![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/49520519/rectangle_large_type_2_f249073a2a7a0f33907233b6319db9f8.png?width=1200)
【グルメ記事】江洋軒(兵庫県・明石市)
【江洋軒】
JR・山陽電鉄明石駅から徒歩5分、桜町本通があります。かつてステーションと呼ばれていた駅前は高層マンション建設や国道2号線の拡張など都会的な街にすっかり様変わり。桜町近辺では保育ルームが新たにできたこともあり、家族連れの姿や小・中学生の登下校風景が多く見られます。それとは反対に、この町には、少し道を入れば変わらず歓楽街が広がり、昔ながらの老舗が軒を連ねています。昔馴染みの美容院も多く、私もこの通りで、親子で経営している美容院に通っています。
![](https://assets.st-note.com/img/1686556535780-bW7VgI7hez.jpg?width=1200)
美容院に行く道中、必ずと言っていいほどその誘惑に負けるのが、半分開けられた厨房の窓から漏れ出る「江洋軒」のソースの香り。桜町本通の入り口に位置し、赤い看板に赤い暖簾が目印の中華店です。中に入ると、これまた赤いテーブルと赤いシートのソファが昭和の香りを引き立たせます。
![](https://assets.st-note.com/img/1686556641636-ZVr65QKTIO.jpg?width=1200)
看板にも書いてあるように、昔ながらの焼きそば400円(税込)と中華そば400円(税込)が店の代名詞。その他にわんたん350円(税込)とわんたん麺500円(税込)もありますが、ほとんどの人が焼きそばと中華そば両方を頼みます。それに習って私も両方を注文。店の5m手前からでも分かる、ソースの香る焼きそばを食べてみると、思いの外ソースが効きすぎず、優しい味が広がる。具はキャベツとチャーシューのみの、シンプルな内容で、麺は昔ながらの太麺を使用しています。続いて、器を熱々にして運ばれてきた、中華そばを食べてみると、焼きそばと同じく太麺に、鶏ガラベースの醤油風味で、あっさり。生もやしもたっぷりと入って、ヘルシーな一杯となっています。これが2杯頼む所以。
![](https://assets.st-note.com/img/1686556745488-KS5JkKfWqb.jpg?width=1200)
常連客は午前中からビールを片手に焼きそばと中華そばをつつくのがお決まり。今年78歳になる祖父も、まだ幼い私を連れて行ってくれた頃から、よくそうしていたのが思い出深い。ソースの香りに釣られて焼きそばを頼むものの、中華そばのスープが飲みたくなった私のために、結局両方頼んでくれていたのです。今では一人で両方をぺろりと食べられるようになったことがほんの少しだけ寂しい。
80歳近くになる美容院のお母さんも、「よく娘と一緒に焼きそばと中華そばをわけっこした」と同じようなエピソードを話してくれる。私の髪の毛をカットしてくれる娘さんの方は「学生の頃、部活終わりとかによく行ったなあ」と学生時代を懐かしんでいる様子。
この町を通る子どもたちも、これから同じような思い出を持って育っていくのだろうか。