PORTEインタビュー企画vol.1 「群馬県のみなかみ町から世界へ!」 Mind to mind(LOCURRY)本多寛道 (ほんだひろみち)さん
ーはじめにー
この度、PORTEフードパートナーのみなさんと、ゆるっとおしゃべりベースでお話をしていきたいと思い、この企画を立ち上げました。ぜひ、ちょっとした暇つぶしにでも、楽しんで、様々なクリエイターの活動に興味を持ってもらえたら幸いです。
「大学生キッチンカーはじめます!」
森澤:現在都内を中心にキッチンカーで、群馬県の食材をPRしているフードクリエイターチーム「Mind to mind」の本多くんとお話ししていきたいと思います。本多くんよろしくお願いします。
本多:本多です。よろしくお願いします。
森澤:出身地と年齢を教えてください。
本多:出身地は群馬県、その中でも北部のみなかみ町という地域の出身です。21歳、大学3年生です。4月から大学4年になります。
森澤:絶賛大学生ですね。就活とかはしているんですか?
本多:そうですね。Mind to mindはメンバー3人で活動しているんですけど、メンバーの中には就職が決まっているメンバーもいるし、僕なんかはまさに今動き回っている状態ですね。はい、そうですね、そんな状態ですね(笑)
森澤:今本多くんたちはキッチンカーを中心に活動しているということなのですが、普段どんな料理を出していますか?
本多:地元の群馬県の有機野菜やお米を使用した本格スパイスカレーを出しています。
森澤:何故カレーを選んだのですか?
本多:まず、自分たちが全国に届けたい野菜やお米を売りたいなと思っていたんですよ。でもそのまま販売してもなあ、と思って。みんなが好きで、親しみやすく、その上でビジュアル的にインパクトのある「カレー」が良いんじゃないかと思って。という気持ちが半分、残りの半分はメンバー全員がとにかくカレー好きだったんですよね(笑)よく3人でカレーを食べに行きます。そんなわけでまずはカレーからスタートしてみました。
1番人気の バターチキンカレーと豚汁カレーの相盛り 900円
森澤:本当に3人とも仲が良いですよね。そんなカレーを含めた料理へのこだわりはどんなところでしょうか?
本多:はい、僕たちは農業パートナーとして現在農家の方と数件契約しています。契約した農家の方から野菜を仕入れたり、お米も直接仕入れていて、そういう地元群馬県の顔や仕事が見える生産者の方と直接コミュニケーションをとりながら、常に群馬県の良いものを食材に使用しているところがこだわりです。
農業パートナーのみなさん 有機野菜を中心に美味しい作物を育てている。
森澤:その農業パートナーさんはどうやって探したんですか?
本多:まず活動をはじめた頃は、僕の祖母がお米を作っていたので、お米は祖母から。祖父は農家だったので、野菜は祖父から購入していました。活動していく中で「ウチの野菜も使ってくれ!」と声をかけてくれる方が次々に現れ、話し合って取引先を増やしていきました。本当にありがたいです。
森澤:まさに行動力が生んだ結果ですね。動き出せば何かが変わる、と。
実際にみなかみで農業をされているは、どういった世代やどういった性格の方が多いですか?
本多:そうですね、、やはり田舎なので少子高齢化が進んでいて、農業をしている方の年齢はどんどん上がっていっています。
年齢が高くなってきているので特に、野菜を自分たちで販売したりすることが出来ない方が多くて、コミュニティもあまり広くないので、良いものがどうしたら流通するか、は僕たちも地元の人も課題にしています。
素晴らしいものを作る力はあるのだけど、広めるのが苦手といった方が多いかもしれません。自分たちがその役を担いたいと思っています。
上記画像の通り、過疎市町村と指定されている「みなかみ町」
森澤:販売先が少ない、固定の場所しかないといった意味ですね(道の駅や地元のスーパーなど)。なるほど、もちろん課題はどんな地域にもあると思いますが、必ず解決策はありますからね。一人で背負わず沢山の人を巻き込んで、関わる人全てが幸せになるといいですよね。
そんな素敵な農家さんたちの良い商品、食材を全国の人に届けたい、と活動されているわけですね。
本多:はい、そうです。
固定店舗ではなく、移動販売車に想いを乗せ、発進!
森澤:そんな中で何故、固定の店舗ではなくキッチンカー(移動販売車)を選んだのか教えてください。
本多:えっと、とにかく多くの人に食べてもらいたい、魅力を伝えたいということで、場所にとらわれない魅力の発信をしていきたいと考えたらです。実際に固定の店舗で販売するよりも開業リスクが少ない事も魅力でした。
森澤:なるほど。移動販売は年々開始する人が増えていますが、その中でも「きちんと想いを持って取り組む」事で「従来の移動販売車」から「活力の有るモビリティサービス」にアップデートされていますね。本多くんたちの活躍を見て、同世代の「想いはあるけど行動に移せない人たち」にも良い影響がありそうですね。
本多:あくまで僕の印象ですが、周りで起業したり、行動に移している学生は少ないのでこの熱意が浸透して切磋琢磨できる仲間が増えたら嬉しいですね。就職しても、キッチンカーの活動は継続していくつもりです。
森澤:僕たちの世代、僕29歳なんですけど、僕自身も本多くんたちの年齢の時くらいに海外のマーケット、国内だと青山のファーマーズマーケットや、クレヨンハウスなどに影響を受けて今の自分があるので、これからどんどん上からは良いところを盗んで、同世代、そして下の世代に伝染していくといいですね。
本多:そうですね。
日本の群馬県から、世界の群馬県へ!
森澤:さて、現在キッチンカーで様々な場所で出店を行っていると思うのですが、今回は週3回(月・水・金)ランチタイムにフードを提供している「hostel DEN」さんについて色々お話できたらと思います。
「DEN」は他のホステルと少し毛色が違うと思うのですが、具体的にはイスラムフレンドリーの方に人気があり、彼らにとって大切な礼拝( サラート )が出来る「礼拝室」があったり、スタッフも多国籍で様々な宗教や価値観を持った人がカジュアルに交わっていると思うのですが、本多くん自身は「宗教」についてどういうイメージがありますか?
本多:僕は、自分がコレだ!という宗教は無いのですが、例えば道でゴミを拾ったりした時に「良いことをしたら後で良いことがあるかも」みたいな(笑)そういう感覚もある種、宗教なのかなと思います。
森澤:なるほど(笑)面白いですね。日本人らしいというか。宗教についての知識はあまり無いけど、みんなめちゃくちゃ神社や寺で参拝しますもんね、僕もなんですけど(笑) そもそも日本は世界的には珍しい「多神教の国」ですが、いわゆる「一神教」の方が多い「DEN」なんですけど、本多くんの中東のイメージはどうですか?以前バックパッカーをしていたと聞いているのですが、行ったことありますか?
本多:中東はないですね。ないんですけど、僕は食べることが好きなので「アラビアン料理」とか日本にある中東料理の飲食店には結構行きますね。食べ物が美味しいイメージがあります、食べ物が美味しいのイメージばっかりです(笑)
森澤:本当に良く外食に行っていますね(笑)すごく良いと思います。色々な世界の料理を食べることで味覚も成長しますからね。さて、DENには先ほども言ったように様々な人がいるのですが、本多くん達がDENで行いたいことや挑戦してみたいことは有りますか?
本多:僕たちの使命は「群馬県の良さを伝える」ですが海外の方からしたら広く日本としてみられるわけじゃないですか。なので「日本の良さを旅行客の方に伝えたい」「日本の文化を少しでも伝えていきたい」と思っています。その中でも特に「群馬県のカルチャーを伝えていきたい」「国じゃなくて群馬として戦っていきたい」と思ってもいます。
森澤:なるほど、なるほど、熱いですね。いいですね。
町にキッチンカーがあることで生まれる光景とは
森澤:ここで街にフォーカスを当ててみます。DENのある小伝馬町は古くから「ものつくりの街」として栄えてきたそうです。
小伝馬町方面ではあまりキッチンカーを見かける機会は少ないので、割と物珍らしがられていると思いますが、そんなキッチンカーが浸透していないエリアで、どういった方法や戦略で街の人と接触していこうと考えていますか。
本多:一番最初は、町の人に声をかけて、僕たちの料理を食べてもらう、まずはそこからですかね。
魅力の有る料理をきちんと提供して、見せ方ももっともっと改善していきたいですね。匂いであったり、接客であったり、人を惹きつけるコミュニケーションを大切にしたいと思っています。自分たちのストーリーを一人でも多くの人に伝えていきたいですね。
森澤:有機的な時間や空間、人と人の関係性が本多くんたちを通して生まれるといいですよね。
数週間Mind to mindの活動を見てて思ったのは、平日はサラリーマンやOLの方が休み時間に来てくれて、少しおしゃべりしてるじゃないですか。みんな笑顔で帰っている姿が印象的でした。こう、小伝馬町の下町感がそうさせるのか、昔ながらの自然なコミュニケーションがあるというか、無機質じゃないですもんね。それはキッチンカーの力なのか、本多くんたちの人がらなのか、まあどちらともだと思うんですけど(笑)朝方や昼過ぎは以外とファミリー層も多くてびっくりしました。子供とお母さんが一息つきに、おしゃべりしに来たりしている姿も良いですよね。たとえお金のやり取りがなくても、お互いがお互いを同じ町で生活する人として認め合い、言葉をかわす。当たり前のようで、そう多くない光景だと思いました。
本多:仲良くなった方々には是非群馬に遊びに来て欲しいですね(笑)
自然が豊かな みなかみ町 は自然で遊び放題だそうです!
こちらはイメージでした(笑)
森澤:そういえば肝心のカレー、いただきましたが非常に見た目もきれいで美味しかったです。小伝馬町でこういったカフェご飯のような料理屋さんは少ないと思うのですが、どんな人に食べて欲しいですか?また、本多くんたちの料理を食べるとどういった健康効果や、どんな気持ちになれますか?
本多:いろんな人に食べて欲しいですね。大人から子供まで。
食材はすべて群馬県の僕たちが幼少期から味わってきた、親しんできた有機を中心とした野菜を使用しているので、献立はその野菜の旨味をより味わえるよう工夫しています。カレーなので腸内環境が改善されたり、免疫力が上がるとおもいます。味も毎日仲間と集まって試行錯誤しているので、常に納得のいく味を追求しています。また、僕たち大学生って本当にエネルギーに溢れているので(笑)活力というか元気を与えられたら嬉しいですね。
森澤:確かに頂いたカレーのごぼうと人参。衝撃的な甘みと旨みがありました。男性も満足のボリュームも嬉しいですね。
hostelとフードトラックの関係性について
森澤:今回のDENですが「hostel✖️フードトラック」というまだ都内でも数少ない組み合わせの企画なのですが、この「hostel✖️フードトラック」の可能性について教えてください。
本多:フリーで入れる屋上やフロアがあって、単なるテイクアウトではなくどちらかというとお店のような、家のような(笑)人が集まりやすい空間なので可能性は大きくあるとおもいます。民泊やゲストハウスも増えていると思うので、レストラン機能やカフェ機能が宿になくても、フードトラックを活用することで新しい宿と食の関係性が生まれるとおもいます。
受付を通ってエレベーターで5階へ。
その先には都会のオアシスが待っている。
森澤:いいですね。宿とフードトラックが友好な関係性を築き、切磋琢磨しながら、街の人に、宿泊者にとって大切な場所になると嬉しいですね。
本多:普通の出店と違って、宿がカッコ良いので僕たちも負けずとカッコよく、内容も常にアップデートしたいと考えています。
いい意味で常に監視の目があるので、集中できますし、自分もこの宿のメンバーだと思って営業していきたいですね。
目標はズバリ!POPEYEに掲載されること!
森澤:最後に、今後の目標を教えてください。
本多:DENフードトラックに来たら、1日が少し有意義になって、今はコロナの影響で人通りが少ないですが、DENの周りや屋上に人が溢れてこの街の皆さんの笑顔が増えたら嬉しいですね。自分たちなりの表現の仕方を常に考えて、意識して地元群馬の良さを一人でも多くの人に伝えたいです。そして今年中に絶対雑誌POPEYEに掲載されたいです(笑)
森澤:本多さん!お忙しいところありがとうございました!
〜インタビューを終えての感想〜
「大学生だからアルバイトでお金を稼ぐ」ではなく、地域や仲間、そして企業と協力して「自分たちで事業を行うんだ」「自分たちの 好き を仕事にするんだ」という熱い気持ちがとても伝わって来ました。
失敗と成功を繰り返して若干21歳にして様々なイベントに呼ばれ始めている彼ら。将来が楽しみなのはもちろんの事、彼らのような青年が増えることで町が、地域が、昨日より少し楽しくなるな、と思いました。
「出来ることを精一杯やる」簡単なようで行動に移すのは意外と難しいと思います。是非彼らの活動を一緒に応援してください!
(PORTE.Ltd 森澤雄基)
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