたが、卒業後にどのようなことを感じたのかについてもお話しさせていただければと思います。
→下記の内容は上記とリンクしております。
選んだ理由(振り返り)
① 知識:日本企業がグローバルで活躍するための道筋を考えたい
この点については、心から「学んで良かった」と感じています。私が勤めているのは典型的な日本企業、いわゆる Traditional Japanese Company です。そのため、グローバル化の道筋を考えるスキルや知識は特に重要だと感じていました。
MBAプログラムでは、主にケーススタディを通じて「どう判断するか」を学ぶことが一般的です。そして、多くのMBAプログラムで使われるケーススタディは、ハーバード大学などが提供するものが中心です。実際、他の大学でも大きな違いはなく、日本やアジア企業の事例もあるものの、アメリカや欧州の事例が多いのが実情でした。私自身、アメリカのケースが多かったおかげで、アメリカの文化を深く理解できた点では非常に役立ちました。
しかし、グロービスは日本の大学院であり、学校独自の日本のケースも積極的に取り入れてくれます。この点が他のMBAプログラムとは異なる、大きな強みだと感じました。特に印象深いのは、日本や海外のビジネスケースを題材にして、それを海外の学生たちと英語で議論できたことです。こうした環境は、実はかなり珍しいと思います。
アメリカの大学では、アメリカ企業の事例を英語で議論するのが一般的ですが、それ自体も素晴らしい体験だと思います。ただ私の場合、「海外企業の視点を学びつつ、日本や日本企業の立ち位置を客観的に理解したい」という目的がありました。その上で、「海外の学生が日本や海外企業をどう感じるのか」を直接聞ける環境は、とても貴重な体験でした。この経験があったからこそ、日本企業がグローバルでどう活躍すべきかを具体的に考える力が養われたと思っています。
② 英語:英語で議論できる力を鍛える環境
答えはシンプルです。「本当にやって良かった!」と思っています。英語での議論を通じて、発言や反論をする「度胸」が確実に身に付きました。この経験で、健全な批判精神も育ったと感じます。なぜなら、発言をしなければ単位がもらえないという厳しいルールがあったからです。
そもそも私は英語が得意ではありませんでした。「仕事でお金を稼ぐために必要だから仕方なく」という気持ちで始めたのが正直なところです。海外の人に話しかけられるとパニックになり、一言も返せないような状態からのスタートでした。だからこそ、英語が好きで勉強している人を本当に羨ましいと思っています。
ただ、英会話の勉強をどれだけしても、この「度胸」はつかないと思います。特に「議論」で必要なスキルは、実践を通じてしか鍛えられないと感じています。私はアメリカで5年間駐在していましたが、当然、英語ができないと厳しい場面もありました。「英語が話せないなら帰れ」と言われることもありましたが、多くの場合、日本人であることやネイティブでないことを理解してくれ、こちらの話に耳を傾けてくれることも多かったです。しかし、授業では発言の質が求められるため、適当なことを言えば点数がつかないこともしばしばでした。
そのため、最初は授業中に手を挙げるだけでも心臓がバクバクしていました。オンライン授業なので、全員が聞いているプレッシャーもありました。事前に準備したコメントはまだしも、話の流れで突然質問されると、「当てないでほしい!」と心の中で思いながら手を挙げていたこともあります。
それでも、「うまく話せなくても、間違えるのが怖くても発言する」という勇気を身に付けることができました。理由は簡単です。「発言しないと卒業できない」からです。自分を変えなければならない環境だったからこそ、成長することができたと思います。こればかりは、アメリカ駐在の5年間では得られなかったものです。
今では、アメリカ企業とも本気で議論することができるようになりました。その結果、相手からの信頼も得られ、自分でも驚くほど多くの人脈を構築できました。この「英語で戦う度胸」は、今後どの会社でも役立つスキルだと確信しています。もちろん、グロービスでの人脈も大切ですが、この度胸で築いた人脈こそ、私にとって本当に大きな財産だと感じています。
③ オンライン:柔軟性の確保
オンライン授業がメインだったおかげで、柔軟性があり助かりました。ただし、正直に言えば難しさも少なくありませんでした。日本語コースと比較して英語コースは授業数が少なく、時間割の選択肢が限られていたためです。さらに、振替が基本的には認められず、欠席した場合は授業動画を視聴する形になるルールでした。必修科目の時間が、アメリカ時間の午後11時、朝3時、朝6時といった過酷な時間帯になることもあり、最初は時間の調整に苦労しました。
しかし、授業を進めるうちに考え方が変わり、この環境も悪くないと思えるようになりました。理由は主に以下の2つです。
1. 業務と授業時間が重ならない
私は営業職で出張が多いため、振替が難しく欠席が心配でした。ただし、授業が業務時間中に行われることはほとんどなく、結果的にほぼ欠席することなく授業を受けることができました。そのため、「授業に出られないかもしれない」というストレスはほぼ感じませんでした。もちろん時間帯が厳しいのは事実ですが、慣れてくるとむしろ「日本語コースの夜7時の授業のほうが疲れるのでは?」と思うようになりました。これに関しては、自分の頭が麻痺していたのかもしれません(笑)。
2. 日本語コースも受講可能
英語MBAコースであっても、一定数の日本語コースを受講することが可能です。この柔軟性は本当に助かりました。当初は「絶対に英語だけでやりきる!」と意気込んでいましたが、授業の選択肢が限られる中で日本語コースを追加したことで、比較的「人間らしい」時間帯で授業を受けられるようになりました。
日本国内で受講している方は通学授業も選べるため、選択肢がさらに広がると思います。一方で、私の場合は完全オンライン。入学期間が長くなるほど選べる授業の時間帯が減り、朝3時開始のクラスしか残らない可能性もあったため、危機感を持っていました。しかし、日本語コースを受講し始めたことで、健康を優先した授業選択ができるようになりました。英語での授業も重要ですが、健康を犠牲にしては続けられませんからね。
④ 費用:ハローワークの給付金を活用
MBA取得にはそれなりの費用がかかりますが、私はハローワークの給付金制度を活用したことで、大きなサポートを受けることができました。入学から2年で卒業することができ、ハローワークとグロービス双方の充実したサポート体制のおかげで、家庭的にもかなり助かりました。結果的に満額の給付金を頂くことができ、経済的な負担を大きく軽減できました。
さらに、この学びを仕事に生かすことで、実際のキャリアアップにも繋がりました。「アメリカからグロービス英語MBA」というポイントを昇格試験でアピールした結果、厳しさが増すTJC(Traditional Japanese Company)の管理職昇格試験を無事に突破することができたのです。
昇格の難易度が年々上がる中で、グロービスでの学びと英語MBAの価値が大いに評価されたのは、非常に大きな成果でした。この昇格により、投資額はすぐに回収できそうです。単なる費用負担ではなく、確かなリターンを得られる投資だったと実感しています。
⑤ 希少性:社内で「初」の取り組みを目指す
事前に調べていたこともあり、私が「グロービス英語MBAを受講し卒業する社内初の挑戦者」であることは把握していました。この「社内初」という肩書きは、やはり大きなインパクトを持っています。昇格試験では、この希少性をしっかりとPRすることで、他の候補者との差別化を図ることができました。
「何事も社内初であること」は、それだけで特別な価値を持つと実感しました。この挑戦を通じて、ただ資格や知識を得るだけでなく、組織内での自身の存在感を高めることにもつながったと感じています。挑戦を形にし、評価を得ることができたのは大きな成果でした。
グロービス経営大学院(東京都千代田区、学長:堀義人)は、9月8日、2024年度英語MBAプログラムの入学式を東京校にて執り行いました。パートタイム&オンラインMBAプログラムには18カ国70名、全日制フルタイムMBAプログラムには20カ国46名、合計116名の入学者を迎えました。出身国・地域数は30カ国となり、過去最多となりました。グロービスの海外拠点であるタイや米国、2023年11月に新たに設立されたフィリピンを含む、世界中から多くの学生が集まり、多様性豊かな環境でMBAへの道を歩み始めます。
2006年開学当初、78名だった大学院本科入学者数は、2024年4月にはパートタイム&オンラインMBAプログラム(日本語)で977名に達し、在校生・卒業生は合計1万人を超え、日本最大のビジネススクールに成長を遂げました。
〜「テクノベートMBA」「エグゼクティブMBA」、2つのトラックを2024年度より始動〜
https://mba.globis.ac.jp/news/detail-23951.html
興味深いのは、日本語MBAに対して英語MBAの規模が約10分の1であることです。さらに、英語MBAの半数以上は海外からの学生が占めています。こうした背景から、「日本人がグロービス英語MBAを卒業する」ということ自体が、一定の希少性を持っていると言えます。この点も昇格試験でしっかりとアピールしました。
MBAを通じて得た知識やスキルだけでなく、「社内初」という肩書きが加わることで、昇格試験において他の候補者との差別化を図ることができました。この取り組みを進める中で、自分自身も会社にとってより価値ある存在になれたと感じています。
まとめ
グロービス英語MBAを通じて得られた経験は、単なる学びにとどまらず、キャリアや自己成長に大きな影響を与えました。
① 知識では、日本企業がグローバルでどのように活躍すべきかを具体的に考える力を養い、ケーススタディを通じて日本と海外のビジネスの違いを深く理解することができました。
② 英語力では、英語での議論を通じて「発言する度胸」と「議論の中で考える力」を鍛えることができました。これにより、海外の企業や人々との関係構築にも自信を持つことができています。
③ オンライン環境では、時間や場所の制約を超えて柔軟に学び続けることができ、限られたリソースを最大限に活用する術を学びました。
④ 費用面では、ハローワークの給付金を活用し、学びへの投資を効果的に回収することができました。
⑤ 希少性については、社内初のグロービス英語MBA卒業者というポジションを確立し、昇格や評価につなげることができました。
これらの成果を振り返ると、グロービス英語MBAは単なる資格取得の枠を超え、実践的な学びと未来への道筋を与えてくれるものでした。何よりも、私自身の考え方や行動に変革をもたらし、「自らを成長させる力」「志」を得られたことが最大の収穫です。
次回は、入学にあたっての準備や面接のポイント、事前に取り組むべき事項について具体的にお話ししたいと思います。これからグロービス英語MBAを検討している方にとって、少しでも参考になれば幸いです!
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