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「トンマナ」って聞いたことある?-Canvaでデザインが上手くいかない人へ-<みんなのデザイン>&<みんなのデザイン経営>

今日は「なんとなくデザインを作っているけど、いまいちしっくりこない…」「お店のチラシやSNS投稿をもっと魅力的にしたい!」という方に、デザインの秘訣をお伝えしたいと思います。
デザインの初心者向けの内容です。

なぜデザインが思い通りにいかないの?

Canvaなどの便利なツールがあるのに、なかなか満足のいくデザインができない・・・そんな経験はありませんか?実は、多くの方が同じような悩みを抱えています。

その原因の多くは、「トンマナ」が確立できていないことにあります。

「トンマナ」って何?

「トンマナ」とは「トーン&マナー」の略で、ブランドやデザインの「雰囲気」や「個性」のことです。簡単に言えば、あなたのお店やサービスの「顔」となる統一されたデザインスタイルのことです。

トーン&マナーの要素ってこんなものがあります

1. 基本となるデザイン要素

  • ロゴの使い方:サイズ、配置場所、背景との組み合わせ方

  • 色使い:メインカラー、アクセントカラー、背景色

  • 文字(フォント):見出し用、本文用、キャッチコピー用

  • 余白の取り方:ゆったり、コンパクト

  • デザインの密度:シンプル、賑やか

2. ビジュアル要素

  • 写真の雰囲気:明るめ/暗め、自然光/人工光

  • イラストのタッチ:手書き風、シンプル、リアル

  • アイコンのスタイル:線画、塗り潰し、丸み

  • 装飾:枠線、影、グラデーション

3. レイアウトの特徴

  • 情報の配置:整然/不規則

  • 構図:中央揃え/左揃え、格子状/自由

  • 線や形の使い方:直線的/曲線的

  • 分割方法:対称/非対称

4. コミュニケーションの特徴

  • 言葉遣い:フォーマル/カジュアル

  • 表現トーン:優しい/力強い、シンプル/華やか

  • 伝え方:詳しく/簡潔に

例えば、カフェのトーン&マナーだと:

  • 落ち着いたブラウンをメインに、ベージュやグリーンをアクセントに

  • 手書き風フォントと読みやすいゴシック体の組み合わせ

  • 自然光を活かした明るい写真

  • 余白を多めに取った落ち着いたレイアウト

  • 優しく親しみやすい言葉遣い

このように、様々な要素を組み合わせることで、お店やブランドの個性が作られていきます。

なぜ「トンマナ」が大切なの?

お客様に覚えてもらいやすくなる

同じような雰囲気のデザインを継続して使うことで、お客様の記憶に残りやすくなります。例えば、無印良品の シンプルで落ち着いたデザイン、サンリオのかわいらしいキャラクター、アップルのミニマルでスタイリッシュなデザインを思い浮かべてみてください。

ブランドの価値向上

統一感のあるデザインは、プロフェッショナルな印象を与え、ブランドの信頼性を高めます。

制作時間の短縮

基本的なルールが決まっているため、毎回一からデザインを考える必要がなくなります。チラシやSNS投稿を作る時間を大幅に削減できます。

実践!トンマナづくり5つのステップ

Step 1:自分のブランドを言葉で表現する

まずは、以下の質問に答えてみましょう:

  • お店/サービスはどんな雰囲気を目指していますか?

  • ターゲットとするお客様はどんな方々ですか?

  • どんな価値を提供していますか?

例:
「落ち着いた雰囲気の街のケーキ屋。30-50代の女性をメインターゲットに、素材にこだわった優しい味わいのスイーツを提供」

Step 2:メインカラーを決める

ブランドイメージに合う2-3色を選びましょう。

  • 温かい雰囲気:赤、オレンジ、ベージュなど

  • 清潔感:白、水色、グレーなど

  • 高級感:ゴールド、ダークブルー、ボルドーなど

  • ナチュラル:グリーン、ブラウン、アイボリーなど

重要:選んだ色のカラーコード(#FFFFFFなど)をメモしておきましょう。これにより、常に同じ色を使うことができます。

Step 3:フォントを選ぶ

基本的に2-3種類のフォントを決めます:

  • 見出し用:インパクトのある太めのフォント

  • 本文用:読みやすい標準的なフォント

  • アクセント用:ロゴやキャッチコピー用の個性的なフォント(必要な場合)

Step 4:写真・イラストのスタイルを決める

  • 明るめ/暗め

  • カラー/モノクロ/セピア

  • アングル(正面/斜め/俯瞰など)

  • 装飾(縁取り/影付きなど)

Step 5:レイアウトパターンを作る

よく使うデザインのテンプレートを2-3パターン用意します:

  • チラシ用

  • SNS投稿用

  • メニュー表用 など

実践的なトンマナ活用術

Canvaでの実践方法

  1. ブランドキット機能の活用

    • メインカラーを登録

    • よく使うフォントを設定

    • ロゴをアップロード

  2. テンプレートの作成

    • 基本レイアウトを保存

    • よく使う要素をフォルダ分け

日々の運用のコツ

デザインガイドラインの作成
制作したものや何かで読んだ記事や参考サイトなどメモをとっておき、自分用のデザインガイドラインを作成しましょう。以下のようなことをまとめておきましょう:

  • 決定したカラーコード

  • フォントの種類と使い分け

  • 写真の撮り方・編集方法

  • レイアウトパターン

チェックリストの活用
新しいデザインを作る際は、以下をチェック:

  • 決められた色を使っているか

  • 指定のフォントを使っているか

  • 写真のスタイルは統一されているか

  • レイアウトは基本パターンに沿っているか

よくある失敗とその対策

  1. 色を使いすぎる
    → メインカラー2-3色+無彩色(白、黒、グレー)を基本に

  2. フォントを混ぜすぎる
    → 基本2-3種類に制限する

  3. 情報を詰め込みすぎる
    → 1つのデザインに1つの主張を心がける

  4. 統一感がバラバラになる
    → デザインを作る前に必ずガイドラインを確認する

「引き算のデザイン」で見やすさを手に入れよう

「もっと情報を入れたい!」「もっと目立たせたい!」そんな思いから、ついつい要素を足してしまいがち。
でも、プロのデザイナーが実践している秘訣は、実は「引き算」なんです。

なぜ「引き算」が大切?

1 . 人の目は「整理された情報」を好む

  • 私たちの脳は、シンプルで整理された情報を効率的に処理できます

  • 情報が多すぎると、かえって何も伝わらなくなってしまいます

2.「余白」が情報を際立たせる

  • 余白は「無駄な空間」ではありません

  • 適切な余白があることで、重要な情報が目立ちます

  • 高級感や上質感を演出する効果もあります

実践!引き算のデザイン3つのステップ

Step 1:情報の優先順位をつける

  • 最も伝えたいことは何か?

  • 2番目、3番目に重要な情報は?

  • それ以外の情報は本当に必要?

⠀例:セール告知チラシの場合

  • 最重要:割引率(〇〇%OFF)

  • 重要:セール期間、主力商品

  • 補足:その他の商品、注意事項

Step 2:要素を整理する

  • 同じような情報はまとめる

  • 似たようなデザイン要素は統合する

  • 装飾は最小限に

⠀具体例:

  • 「TEL」と「営業時間」は一つのブロックに

  • 似たような色は1色にまとめる

  • 飾り罫線や飾り枠は必要最小限に

Step 3:余白を意識的に作る

  • 情報の周りに適度な余白を確保

  • 要素と要素の間隔を統一

  • 画面の端まで詰めすぎない

実践のコツ:

1 まず普段通りデザインを作る
2 一度保存する
3 「本当に必要?」と考えながら要素を減らしていく
4 見やすくなるまで繰り返す

よくある「足し過ぎ」パターンと解決法

1.文字の強調しすぎ

  • ❌:太字、斜体、下線を全部使う

  • ⭕:最も重要な部分だけ太字に

2.装飾過多

  • ❌:枠線、影、グラデーション、パターンを組み合わせる

  • ⭕:最も効果的な1つだけを選ぶ

3.色使いのやりすぎ

  • ❌:目立たせたい部分ごとに違う色を使う

  • ⭕:基本2-3色で統一し、強調したい部分だけ差をつける

まとめ:今日から始められるトンマナづくり

現状のデザインを見直す

  • これまでのチラシやSNS投稿を並べてみる

  • 統一感があるか確認する

ブランドの方向性を明確にする

  • ターゲット層を具体的に書き出す

  • 提供価値を明確にする

基本要素を決める

  • メインカラー

  • フォント

  • 写真スタイル

  • レイアウトパターン

ガイドラインを作成する

  • 決めた内容をドキュメント化

  • チームで共有(必要な場合)

実践と改善を繰り返す

  • 新しいデザインを作る

  • 反応を見て調整する

「トンマナ」は一朝一夕には完成しません。しかし、基本的な要素を押さえて、少しずつ改善していくことで、必ず魅力的なデザインが作れるようになります。

まずは小さな一歩から始めてみましょう。たとえば、明日のSNS投稿から、決まった色とフォントだけを使ってデザインしてみるのはいかがでしょうか?

デザインの力で、あなたのブランドの魅力をもっと多くの人に伝えていきましょう!

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