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今のBTSと、切ない防弾少年団と 私が探しているバンタン
RUN BTS、VLIVE、、この状況の中でもほぼリアルタイムにバンタンに会える手段はそこそこある。その中で、私がいつも彼らの中に探してしまうものがある。ずっと引っかかっているのは、私は一体なんでこんなに彼らに惹かれるのだろうと、いったいどの彼らに惹かれているのだろう、ということ。ほぼ毎日かなりの時間、私はバンタンを追っている。与えられた環境でのリアルタイムの彼らを見、DVDやYouTubeで10代から20代初期の昔の彼らを見る。現実問題として、私の頭の中はとても混乱する。スマートで完成された今の彼らのパフォーマンスは恐ろしく魅力的だ。外見、音楽、生き方、メッセージ、どれをとっても素晴らしい。ただ、私がいつも泣いてしまうのは、その彼らを見た時ではない。アイラインくっきり、がちがちな不良スタイルで、壁を壊し、落書きし、かと思えば、好きな女の子をデートに誘いたいマンネのためにコンビニやスタンドでバイトしてがんばるヒョンたち、マッチを燃やしてバスタブに沈むジミンやパトカーに連行されるラップモンスター、ひいてはお父さんを刺してしまう、更に海に飛び込むテヒョン・・これは「花様年華」というbighitが手掛けた切ないく長いストーリー。同姓同名の主人公を彼ら7人に演じさせながら、最高の曲に載せてMVを展開していく。このことについては、たくさんの複雑な考察があって、ここで簡単には書けないので、また別の機会に。架空の話ではあるけれど、もちろんMV内の虚像ではあるのだけれど、現実の彼らと重なってしまう。何度繰り返して観ても、涙で最後まで見られないほど、心を持っていかれるのは、そんな彼らたち。
失ったものを思うとき、儚さ、さみしさと同時に、そこに懐かしさという甘い思いも伴わないとなかなかキツい。リアルタイムで彼らのその時代を知らない私は、その懐かしさが欠落している。つまり儚さ、さみしさ、だけを感じるわけだから、涙が出て止まらなくなるのに、でもね、私はこの時代を共有したんだから、っていう淡い着地点が見いだせない。心を動かされているものがあまりに宙ぶらりんで、こんがらがるわけだ。その想いを引きずったまま、その片鱗を求めながら、リアルタイムの彼らを見る。そんな習性が身についてしまった。でも、今や世界のトップに躍り出て、豪邸に住み、高級外車に載り、高級ブランドの服を身にまとう彼らの中には、どう想像力を働かせても、ぶかぶかの古着、じゃらじゃらしたフェイクのアクセサリー、すり減ったコンバースの彼らを見出すのは無理な話で、さらには、彼ら自身だって、たぶんそのころの郷愁だったり、心の痛みを少しづつ忘れていっているはずだ、とも思ったり。それはもちろん悪いことではなく人が生きていくのに当たり前だし、ましては成長期にあった彼らであるから、もっともっと当然のこと。そうやって私は自分の気持ちを落ち着かせる。私個人として、彼らの若かりし頃の苦悩や思いに感動していればいいことで、それを今の彼らの中に探すのは、堂々巡りだし、無理なことなんだよ、って勝手に郷愁に浸ったりする。
現実の彼らは、例えば先日のunpluggedで、彼らが歌ったfix you。辛いときに彼らの心の支えになったというcoldplayの曲で、そのカバーを7人で見事に歌い上げた。前に変なことを書いたけれど、私は涙が止まらなかった・・彼らの紡ぐ美しいハーモニーは全世界のアーミーならずとも彼らの声に触れた人々は、背筋に戦慄が走ったのではないかと思う。あの年齢の若者があれだけの旋律を奏でられるのには、これまでどれだけ大変な思いをし、苦悩し、傷ついて生きてきたか、たったの7年の間にどれだけのことがあったのかと、それを思わずにいられない。具体的にはわからなくても、その深さ、重さは推測できる。彼らは若き日の経験やその想いを彼ら内部の中に取り込み、咀嚼して、大人になった7人として、また私たちに素晴らしいものを見せてくれている。
私は、Vの声が(というかすべてが好きだけど)本当に好きだ。Vという25歳のひとりの男の子の持つ世界観がたまらなく好きだ。単なる25歳ではない。バンタンのメンバーの中でも彼は特に心が敏感で、爆発的に美しい外見の中にとても壊れやすいものを抱えている。彼がこの7年に経験したさまざまな出来事は知っていることもあればもちろん知らないこともたくさんあるし、ただ、簡単な人生ではなかったことだけは知っている。そんな彼が作り上げた今の特別な世界観。私は本当にそのテテの世界が好きだ。私はきっとこれからもずっと彼の世界に浸っていくんだろうな、と思っている。
結局私は何を言っているのだろうか、と書きながら呆れている。彼らの成長した素晴らしい感性を認めながら、子供の心を持った傷つきやすい彼らにも会いたいという。訳の分からないおばさんだな、と書きながら自覚した。